相続放棄をするなら遺品整理はできない? 相続放棄の判断基準も紹介

「相続放棄をすると遺品整理ができなくなるというのは本当か?」とお悩みではありませんか? 遺品整理は家族の大切な役目です。しかし、事情があって相続放棄をする人が遺品整理をすると相続放棄ができなくなってしまうこともあるので注意してください。

この記事では、相続放棄を予定している人が遺品整理をしてはいけない理由や、相続放棄した場合の遺品整理義務などについて詳しくご紹介しましょう。

相続放棄前に遺品整理をしてはいけない理由
相続放棄する場合の遺品整理義務は?
相続放棄するかどうかの判断基準を紹介
相続放棄する場合の遺品整理に関するよくある質問

この記事を読むことで、相続放棄と遺品整理の関係や、相続放棄する場合の遺品整理でやってはいけないことなどが分かるはずです。

1.相続放棄前に遺品整理をしてはいけない理由

まずは、相続放棄を予定している人がなぜ遺品整理をしてはいけないのかを解説しましょう。

1-1.そもそも相続放棄とは?

相続放棄とは、その名のとおり「相続を放棄すること」です。ここでいう財産とは、預貯金や不動産をはじめ、骨とう品や貴金属などプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も当てはまります。つまり、相続放棄することで親の借金を肩代わりせずに済むようになるのです。

1-2.遺品整理をすると相続を承認したとみなされる

遺品整理をしたことで相続放棄が認められなくなってしまう可能性があります。なぜなら、相続を承認したとみなされてしまうためです。そのため、慎重に行動しなければなりません。

1-3.経済的価値のないものは整理しても問題ない

相続放棄した場合でも、故人が残した手紙や思い出の写真など、お金に換えられるような価値がないものは受け取っても問題ありません。少しでも経済的価値があると考えられるものは、受け取る前に専門家へ相談してみるとよいでしょう。

2.相続放棄する場合の遺品整理義務は?

相続放棄する場合、遺品整理義務はどうなるのでしょうか。

2-1.故人が住んでいた家はどうなるのか?

相続放棄した場合は、故人が住んでいた家を売却したり解体処分したりすることができなくなります。また、賃貸の場合も同様です。契約解除の手続きを代行することや、部屋を明け渡すにあたって家財道具などを片付けることもできません。

2-2.相続財産管理人を選任する必要がある

兄弟全員が相続放棄をした場合など、法定相続人が一人もいなくなったときは、相続財産管理人を選任する必要があるでしょう。相続財産の管理を代行する法定代理人のことで、一般的には弁護士が選ばれることが多くなっています。選任された相続財産管理人には、物件の契約解除や遺品の片付けを行う権利があるのです。

3.相続放棄するかどうかの判断基準を紹介

相続放棄するかどうか迷ったときの判断基準には、以下のようなものがあります。

3-1.明らかにマイナスの財産が多い

明らかにプラスの財産よりマイナスの財産のほうが多いときは、相続放棄すべきです。手放したくない財産がある場合は仕方ありませんが、そうでない場合は相続放棄して債務返済の義務から逃れましょう。もし、遺産の内容がはっきりしていない場合は、限定承認を選択する方法もあります。限定承認とは、プラスの財産とマイナスの財産を計算し、プラスの財産だけが残る場合に相続できるしくみのことです。ただし、相続発生から3か月以内に相続人全員で申述を行う必要があるので注意してください。

3-2.相続トラブルに巻き込まれたくない

相続トラブルに巻き込まれたくないという理由で相続放棄を選択する人も少なくありません。特に、相続人の中に異母兄弟が含まれている場合や、隠し子の存在がある場合などはトラブルに発展しやすく、遺産相続に大変な時間と労力がかかることも多いでしょう。相続放棄することで遺産相続に関する話し合いに参加せずに済むため、トラブルに巻き込まれる心配もなくなります。

3-3.相続したくない財産がある

借金などマイナスの財産がなくても、相続したくない財産がある場合は相続放棄すべきです。たとえば、自分にとって不要な不動産が財産に含まれている場合などが当てはまるでしょう。固定資産税を支払い続けなければならない・解体に費用がかかるなど、デメリットが大きくなります。売却の見込みもない場合は、思いきって相続放棄するのがおすすめです。

4.相続放棄する場合の遺品整理に関するよくある質問

「相続放棄する場合の遺品整理について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.相続放棄したら形見分けもしてもらえないのでしょうか?
A.手紙や写真・着古した洋服など、金銭的な価値のないものであれば形見分けが可能です。

Q.相続放棄の取り下げは絶対にできないのでしょうか?
A.基本的にはできません。ただし、脅迫されたりだまされたりして相続放棄してしまい、のちに取り下げられたケースは報告されています。

Q.相続財産管理人の選定にはどのくらい費用がかかるのでしょうか?
A.20万~100万円前後の予納金がかかるといわれています。そのほかにも、収入印紙代や切手代などがかかるため、事前に確認しておきましょう。

Q.相続放棄についてはどこに相談すればよいですか?
A.弁護士への相談をおすすめします。無料相談を受け付けている弁護士事務所もあるため、利用してアドバイスをもらうのもよいでしょう。

Q.相続放棄する場合でも、状況によっては遺品整理をする必要が出てくることもあるのですか?
A.はい。孤独死で発見までに時間がかかった場合などは、早急に遺品整理や特殊清掃を求められることがあります。

まとめ

相続放棄する場合の遺品整理について詳しくご紹介しました。相続放棄を予定している場合、遺品整理をすることによってその効果がなくなってしまうことがあります。トラブルなく相続放棄するために、事前に正しい知識を持っておきましょう。