着物の仕立て直しとは? サイズの合わない着物を有効活用する方法

着物は、親から子、子から孫へと代々大切に受け継いでいくのが日本の伝統です。しかし、せっかく譲り受けた着物も、寸法が合っていなければきれいに着こなすことはできません。そんなときに必要となるのが仕立て直しです。そこで、この記事では、着物の仕立て直しについて解説していきます。親から譲り受けた着物が自分の体に合わないとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

1.着物の仕立て直しとは?

仕立て直しとは、仕上がっている着物をほどいて生地の状態に戻し、新たに縫い直すことを言います。仕立て直しをする主な理由は「譲り受けた着物の寸法が合わない」「体型が変わってしまった」などです。体型に合わせて仕立て直すことで、着心地が良くなり、着姿もきれいになります。場合によっては、すべてほどくのではなく、衿(えり)・袖口・裾など、部分的な仕立て直しも可能です。

2.着物を仕立て直しする流れ

着物の仕立て直しはどのような流れで行われるのでしょうか? 順を追って紹介します。

2-1.採寸して寸法を割り出す

最初に、採寸をして着物の寸法を割り出します。体型に合った着物に仕立てるためには、できるだけ正確に採寸することが重要です。以下の3箇所を測って着物の寸法を割り出していきます。

2-1-1.身丈(みたけ)

まず、身丈(みたけ)を採寸します。着物の場合、身丈(みたけ)は身長と同じか少し大きいくらい(プラス5cm程度)が一般的です。

2-1-2.裄丈(ゆきたけ)

次に、裄丈(ゆきたけ)を採寸します。裄丈(ゆきたけ)は、首の後ろの出っ張った部分から手首までの長さです。

2-1-3.腰回り

さらに、腰回りを採寸します。腰の一番太い箇所を測ってください。おなか周りのほうが大きい場合は、おなか周りを測ります。

2-2.着物をほどいて反物の状態に戻す

つづいて、仕立てた逆の順番に糸をほどいていきます。これは着物を反物の状態に戻す作業です。着物の生地が傷まないように、ゆっくり丁寧にほどきます。

2-3.洗い張りできれいな状態に

必要に応じて、洗い張り・筋消しを行います。洗い張りとは、油性系溶剤で洗いをした後に水洗いをしてすることです。洗い張りをすることで、元の折り跡をほとんど消すことができます。生地が弱っている場合は、洗い張りをせずに筋取り(折り跡を取る作業)のみを行うのが一般的です。

2-4.寸法に合わせて仕立て直し

その後、最初に測った寸法に合わせて着物を仕立て直していきます。着物は基本的にほとんどが直線縫いです。一見簡単なように思えますが、シンプルなだけに高い技術が必要とされます。

3.仕立て直しで注意するポイント

仕立て直しをするとき、いくつか注意しなくてはいけないポイントがあります。どのようなことに気をつければ良いのか見ていきましょう。

3-1.丈を長くする場合の注意点

着物の丈を現在よりも長くしたい場合には縫い代が余っている必要があります。長くする分の縫い代がないと丈を長くすることはできないので注意してください。また、生地の色あせや変色によって、丈を長くした部分と色合いの違いが出ることがあります。

3-2.脇柄が合わなくなる場合がある

通常、「衽(おくみ)と前身頃」「背縫い」の柄を合わせ、脇縫いで身巾(みはば)を調整します。しかし、脇縫いに柄が入っている場合、仕立て直すことで柄が合わなくなることがあるので注意してください。この場合、柄と身巾(みはば)どちらを優先するか判断しなくてはいけません。

3-3.仕立て屋さんとよく相談してから依頼する

仕立て直しを依頼する際に重要なのが、仕立て屋さんに希望をしっかりと伝えることです。無断で見頃を断ち切って布が継ぎ足されて
いたり、柄が崩れていたりというトラブルも少なくありません。どのような方法で仕立て直しを行うのか、柄が合わない場合にどうするかを事前に相談しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか?
この記事では、以下の項目で着物の仕立て直しについて解説しました。

  1. 着物の仕立て直しとは?
  2. 着物を仕立て直しする流れ
  3. 仕立て直しで注意するポイント

サイズが合わないからと諦めていた着物も、仕立て直しをすることで有効活用することができます。まずは最寄りの着物専門店に相談してみましょう。