
地震によって隣家が倒壊した場合の対処~知っておきたい地震の知識~
東日本大震災をきっかけに家の耐震に力を入れる業者や家庭が増えてきました。
いつやってくるのかわからない地震だからこそ、できるときに対策をしなければなりません。
自分の家に対策をしていても隣家が老朽化しているケースもあります。
老朽化が目立つ隣家を心配している人も多いでしょう。
そこで、地震で隣家が倒壊した場合の対処や自分たちでできる地震対策、隣家への注意点について説明します。
1.地震で隣家が倒壊した場合の対処
老朽化が気になる隣家が地震で倒壊した場合、自分の家に悪影響がない距離なら問題ありません。
しかし、隣家と距離が近いと自分の家まで影響がおよびます。
地震で我が家まで影響が来た場合、どうすれば良いのでしょうか。
1‐1.原則的に「損害賠償」は発生しない
地震によって隣家が自分の家に倒れこんできたら、損害賠償が発生すると思うでしょう。しかし、原則的に「損害賠償」は発生しません。
なぜなら、地震は不可抗力になるからです。
地震や津波、竜巻、落雷による損害はすべて自然災害になります。
意図的に倒壊したわけではないため、損害賠償は発生しないのです。
「隣家に責任はない」ことになるでしょう。
そのため、隣家に損害賠償を求める、責めるような行動をしてはいけません。近所トラブルに発展する恐れがあります。
それぞれ自分たちで建物をもとに戻す必要があるでしょう。
隣家の倒壊によって自宅が損傷しても、隣家に求めることはできませんよ。
1‐2.できるだけ早めの復興を求める
原則的に損害賠償は発生しませんが、倒壊した隣家の復興を求めることはできます。
自宅にもたれかかってきた場合、できるだけ早めに取りのぞいてもらわなければなりません。
隣家が傾いているままでは自宅の復興ができないでしょう。
余震の心配もあるため、「早く復興してほしい」と隣家の人に要請してください。
できるだけ早めの復興を求めることはできます。
地震で隣家が自宅にまで影響をおよぼした場合、できるだけ早めの対処が必要になるでしょう。
1‐3.冷静に対処すること
地震で隣家が倒壊した場合、焦ってしまいますよね。
倒壊した家が自宅にまで影響をおよぼすのならなおさらのこと、早く隣家に対処してもらわなければなりません。
焦りの気持ちから隣家に責めるような言葉づかいをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、地震が起きた直後は誰だって焦るものです。落ち着いた気持ちを保つことはできません。
そのため、冷静に対処することが大切になるでしょう。
これから先もお付き合いしていく隣家だからこそ、冷静な対処が必要です。
隣家も自宅の倒壊でひどく落ち込んでいるでしょう。
自然災害は近所の人たちとコミュニケーションを取ることが大切になります。
気持ちが落ち着くまで待ち、隣家や近所の人と相談しながら対処していきましょう。
2.自分たちでできる地震対策
2‐1.地域における地震対策への意識を高めること
淡路阪神大震災や東日本大震災がきっかけでやっと日本にも地震対策の大切さが広まりました。
淡路阪神大震災の際は倒壊した家のほとんどが木造住宅だったのです。
地震対策をしている家も本当にごくわずかでした。
そのため、全壊した家が多かったのも事実です。
最近では、自治体や国が積極的に地震対策への注意喚起を始めています。
地震による隣家の倒壊を防ぐため、地域における地震対策への意識を高めていかなければなりません。
近所同士のコミュニケーションはもちろん、お互いの家でできる地震対策について話し合う必要があります。
自治体や地域によって地震対策への注意喚起をしていきましょう。
地震の話題を出して、お互い家の耐震対策をしているかどうか確認し合うことも大切ですよ。
地震への注意意識を高めることで積極的に対策ができます。
2‐2.建物の耐震補強工事をする
自分たちでできる地震対策はたくさんあります。
地震がやってきたときに必要なものの準備や家具の固定なども1つの方法です。
建物自体を地震に強くするためには「建物の耐震補強工事」が良いでしょう。
建物の耐震補強工事はすでに建っている家でも可能です。
耐震補強工事は家の状態や骨組みによって異なるでしょう。
家にぴったりな耐震補強をするためにも、まずは家全体をチェックしていかなければなりません。
ほとんどの工事方法は、骨組みに地震の揺れを吸収するバネや装置を設置することになるでしょう。
さまざまな耐震補強工事があるため、いろいろな施行例をチェックしてください。
工事をしている業者によっても方法が異なるので要注意です。
3.隣家への配慮・注意点について
3‐1.地震に耐える住宅でない場合は損害賠償が可能?
地震によって隣家が倒壊した場合、隣家への配慮も必要になります。
基本的に損害賠償はできませんが、地震に耐える住宅でない場合は損害賠償ができるケースもあるのです。
たとえば、老朽化が結構進行している住宅、地盤や壁自体が地震に対応していない場合は被害にあった家から損害賠償が請求できるでしょう。
ただし、地震に耐える住宅であるかないかどうかは住宅や倒壊の状況を調べなければなりません。
総合的な判断で損害賠償できるかどうか決まるのです。
損害賠償をする際は、隣家とトラブルにならないよう慎重に進めていかなければなりません。
隣家とトラブルになるケースもあるので、請求するときは注意してくださいね。
弁護士や自治体の人と話し合いながら進める必要があるでしょう。
3‐2.時間がない場合は市町村に相談する
地震によって隣家が倒壊した場合、状況によってさまざまな解決方法があります。
損害賠償を求める場合は裁判所をとおす必要があるでしょう。
しかし、裁判所をとおすには時間がかかってしまいます。
できるだけ早めに復興したくても裁判所をとおすと間に合わなくなってしまうのです。そのため、急を要する際は裁判所ではなく市町村に相談してください。
倒壊による被害を拡大しないためにも、すぐ市町村に応急処置を求めましょう。
地震保険に加入している人は、保険がおりてすぐに復興作業を進めることができます。よく勘違いしている人も多いですが、火災保険は地震の被害に対応していません。
火災保険では安心できないので、保険内容も見直しておいたほうが良いでしょう。
安心して暮らすためにもチェックしておきたい内容です。
4.まとめ
地震で隣家が倒壊した場合の対処や自分たちでできる地震対策、隣家への配慮・注意点について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
隣家とのトラブルを防ぐためにもお互い地震対策をすることが大切です。
地震対策に対する意識を高めるためにも、コミュニケーションを取っていきましょう。
- 原則的に「損害賠償」は発生しない
- できるだけ早めに復興を求める
- 冷静に対処する
- 地域における地震対策への意識を高める
- 建物の耐震補強工事をする
- 地震に耐える住宅でない場合は損害賠償が可能
- 時間がない場合は市町村に相談する
以上はぜひ押さえておきたいポイントです。
自分たちでできる地震対策をしながら、いざというときの基礎知識を身につけておきましょう。