地震保険の特徴とメリットとは? 分かりやすく説明しましょう

2011年に発生した東日本大震災では、多くの家屋が津波に流されました。
また、1995年に発生した阪神淡路大震災では、激しい揺れによってたくさんの家が倒壊したのです。
つまり、大きな地震が発生すれば家も無事では済みません。
耐震工事をしていても限界があるでしょう。
そこで利用したいのが「地震保険」です。
でも、地震保険の特徴や補償内容を詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
そこで、今回は地震保険とはどのようなものか、ということをご説明します。
台風などの被害も補償してくれる火災保険と、どこが違うのでしょうか?

1.地震保険とは?

地震保険とは、文字どおり地震の揺れや地震が原因で発生した火災や津波で家屋が壊れてしまった場合に、その被害を補償する保険です。
日本は世界でも有数の地震大国。
しかも、ここ20年の間に2度も多くの方が亡くなる大地震が起きています。
「もし、ローンが残っている家が壊れてしまったら」と考える方も多いでしょう。
そのため、地震保険に加入する方は年々増えているのです。

2.地震保険の特徴とは?

では、地震保険にはどのような特徴があるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

2-1.政府と損保会社が共同で運営している保険

地震保険は、政府と損保会社が共同で運営している半ば公的な保険です。
ですから、どの保険会社で加入しても、商品性と保険料は同じ。
ほかの保険のようにTVや新聞に広告が打たれることもほとんどありません。
また、地震保険の年間保険料は都道府県と建物の構造区分(鉄筋コンクリート・木造)で8つに分かれています。
木造建築の建物や、50年のうちに高確率で大地震が発生すると予想されている東京などは、保険料が高く設定されているのです。

2-2.単独で保険に入ることはできない

どの保険会社でも、「地震保険」を単独で販売していません。
必ず火災保険とセットで販売しています。
「すでに火災保険に入っている」という方は、そこに地震保険を付帯できるのです。
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の割合で設定できます。
しかし、限度額があり建物は5000万円、家財は1000万円までしか補償されません。

2-3.家財道具と家屋、それぞれに保険をかけられる

地震保険には、家屋と家財にそれぞれ保険をかける仕組みです。
どちらか一方だけにしか加入していないと、補償が中途半端になってしまいます。
ですから、ほとんどの方が両方セットで保険に加入するのです。

3.地震保険で補償されるものとは?

では、地震保険でどのようなものが補償されるのでしょうか?
この項では、それをご紹介していきます。

3-1.家屋

地震保険で補償される代表的なものです。
しかし、支払いには条件があり「土台」「柱」「屋根」が損なわれていないと、補償の対象外になります。
つまり、「地震で壁に少しひびが入った」という場合や、「窓ガラスが割れた」という場合は補償されません。
また、建物の被害は「全壊」「半壊」「一部損」の3種類に分かれています。
全壊ならば保険料の100%が支払われますが、半壊ならば50%、一部損ならば5%しか支払われません。
ちなみに、津波で家が流された場合や地震が原因の家事で家屋が燃えてしまった場合は、全壊扱いになります。

3-2.家財道具

地震が起これば、家財道具も壊れます。
揺れだけでなく、その後に起きる火災や津波にあっても、家財は失われてしまうでしょう。
地震保険に入っていれば、家財は1000万円まで補償されます。
しかし、30万円を超える貴金属や骨董(こっとう)品など贅沢(ぜいたく)で価値が定まっていないものは補償されませんので気をつけましょう。
さらに、補償される家財道具は一般家庭で使用しているものだけです。
たとえば、工場の機械や会社で所有しているパソコン類には地震保険をかけられません。
注意してください。

4.地震保険のメリット・デメリットとは?

地震保険には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。
地震保険に入る際の参考にしてみてください。

4-1.メリット

地震保険の最大のメリットは、家屋が壊れた場合に補償してもらえるということです。
日本の建物は、世界でトップクラスの耐震強度を持っています。
しかし、強い地震がくれば無傷ではいられません。
さらに、土台や柱など建物の基礎が地震でいたんでしまうと、「かろうじて持ちこたえたけれど、いつ倒壊してもおかしくない」といった状態になってしまいます。
ですから、補償があれば家を建てなおすこともできるでしょう。
また、火災保険は地震による火災は補償外です。
ですから、「地震の際に火災が発生して、家が全焼してしまった」という場合は、火災保険ではなく地震保険で補償されます。
さらに、住宅ローンが残っている場合は家が全壊してもローンは免責になりません。
つまり、新しく家を建てなおせばさらに多くのローンを背負うことになるでしょう。
しかし、地震保険で補償されればそのお金を住宅ローンの返済に充てられます。

4-2.デメリット

しかし、地震保険にはデメリットもあります。
最も有名なのは「家の壊れ方」で保険会社と加入者の間でもめるケース。
地震保険は、柱や屋根など家の大切な部分が壊れないと「全壊」と認められません。
ですから、壁だけが崩れた場合や家が少しだけ歪(ゆが)んだ場合は、半壊や一部破損に区分されてしまうケースもあるのです。
壊れ方によっては「結局家は取り壊さなくてはならないのに、半壊と診断された」という場合もあります。
さらに、門扉や塀だけが壊れた場合は、家そのものに損害はなかったということで、保険金が支払われないので注意してください。
また、自動車や有価証券、など30万を超える家財道具はすべて保険の対象外なので注意しましょう。
「家は無事だったが、ガレージが壊れて自動車がつぶれた」という場合も、保険の対象外です。
さらに、全壊や半壊などの診断が下るまでに時間がかかります。
家が倒壊するような大地震が発生すれば、一度にたくさんの家屋が被害を受けるでしょう。
ですから、どうしても人手が足りなくなります。
阪神淡路大震災や東日本大震災のときも、家屋に全壊や半壊の診断が下るまで1年以上かかったケースもありました。
つまり、保険金が支払われるまでに時間がかかる場合もあります。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、地震保険の仕組みや補償内容、メリット・デメリットについてご説明しました。
まとめると

  • 地震保険はどこの保険会社で加入しても商品性や保険料は同じ。
  • 必ず火災保険とセットで入る。
  • 家屋と家財道具はそれぞれ別の保険である。
  • 家財の場合は、30万円以上のものは保険の対象外である。
  • 家屋の破損状態が診断されるまで時間がかかる場合もある。

ということです。
地震保険はかなり特殊な保険。
請求がある場合は、何千人単位でくるでしょう。
ですから、ほかの保険のようにすぐに調査が入って問題がなければ支払われる、ということにはなりません。
地震の規模によっては、1年以上またなくてはいけない場合もあるのです。
ですから「地震が起きたらこの保険金をあてにしよう」と思うのではなく「地震が起きても、この保険に入っているからいくらかは助かるだろう」という気持ちでいた方がよいでしょう。