IBMパソコンの廃棄方法を紹介! メーカー回収・業者の選び方

IBMは、米国のパソコンブランドしたが、現在は、中国企業の「Lenovo(レノボ)」に売却し管理されています。もともと世界最大の総合コンピューター・メーカーですから、普及率が高く、不要になったIBMパソコンの処分方法に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。パソコン関連の廃棄は、「資源有効利用促進法」が関係しているため、自治体で処分できません。そこで、本記事では、IBMパソコンの廃棄方法とポイントを解説します。

  1. IBMパソコンの廃棄方法
  2. IBMパソコンの廃棄~メーカーに依頼する
  3. IBMパソコンの廃棄~回収業者へ依頼する
  4. IBMパソコンの廃棄前にすべきこと
  5. IBMパソコンの廃棄に関してよくある質問

この記事を読むことで、IBMパソコンの正しい廃棄方法が分かります。方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

1.IBMパソコンの廃棄方法

IBMのパソコンは、どのように廃棄すればよいのでしょうか。大まかな廃棄方法と関連法規について説明します。

1-1.どんな方法があるか

大まかな方法をピックアップしてみると、以下のような廃棄方法があります。

  • メーカーによる回収・下取り(ただし、期間限定キャンペーン)
  • 回収業者への依頼
  • パソコン3R推進協会への依頼
  • リサイクルショップなどの買い取り

パソコンの状態や不用品の量・機種などで廃棄方法が異なります。それぞれの方法の具体的な内容に関しては、後ほど説明していくのでぜひチェックしてください。複数の廃棄方法を把握しておけば、適した方法で手放すことができるでしょう。

1-2.資源有効利用促進法は?

有限有効利用促進法は、循環型社会を形成するために必要な3R(リデュース・リユース・リサイクル)の取り組みを総合的に推進するための法律です。パソコンには、銅・鉄・鋼・レアメタルなど貴重な資源が多く含まれています。これらの資源は量が限られているため、要らなくなったパソコンをリサイクルして再利用することが大切です。3Rを徹底すれば、ゴミの量を減らし、資源の再利用化をすすめることができます。

1-3.パソコン3R推進協会とは?

一般社団法人パソコン3R推進協会」は、平成16年度に設立され、有効資源利用促進法に基づいてパソコンの回収・リサイクルを行っています。主に、パソコンメーカーがすでに存在していない場合に、代わりとなって回収を実施しているのです。
また、IBMのパソコンはレノボが代わりに回収を行っています。ただし、事業系パソコンについては別で「一般財団法人パソコン3R推進協会」の回収となるので注意が必要です。

2.IBMパソコンの廃棄~メーカーに依頼する

資源有効利用促進法により、パソコンは製造メーカーが回収することになりました。では、メーカーに依頼する際は、どのような回収方法になるのでしょうか。

2-1.メーカーの回収方法

IBMのパソコンは、「Lenovo」で回収を受けつけています。PCサービスお申し込み窓口(0120-559-592)にて、月~金の10:00~17:30が受付時間です。土日・祝祭日・5月1日・12月30日~1月3日は休みとなるので注意してください。回収の流れは、以下のとおりです。

  1. 受付窓口に電話で回収の申し込みをする
  2. 料金支払い用紙が送付されるので、料金を郵便局またはコンビニエンスストアで支払う
  3. 支払い確認後、輸送伝票(エコゆうぱっく伝票)が送付される
  4. 自身で梱包(こんぽう)し、戸口回収または持ち込みで日本郵便に回収してもらう

ただし、料金の支払いが必要なのは「PCリサイクルマークがついていないパソコンのみ」です。デスクトップパソコン・ノートパソコン・液晶ディスプレイが3,000円、CRTディスプレイが4,000円かかります。一方、PCリサイクルマークがついているパソコンは無償で回収可能です。PCリサイクルマークは、パソコン本体の裏側などについているシールなので、有無を確認してみましょう。

2-2.対応機種は?

メーカー回収の対象機種は、デスクトップパソコン・ノートパソコン・CRT(ブラウン管)ディスプレイ・LCD(液晶)ディスプレイ・ディスプレイ一体型パソコンです。タブレット・ワークステーション・サーバー・プリンターなどの周辺機器は、回収対象外となるのでほかの方法で処分することになります。

2-3.注意点

メーカーサポートセンター(レノボ)で回収の申し込みを受けつけているのは、家庭系パソコンだけです。事業系パソコンは、前述した「一般社団法人パソコン3R推進協会」が回収を行っています。家庭系と事業系では申し込み先が異なるので注意してください。また、申し込みから回収まで、2~3週間程度かかります。早急に処分したい方は、早めに申し込みをするか、別の方法で処分したほうがよいでしょう。

3.IBMパソコンの廃棄~回収業者へ依頼する

回収業者へ依頼するのも、選択肢の1つです。では、回収業者へ依頼するメリット・業者の選び方など必要な内容をチェックしていきましょう。

3-1.回収業者へ依頼するメリット

回収業者はパソコンだけでなく、ほかの家電製品・家具・衣類などさまざまな品目を対象としているところがほとんどです。そのため、パソコン以外に処分したいものがあれば、まとめて手放すことができるでしょう。たとえ、不用品が大量にあったとしても、出張回収を利用することで手間と時間が省けます。業者が自宅にやってきてくれるので、運搬する労力も必要ありません。
さらに、パソコンのデータ消去サービスを行っている業者も存在しています。自分での消去が不安な方は、データ消去に詳しい業者へ依頼するとよいでしょう。

3-2.回収業者の選び方

現在は、さまざまなサービスを展開している回収業者があります。いざ依頼しようとしても、どの業者を選ぶべきか悩むでしょう。中には、不法投棄をしたり、回収費用を高く請求したりする悪質な業者も存在しています。悪質業者と優良業者を見極めるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • スタッフの対応が丁寧でスピーディー
  • サービス内容が充実している
  • 回収の実績がある
  • パソコンデータ消去サービスが利用できる
  • 産業廃棄物収集運搬許可を取得している
  • 口コミ・評判がよい
  • 回収料金が明確
  • 見積書の内容が細かく記載されている

3-3.回収方法、料金、注意点

主な回収方法は、宅配・持ち込み・出張回収の3点です。近くに店舗があり、すぐに処分したい場合は持ち込み回収のほうが早いでしょう。自分のペースで処分したい場合は宅配回収、不用品が大量にある場合は出張回収にするなど、そのときの状況や不用品の量で決めてください。また、回収料金は不用品の種類と量などで異なります。あくまで目安ですが、パソコンの場合は3,000~4,000円ぐらいでしょう。運搬料金・送料がかかる可能性があるため、具体的な費用は業者に見積もりを依頼してください。必ず内容を確認してから、依頼しましょう。
また、パソコンは銅・鋼・レアメタルなど資源価値が高いので、パーツに分解して再販売する業者が多い傾向があります。リサイクルを積極的に行っている業者は無料回収が可能なので、費用を抑えたい方はそちらも検討するとよいでしょう。

4.IBMパソコンの廃棄前にすべきこと

パソコンを処分する前に、必ずやらなければならないのがデータの完全消去です。データ消去の必要性・移行と消去方法を解説します。

4-1.なぜパソコンのデータを消去しなければならないの?

パソコン内部には、名前・生年月日・住所・電話番号・写真などの個人情報が含まれています。データを保存するハードディスク内に含まれているため、それらのデータをきちんと消去しなければ廃棄時に流出するおそれがあるのです。パソコンに登録したクレジットカード情報や、ゲームのID・パスワードなども流出するでしょう。さらに、仕事用のノートパソコンも、きちんとデータを消去することが大切です。顧客情報・極秘事項など会社の運営にかかわる内容が流出すれば、一大事になりかねません。

4-2.データの移行方法

パソコン内部のデータを消去する前に、ほかの端末へ移行しなければなりません。データの移行方法としては、CD/DVD・USBメモリーなどに直接データをコピーする方法があります。手動バックアップという形になりますが、移行するデータを自分で選べる点がメリットです。
簡単かつ安全にデータを移行したい方は、有料版ソフトを使用するとよいでしょう。新旧両方のパソコンにソフトをインストールし、ケーブルにつないでボタンを押すだけで自動的に移行できます。

4-3.データの消去方法

データの移行が終了したら、完全消去を行います。データの消去方法は、専用ソフトを使用する論理的消去法と、ハードディスクを壊す物理的消去法の2点です。消去専用ソフトは、パソコン関連の販売店やホームセンターで手に入りますが、インターネット上でも無料ソフトがダウンロードできます。物理的消去法の場合は、ハードディスクを取り出してカナヅチまたはカッターで傷つける方法です。ただし、破片が飛び散りケガをするおそれもあるので注意してください。

4-4.注意点

よく「初期化すれば大丈夫」と思われがちですが、それだけでは完全に消去したとは言えません。なぜなら、初期化は出荷前の状態にするだけで、内部のデータを消去したわけではないからです。表面上は画面から消えていますが、ハードディスクにはデータが残っています。きちんとハードディスクに保存されているデータを消去して、初期化をしましょう。

5.IBMパソコンの廃棄に関してよくある質問

IBMパソコンの廃棄に関してよくある質問を5つピックアップしてみました。

Q.古いパソコンもメーカーに回収してもらえるのか?
A.基本的に、2006年1月以降の日本IBMおよびLenovoのパソコンだけが対象となります。つまり、2006年1月以前に販売されたパソコンは対象外となるので注意してください。古いパソコンは価値が低く買い取りできない確率が高いため、回収業者への依頼をおすすめします。

Q.PCリサイクルマーク登録番号とは?
A.メーカー回収の際に必要な登録ナンバーです。PCリサイクルマークと一緒に登録ナンバーが印字されているので、依頼前にしっかり確認しておきましょう。人為的な行為で登録ナンバーが読み取れなかったり、紛失したりすると、回収再資源化料金の負担が発生するので注意が必要です。

Q.周辺機器の処分方法が知りたい
A.売る・人に譲る・回収業者に依頼するなどの方法があります。正常に稼働し新品状態に近いものであれば、リサイクルショップまたは買い取り業者で売ることができるでしょう。ただし、古く不調が現れているものは、買い取ってもらえない可能性があります。人に譲ることもできないので、ほかの方法で処分しましょう。

Q.パソコンは買い取り対象になるのか?
A.製造年月日から3~5年経過しているパソコンは、買い取ってもらえない可能性があります。また、動作確認ができるか確認してください。動作確認ができ、取扱説明書などの付属品を一緒に査定に出せば、高値で売れる可能性もあります。

Q.事業系パソコンを処分する際の回収・再資源化料金はいくらか?
A.前述したように、事業系のIBMパソコンは「一般社団法人パソコン3R推進協会」が受けつけています。回収・再資源化の料金受付手数料は、1契約(20台単位)当たり1,500円(税抜)です。30kgを超える機器のリサイクル料金は、個別見積もりとなるので注意してください。詳細は、一般社団法人パソコン3R推進協会のホームページを確認しましょう。

まとめ

いかがでしたか? IBMパソコンのメーカー回収は「Lenovo」への申し込みが必要です。申し込み方法は電話のみで、受付時間は月~金の10:00~17:30と決まっています。また、申し込みから回収まで2~3週間程度かかるため、すぐに処分したい方は回収業者へ依頼したほうがよいでしょう。回収業者なら、スピーディーかつパソコン以外の不用品もまとめて処分できます。手間と時間が省けるので、業者選びのポイントを押さえて上手に利用してください。中には、無料回収を行っている業者もあるため、複数の業者を比較するとよいでしょう。