知らないと怖い「脱法ハウス」とは?~シェアハウス生活をする前に~

「シェアハウス」が舞台のテレビ番組が人気を博し、世間でシェアハウスが注目されるようになりました。シェアハウスは1つの家を数人でシェアしながら生活します。しかし、シェアハウスで近年問題視されているのが「脱法ハウス」です。何の知識もないままシェアハウスの生活を始めれば、トラブルになってしまうでしょう。安心して生活するためにも脱法ハウスについて知らなければなりません。そこで、脱法ハウスとは何なのか、シェアハウスとの違いやチェックポイントなど解説します。

この記事を参考にすれば、脱法ハウスが理解できます。より安全・安心なシェアハウスが選択でき、楽しいシェアハウスライフが送れるでしょう。

1.脱法ハウスとは

シェアハウスの人気が高まりつつある中、脱法ハウスによるトラブルも増えています。シェアハウスを考えている人は脱法ハウスについても知らなければなりません。脱法ハウスの定義・現状やシェアハウスの違い、社会問題化されたきっかけなど見ていきましょう。

1‐1.脱法ハウスの定義

脱法ハウスは「違法シェアハウス」「違法ハウス」「違法貸しルーム」とも呼ばれています。毎日新聞が発端の言葉です。明確な定義はありませんが、以下の項目に当てはまる家が脱法ハウスとみなされています。

  • 居住実態がある24時間利用可能なレンタルオフィス
  • 共同住宅にはならない構造なのにシェアハウスとして宣伝している
  • 部屋自体が狭く、有効な窓がない
  • 施設内に住んでいる人がわからない

1‐2.脱法ハウスの現状

脱法ハウスの現状は年々悪化しています。2014年における脱法ハウスは10都道府県で765件、東京都で638件と国土交通省から発表されました。シェアハウスの人気に便乗して、脱法ハウスを運営する業者は増えています。そのため、脱法ハウスにだまされないよう借り主が注意しなければなりません。

1‐3.脱法ハウスとシェアハウスの違い

脱法ハウスとシェアハウスの決定的な違いは、建築基準法での違法性です。1つの家を共同住宅にするには用途変更が必要になります。もし、共同住宅として機能できない構造ならシェアハウスとして成り立ちません。脱法ハウスはシェアハウスとして認められないまま共同住宅にしている家です。

1‐4.社会問題化されたきっかけ

脱法ハウスが社会問題化されたきっかけは、マンボ―事件です。インターネットカフェ大手のマンボ―が「24時間利用可能なレンタルオフィス」と主張していた施設に対して東京消防庁が住居実態があると認定しました。さらに、住居実態があるにもかかわらず、火災報知機が設置されていなかったのです。結果、消防法違反として警告書が出されました。大手会社が脱法ハウスを運営していた事件+テレビ番組によるシェアハウスの人気急上昇によって、社会問題に発展したのです。

2.脱法、違法ハウスの問題点

脱法、違法ハウスに引っかからないためにも、問題点を把握することが大切です。これから、脱法ハウスが関係している法律、危険性、増えている原因について解説します。

2‐1.脱法ハウスはどんな法律に違反しているのか

脱法ハウスは主に建築基準法と消防法に関係しています。建築基準法において共同住宅とは「木造2階建ての戸建て住宅や事務所ビルの1フロアを改造し、人1人が寝起きできる程度の広さの空間に区切っている」と決まっているのです。人が快適に生活できる空間でなければ違反になります。また、東京都の建築安全条例においては、居室の広さが7㎡以上、道路や窓先空き地に窓を設けるなど制限が設けられているのです。そして、もう1つが「消防法」になります。火災報知器や消火器の設置、避難経路の確保など決まっているものです。消防法は人の命にかかわることなので、必ず守らなければなりません。

2‐2.脱法ハウスの危険性

法律違反をしている脱法ハウスは火災の危険性が高いです。窓がない脱法ハウスで火災が起きると、煙がすぐに充満します。さらに、避難経路が確保されていないと逃げているうちに煙を吸って意識がなくなるでしょう。ほかにも、精神面での悪影響、住民とのトラブルなどがあります。

2‐3.脱法ハウスがなぜ増えているのか

脱法ハウスが増える原因には家主と借り主双方のメリットが大きいからです。家主にとっては1部屋を30万円で貸すより、5部屋に区切って10万円で提供したほうが20万円分もうかります。一方、借主も都心部に近い割りに格安な家賃で生活できるのです。学生やフリーターといった低所得者にとってはありがたい住まいでしょう。

3.脱法ハウス、違法貸しルームのチェックポイント

脱法ハウス、違法貸しルームにだまされないためにもチェックポイントを把握しておきましょう。シェアハウスを考えている人は、ぜひ参考にしてください。

3‐1.採光・換気のための窓がない

実際のシェアハウスを見学する際、採光・換気のための窓があるかどうか確認してください。脱法ハウスには窓がありません。窓がない=消防法違反の証拠です。ほとんどの脱法ハウスはレンタルルームと同じ間取りになっています。

3‐2.居住スペースが狭すぎる

個室の広さが1~1.5畳になっているシェアハウスは脱法ハウスです。法律では最低でも3~4畳の広さにしなければならないと決められています。個室が3畳に満たさない場合は脱法ハウス、違法貸しルームと思っていいでしょう。

3‐3.遮音性や避難経路の確保がない

脱法ハウス、違法貸しルームの特徴には「壁が薄い」「避難経路の確保がない」点があります。壁が薄いので遮音性に優れているとはいえません。避難経路をきちんと確保していない共同住宅は消防法違反をしているあかしです。

3‐4.共有スペースがない、有料など

個室は人1人の居住スペースですが、ダイニングやキッチン、玄関などシェアハウスには共有スペースがあります。しかし、脱法ハウス・違法貸しルームには共同スペースがありません。そのため、居住者同士がコミュニケーションできる場所がないのです。よって、誰が隣にいるのかわからない状態で生活することになります。

3‐5.レンタルオフィスなど届け出が賃貸住宅ではない

脱法ハウスは居住者を募集するために「シェアハウス」と発言していても、実際には共同住宅としての届け出をしていません。届け出は賃貸住宅ではなく、レンタルオフィスになっている可能性が高いです。届け出をせずに共同住宅として提供している業者は100%悪徳業者になります。

3‐6.その他

一戸建ての住宅を数人用のシェアハウスとして提供するケースが多いです。しかし、きちんと間仕切りをしなければ「シェアハウス」として認定されません。実際、間仕切りしないまま提供したところ、「寄宿舎」として認定されたケースがありました。寄宿舎は主に学生や社員に住居を提供する建物のことです。シェアハウスとして機能するには、間仕切りがきちんとされているかどうかもポイントになります。

4.脱法ハウスの改善について

増え続けている脱法ハウスを改善するには、どうすればいいのでしょうか。まずは、脱法ハウスの実態を知りつつ、行政指導やブラックシェアハウスの割合について説明します。

4‐1.脱法ハウスの実態

アルバイト生活の学生だけでなく、外国人など脱法ハウスの利用者が増えてきています。脱法ハウスは手足を伸ばせばすぐ壁につくほど狭い空間です。狭い環境にもかかわらず利用者が増えている背景には、管理会社・管理組合の意識の甘さが問題といえます。管理意識が低いため、脱法ハウスを放置する、改修工事しない管理会社が多いのです。脱法ハウスを改善するには管理会社の意識を高めることも大切になります。

4‐2.行政指導について

国土交通省による行政指導がおこなわれています。火災時に住民が危険な状態にならないため、違法性を知りながらかかわった建築士・建築業者・宅建業者に処分する内容です。また、行政指導の対象は脱法ハウスに関係する業者になります。第3者からの通報があった場合は特定行政庁から立入調査がおこなわれ、是正指導が実施されるでしょう。

4‐3.ブラックシェアハウスは何割ほどか

全体的なシェアハウスのうち、ブラックシェアハウスは何割を占めているのでしょうか。「一般社団法人 日本シェアハウス」によると、およそ2割がブラックシェアハウスではないかといわれています。世間に認識されている数よりも隠れブラックシェアハウスが多いのではないか…と予想されているのです。

5.脱法ハウス、違法貸しルームにだまされないために

脱法ハウス、違法貸しルームにだまされないためには、借り主がきちんと見極める力をつけなければなりません。そのため、脱法ハウス対策や業者を選ぶポイント、相談窓口など説明します。

5‐1.脱法ハウス対策

脱法ハウス対策としては、実際にシェアハウスを見学することです。脱法ハウス、違法貸しルームのチェックポイントを踏まえながら、違反をしていないかどうか確認していきましょう。インターネットで写真を掲載している業者はありますが、自分の目で確かめることが大切です。また、見学するときはシェアハウスで生活している人との顔合わせも検討しておきましょう。

5‐2.業者を選ぶポイント

シェアハウスの業者選びは大切なポイントです。共有スペースが充実しているか、個室にカギがついているか、家賃やサポート体制などチェックしてください。他人と生活を共にするシェアハウスにはトラブルがつきものです。もし、入居者同士のトラブルが起きた場合、業者スタッフによるサポートがあれば安心して生活できます。サポート体制が充実している業者は信用できるでしょう。

ソーシャライブのシェアハウス:https://www.socialalive.jp/

5‐3.相談窓口

脱法ハウス、違法貸しルームにかんする問題が起きた場合、1人で抱え込んではいけません。大事にならないうちに解決するよう地方の行政団体や生活トラブル相談センターに問い合わせてください。できるだけ、早めに相談したほうがスムーズに解決できますよ。

生活トラブル相談センター:http://www.trouble-tjc.jp/

5‐4.その他

脱法ハウスは女性の利用者も多いです。すぐに入居できる、家賃が安いなどメリットがあるため、女性も利用しやすいと単身女性が増えています。しかし、女性は防犯性に注目してシェアハウスを選ばなければなりません。住んでも安心できるのか、個室にカギがつけられるかどうか必ずチェックしてください。防犯設備がきちんとしていなければ、入居者同士のトラブルが起こりやすくなります。何か起きた後では遅いので要チェックです。

6.脱法ハウス、シェアハウスにかんしてよくある質問

脱法ハウス、シェアハウスにかんしてよくある質問を5つピックアップしました。疑問点を抱いている人は必ず解消したうえでシェアハウスを始めましょう。

6‐1.脱法ハウスの家賃はいくら?

脱法ハウスの家賃はおよそ2万~3万円です。都内の平均家賃より半額で生活ができます。家賃の安さから脱法ハウスで生活する人は多いです。

6‐2.脱法ハウスに住むデメリット

危険性が高い、精神面での悪化はもちろんのこと、脱法ハウスに住むデメリットは「衛生面」です。狭い部屋の中で生活するため、すぐに汚くなります。ホコリやダニ・ノミなどが増え、衛生面が悪くなりがちです。また、窓や換気システムが充実していないので、臭気もこもってしまうでしょう。

6‐3.シェアハウス入居に保証人は必要?

シェアハウス入居に保証人は不要です。保証人不要の代わりに、入居前の事前見学をおこなう業者があります。事前に入居者と顔合わせすることでお互い安心して生活できるでしょう。

6‐4.シェアハウス入居に必要なものとは?

シェアハウス入居に必要なものはパスポートや免許証などの身分証明書、緊急連絡先、家賃、保証金です。業者によって準備するものが異なります。事前にホームページなどでチェックしておきましょう。

6‐5.トラブルが起きたときの対処法

優良業者の場合、トラブルが起きたらすぐにかけつけてくれます。入居者同士のトラブルでも管理人、業者が間に入ってくれると安心ですね。しかし、悪徳業者はトラブルが起きてもすぐに対処してくれません。

まとめ

いかがでしたか?人気が高まっているシェアハウスですが、違反となる脱法ハウスが問題視されています。脱法ハウスは窓がなく、快適に生活できる空間もありません。快適なシェアハウスで楽しくすごすためにも、脱法ハウスについて把握しておきましょう。きちんと脱法ハウスの知識を身につけておけば、安全・安心できるシェアハウス業者を選ぶことができますよ。