木造住宅の耐震性はどのくらい? 耐震性をアップする方法

ここ20年の間に日本は2度の大震災に見舞われました。
また、50年以内に70%以上の確率で大きな被害が予想される南海トラフ地震が発生するといわれています。
こうした中、「我が家は地震に耐えられるのだろうか?」と心配になる方も多いでしょう。
そこで今回は、日本で最もポピュラーな住宅である木造住宅の耐震性についてご紹介します。
木造住宅の耐震性はどのくらいなのでしょうか?
また、木造住宅の耐震補強方法にはどんなものがあるのでしょうか?
「古い木造住宅に住んでいるけれど耐震性が心配」という方はぜひこの記事を読んでみてください。
きっと解決方法が見つかりますよ。

1.木造住宅の耐震性とは?

この項では、一般的な木造住宅の耐震性についてご紹介します。
いったいどのくらいの地震にまで耐えられるのでしょうか?

1-1.古い住宅ほど耐震性は低い

ご存知の方も多いと思いますが、古い木造住宅ほど耐震性は低いです。
日本の伝統的な建築方法は、梁と柱で屋根を支えています。
ですから大地震が起きて柱や梁が崩れると屋根も一気に崩れてしまうのです。
特に瓦屋根の場合は屋根自体に重量があるので、倒壊の危険性が高くなります。
1981年に建築基準法が改正され、震度6の地震に耐えられる家の建築が義務づけられましたが、1996年の阪神淡路大震災では1981年以降に作られた家屋もたくさん倒壊してしまいました。

1-2.耐震性は経年劣化する

1981年以降に建てられた木造住宅は、震度6の地震にも耐えられるはずです。
しかし現実は、震度5以上の地震が起きると多くの家屋が倒壊します。
2014年の11月22日に長野県白馬村を襲った地震は震度5強でしたが、42棟の家屋が全壊しました。
耐震建築の方法というのは、年々進歩しています。
ですから、1981年以降に建てられた建物といっても一律に地震に強いというわけではありません。
それに木造住宅は年月とともに劣化していきます。
建てたばかりの頃は震度6の地震に耐えられる強さを持っていたとしても、年月とともに耐震強度も同じように落ちていくのです。

1-3.リフォームで耐震性が弱まることもある

建物の耐震性は、壁の多さと厚み、壁の配置のバランスで決まります。
ですからリフォームなどで不用意に内壁を取り払ってしまうと、耐震性が弱まることもあるでしょう。
また、壁と土台の接合部分が弱まっても耐震性は低くなります。
現在、500万円以下のリフォームは建築業許可の取得が義務化されていません。
ですから、耐震性について理解不足の会社がリフォームを行った場合、家の耐震性が弱まる可能性もあるでしょう。

2.こんな家は耐震性に不安があるかも

では、どんな家が耐震性に不安があるのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介していきます。

2-1.築15年以上たった住宅

1981年に建築基準法が大幅に改定されましたが、実は2000年にも改定が行われています。
この際には、1981年の改定の際にはあまり言及されていなかった、柱と土台の接合部分の決まりが細かく定められました。
これは、阪神淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したことを受けて定められたものです。
ですから現在の基準で行けば2000年以前に建てられた住宅はみな耐震性に一抹の不安があります。

2-2.白アリの被害などがあった住宅

白アリの被害に合うと、木造住宅は格段に傷みます。
「白アリの被害を受けて駆除を依頼した」というお宅は、耐震強度も下がっていると考えたほうが良いでしょう。
また、同じように土台が腐食したり、カビが生えてしまったりすると耐震性が落ちます。

2-3.リフォームをして壁の一部を取り払った住宅

すべてとはいいませんが、壁の一部を取り払うなど大規模リフォームを行った住宅は、耐震性が低くなっているかもしれません。
また、一度大きな地震にあい修理をした住宅も同様です。
1度大きな地震にあった住宅というのは、問題がないように見えてもダメージを受けている場合があります。

2-4.地盤がゆるい土地に建っている住宅

いくら建物が頑強でも、建っている土地がぜい弱ならば危ないです。
また、家を建てた時は地盤が頑強だったとしても、長年雨などが降り続けたおかげで脆弱になっている可能性もあるでしょう。
とくに山を切り開いて作った新興住宅地などは、条件次第で地盤が弱くなっている恐れがあります。

3.木造住宅の耐震性を上げるにはどうすればよいのか?

では最後に、木造住宅の耐震性を上げる方法をいくつかご紹介します。
古い木造住宅でも、工事次第では耐震性をあげることができるでしょう。

3-1.大規模なリフォームをして土台を強化する

「家が古いため土台を残して大規模リフォームする」という場合におすすめの方法です。
土台事態を強化したり、土台とそれに繋がる柱の接合部分を強化すれば、耐震性は格段にアップします。
また、大規模リフォームを行わなくても、土台を外側から補強する工事方法もあるでしょう。
ただし、土台をいくら強化しても柱や梁などが劣化している場合は効果がないこともあります。
工務店などとよく相談して工事を進めてください。

3-2.外側から筋交いなどをつける

窓の多い木造住宅に用いられる方法です。筋交いをつけると耐震性は格段にアップするでしょう。
しかし、見た目は決して良いとはいえません。また、すべての住宅が筋交いをつけられるわけではありません。
他に耐震性を上げる方法がないという場合に用いられることが多いようです。

3-3.制震ダンバーを設置する

耐震工事に比べると知名度は低いですが、制震工事という方法があります。
これは制震ダンバーという装置を筋交いや壁の内側に設置して、地震の揺れを吸収するという工事方法です。
大掛かりな工事に思われる方もいるでしょうが、制震ダンバー自体は大人がひとりで抱えて持ち上げられるほど小型です。
また、壁の一部を取り壊して設置するだけですので、工事も小規模で済むでしょう。
つまり、費用も安く済むのです。
また、壁が少なく窓が多い昔ながらの家でも設置可能。
「うちの家は古いから、土台をむき出しにしなければ耐震工事は行えない」と諦めている方は、ぜひ制震工事を検討してみましょう。
さらに、制震ダンバーは大地震で破損しない限り、特別なメンテナンスは必要ありません。
一旦工事を行えば、半永久的に揺れを吸収して地震から家を守ってくれるのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
今回は木造住宅の耐震性や耐震性をあげる方法をご紹介しました。
まとめると

  • 1981年以降に作られた木造住宅は、震度6の地震にも耐えられる構造にはなっている
  • しかし、耐震性は年月とともに劣化する
  • 古い住宅や、白アリの被害にあった住宅は耐震性が一層低くなる
  • 制震ダンバーを設置する制震工事を行えば小規模な工事で耐震性をアップできる

ということです。耐震工事というと大掛かりなものを想像しがちですが、現在は小規模な工事でも行えます。
古い住宅は、建て直すに越したことはありませんが、いろいろな事情があって古い住宅に住み続けなければならない人もいるでしょう。このような住宅にお住まいの方は、ぜひ制震工事を検討してみてはいかがでしょうか?
住みながら工事が可能なので、田舎の古い住宅に老いた親だけが住んでいるという場合でも取り入れることができます。
興味を持たれた方は制震工事を行っている工務店に相談してみましょう。