孤独死は高齢者だけの問題ではない! 孤独死対策や取り組みについて

少子高齢化社会になり、高齢者の一人暮らしが増えています。近年問題視されているのは、高齢者の孤独死です。孤独死を防ぐためには、地域全体で見守りなどを強化していくことが大切なポイントで、コミュニティーに参加することで孤立を防ぐのも有効な策となっています。また、自分でできる対策なども覚えておき、孤独死を防ぎましょう。本記事では、近年増え続けている孤独死の対策についてご紹介します。

  1. 孤独死について
  2. 孤独死を防ぐ対策について
  3. 孤独死を防ぐ対策・自分でできること
  4. 身内が孤独死した場合の対処法
  5. 孤独死でよくある質問

この記事を読むことで、孤独死対策についてよく分かります。特に、高齢者の一人暮らしは、孤立してしまうことが多いものです。地域や企業の取り組みについて理解し、孤独死を防ぎましょう。

1. 孤独死について

まず、孤独死の問題点や原因などを見ていきましょう。

1-1.孤独死とは?

孤独死とは、一人暮らしの人が看取(みと)られることなく、一人で亡くなることを指します。高齢者の一人暮らしで多い問題ですが、若い人でも突然疾患を発症することで孤独死は起こり得るものです。孤独死で問題になるのは、遺体の発見が遅れることにあります。死亡から時間が経過するほど、遺体の腐敗は進んでしまうため、ウジやハエなどの害虫が発生し、体液が室内に漏(も)れ出るなど、悲惨な状況になってしまうことが多いものです。遺体の腐敗が進んでいた場合、特殊清掃などをしなければ、日常の生活をすることができなくなってしまいます。また、遺族にとっても孤独死は大変辛(つら)い問題です。

1-2.孤独死はなぜ起こるのか?

孤独死は、周囲から孤立してしまう・頼れる親族がいない・持病がある・定年退職後に無職であるなど、人との関わり合いが少ない環境によって起こるものです。近年は、隣家とのつき合いがある家庭が少なく、一人暮らしの場合はより関わり合いを持とうとしません。そのため、どのような状態で暮らしているのかを周囲が把握できず、一人でひっそりと亡くなってしまう方が多いのです。

1-3.最近の現状・今後の問題点

既述したとおり、孤独死は高齢者だけの問題ではないのが現状です。若い世代でも起こり得る問題で、持病がある方や不規則な生活を送っている方は注意が必要でしょう。近年では、非正規雇用が増加し、生活に困窮する若者が孤独死する事例も多くなっています。ひと昔前に比べ、雇用主との関係が希薄になり、欠勤しても自宅へ確認に出向くなどすることがなくなりました。個人情報保護に敏感な世相となり、より人の暮らしぶりが分からなくなっています。体調不良や異変が起きていても、周囲が気づきにくいというのが現状です。また、家族と疎遠になっている場合、亡くなってから発見まで遅れてしまう可能性が高くなります。普段から周囲とコミュニケーションを取り、社会と積極的にかかわりを持つことで、孤独死を防ぐことは十分できるでしょう。

2.孤独死を防ぐ対策について

孤独死を防ぐ取り組みは、厚生労働省・企業・地域などで行われています。それぞれの活動を見ていきましょう。

2-1.厚生労働省による対策とは?

厚生労働省では、見守りに重点を置いた取り組みを行っています。見守りとは、福祉スタッフを見守り支援員として配置し、地域で支え合う環境を作り出すというものです。見守り支援員を派遣し、行政での取り組みができるように働きかけています。また、ライフラインを供給する企業などと協定を結び、異変を感じたらすぐに連絡をするという支援体制の整備も進められているのです。今後も増え続ける孤独死の問題を踏まえ、厚生労働省では見守り支援員の育成にも力を入れ、積極的な活動を行う体制作りに取り組んでいます。

2-2.福祉・企業など

高齢者の孤独死を防ぐためには、老人介護施設へ入所する・デイサービスを利用するなどの方法があります。施設を利用することで、定期的に健康観察や体調管理をすることができ、異変に気づきやすいことがメリットです。また、企業によるセキュリティーアプリの運用も始まっています。たとえば、セコム象印マホービンなどの企業です。セコムでは、一定時間人の動きを察知できない場合、異変を通報するシステムを導入しています。象印マホービンはポットに無線通信機を搭載し、遠隔地に住む家族に情報を送信するサービスを提供しているのが特徴です。費用はかかりますが、遠隔地にいる家族が安心して見守ることができるサービスでしょう。

2-3.地域の活動・できること

地域でできることは、孤立している人や一人暮らしの高齢者を把握し、普段から声かけや安否確認をすることです。そのためには、地域で1つのコミュニティーを形成し、情報を共有することが大切なポイントになります。洗濯物が何日も干したままになっている・新聞や郵便物がポストに詰まっているなど、ほんの少しの異変でもいち早く察知することが重要です。

2-4.さまざまな活動・対策

既述したとおり、デイサービスや通所リハビリテーションの活用は、孤独死を防ぐために大変有効です。引きこもりなどを予防し、人とのコミュニケーションを取る機会を得ることができます。寝たきりや要介護状態は、怪我(けが)がきっかけになることが多いものです。定期的なリハビリテーションやレクリエーションを通じ、介護状態になることを防ぐ体作りも、孤独死を予防する対策となります。

3.孤独死を防ぐ対策・自分でできること

孤独死を防ぐためには、一人ひとりが予防策を講じることが大切です。自分でできることを考えていきましょう。

3-1.家族が近隣の人と連絡を取る

女性のほうが男性よりコミュニケーション能力が高いため、孤立する人は少ないものです。とはいえ、高齢になると外出なども億劫(おっくう)になるため、人とかかわる機会が減ります。遠方にいる家族が、近隣の人と密に連絡を取り、気にかけてもらえるように働きかけることも大切です。

3-2.備えについて

2-2でご紹介したアプリの活用がおすすめです。孤独死は、家族が遠方にいて、状況を把握できないことが原因で起こります。アプリを活用することで、異変に察知することができるだけではなく、普段の生活状態を把握するきっかけになるでしょう。また、家族が見守っていてくれるという安心感を与えることができ、一人暮らしの方にとって心の支えとなるのです。また、孤独死に不安を感じる方が入ることができる保険もあります。身寄りがない場合、死後の処理を自己費用で行う必要があるため、孤独死に備えた対策となるでしょう。少額で加入できるものもあります。葬儀費用や特殊清掃費用に充てることも可能です。

4.身内が孤独死した場合の対処法

孤独死があった場合、遺族はさまざまな対応に追われます。孤独死が起きた場合の対処法を覚えておきましょう。

4-1.どうするか? やるべきこと

孤独死の連絡を受けたら、遺体の確認を行います。警察で遺体確認の手続きをしてください。警察では、遺体検案書を出してもらえます。遺体検案書が必要なのは、どのような理由で亡くなったのかを明確にしなければならないからです。遺体の状態を見て葬儀や火葬の準備を進めます。火葬許可証の交付を受けるためには、死亡届を役所に提出してください。死亡届の提出は、死体検案書を持って、死亡連絡があった日から7日以内に行いましょう。また、孤独死の場合、悲惨な死を遂げているケースが多いものです。腐敗した遺体から体液や血液が流出し、部屋を汚してしまいます。通常のハウスクリーニングでは汚れや臭いを取り除くことはできません。特殊清掃を依頼し、原状回復をする必要があります。

4-2.故人名義の契約はすべて解約すること

葬儀を終えたら、公共料金などの契約を解約する手続きを行ってください。解約しない限り、引き落としが続けられてしまうものもあります。住民票関連の手続きでは、世帯主の変更がある場合、死亡から14日以内に市区役所へ届け出が必要です。

5.孤独死でよくある質問

孤独死に関する質問を集めました。孤独死対策に役立ててください。

Q.一人暮らしの高齢者が、コミュニティーへ気軽に参加できる方法とは?
A.自治会などへの加入が、最も手軽に参加できる方法です。地域の人とつながりを持つことができ、孤独死だけではなく、災害時にも協力し合い、安否確認などを行っています。

Q.孤独死対策で最初に家族ができることは何か?
A.子どもが遠方に住み、親と疎遠になってしまうことがあります。しかし、孤独死が起こってからでは、後悔しても遅いのです。普段から連絡をまめに取ることで、高齢な親が孤独な環境から抜け出すことができるでしょう。今はスマホやタブレットで気軽にテレビ電話などを楽しめる時代になりました。アプリも存分に活用してください。

Q.今後、孤独死の問題はどうなると予想されるのか?
A.少子高齢化社会に加え、子どもを持たない家庭も増えています。一人暮らしの高齢者は今後も増え続け、孤独死の問題はより深刻化するでしょう。

Q.集合住宅などでも孤独死対策はできるもの?
A.マンションや団地などの管理組合が住人の状況を把握し、見守りを行うことが大切です。また、住人同士が挨拶を交わすなど普段から交流する機会を持つなど、集合住宅全体での意識改革も有効な策となるでしょう。

Q.身内が孤独死した場合、遺族はどのような心境になるのか?
A.腐敗した遺体や特殊清掃などは、遺族にはとても深い心の傷を与える出来事です。また、むごたらしい現場でも、遺品整理をしなければならないなど、心労は計り知れません。孤独死が起こらないようにすることがとても大切なのです。

まとめ

いかがでしたか? 孤独死は、少子高齢化社会の今、大変深刻な問題となっています。親と疎遠になっている子どもや、身寄りのいない一人暮らしの高齢者は、孤独死を迎えるリスクが高いものです。非正規雇用など収入が不安定な若者も増え、孤独死は高齢者だけの問題ではなくなっています。孤独死を防ぐためには、地域との関わり合いを積極的に持つ・孤立している人の見守りを行う・アプリなどを活用して異変を早めに察知するなどの対策を実行しましょう。孤独死は遺族にとっても大変辛(つら)い出来事です。孤独死が起こらないよう、普段から声かけや連絡を取るなどの防止策を行ってください。