マイナポイントとは? 開始時期・受け取り方・手続き方法を解説!

「2020年からマイナポイントが始まると聞いたけど、どんな制度なのだろう」「マイナポイントをもらうには、どんな準備が必要なのか知りたい」とお考えでしょうか? マイナポイントとは、指定期間内にキャッシュレス決済した場合、最大5,000円分のポイント還元を受けられる制度のことで、2020年9月に開始予定です。しかし、実際にどんな手続きが必要なのか、どんな条件でポイントを受け取ることができるのかなど、よく分からないことでしょう。

そこで今回は、マイナポイントについて詳しく解説します。

  1. マイナポイントとはどんな制度?
  2. マイナポイントをもらう方法は?
  3. マイナポイント制度の導入で懸念されること
  4. マイナポイントに関するよくある質問

この記事を読むことで、マイナポイントの仕組みや申請時の注意点などがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.マイナポイントとはどんな制度?

最初に、マイナポイントとはどんな制度か詳しく見ていきましょう。

1-1.マイナポイントとは?

マイナポイントとは、マイナンバーカードを活用したプレミアムポイント還元制度のことです。指定期間内に指定の方法でキャッシュレス決済をした人が、プレミアムポイントを受け取ることができます。マイナポイントは全国共通のポイント制度であり、指定された条件をクリアすれば誰でも利用することが可能です。現金や商品券の支給ではなく、あくまでも電子決済におけるプレミアムポイント付与となることが大きな特徴になります。

1-2.景気回復とキャッシュレス決済の促進が目的

マイナポイントは、消費税アップによる景気の落ち込みを回復させることと、キャッシュレス決済の利用促進が主な目的です。2019年10月より消費税が10%にアップしたことを受け、個人消費が低迷している傾向が見られます。このまま消費が落ち込み続ければ、景気がますます悪化してしまうことでしょう。そこで、マイナポイントを導入することにより、個人消費が活性化することが期待されているのです。また、キャッシュレス決済の促進も重要な目的になります。現金決済よりもスピーディーで支出管理が楽にできることなどから、マイナポイントの付与をキャッシュレス決済に限定しているのです。

1-3.申請期間は2020年9月~2021年3月

マイナポイントの申請期間は、2020年9月~2021年3月と決まっています。申請期間中に利用したキャッシュレス決済に対して、最高で5,000円分のプレミアムポイントを付与されるのです。なお、当然ながら、申請期間前後にキャッシュレス決済をしても対象外になります。申請期間内に手続きすることが前提の制度であることを理解しておきましょう。

2.マイナポイントをもらう方法は?

マイナポイントをもらう方法を詳しく見ていきましょう。

2-1.マイナンバーカードを用意する

マイナポイントをもらうためには、マイナンバーカードが必要不可欠です。まだ取得していない人は、自治体に申請して早めに入手してください。マイナポイントは、マイナンバーカードを持っている人だけが利用できる制度です。プレミアムポイントを受け取りたいのなら、面倒でもマイナンバーカードを取得しましょう。

2-2.専用のID(マイキーID)を取得する

マイナンバーカードを用意したら、マイナポイント専用のIDであるマイキーIDを取得する必要があります。マイキーIDは、パソコンおよびスマホ(iPhone以外)で設定することが可能です。具体的には、以下を参考にしてください。

スマホ(iPhone以外)から設定

  1. 「Google Play」から「マイキーマイページアプリ」を探してインストールする
  2. JPKI利用者ソフトをインストールする
  3. 「マイキープラットフォーム」のアプリを起動する
  4. 「マイキーIDの発行」をクリックし、マイナンバーカードをスマートフォンで読み取る
  5. マイナンバーカードを読み取り、4桁の暗証番号(マイナンバーカードの暗証番号)を入力する
  6. 8桁のマイキーIDが自動で生成される

パソコンから設定(ICカードライターが必要)

  1. インターネットで「マイキープラットフォーム」を検索し、「マイキーID作成・登録準備ソフト」をインストールする
  2. 「マイキーIDの発行」をクリックして、マイナンバーカードをICカードリーダーで読み取る
  3. マイナンバーカードを読み取り、4桁の暗証番号(マイナンバーカードの暗証番号)を入力する
  4. 8桁のマイキーIDが自動で生成される

2-3.ポイントの付与方法は2つある

マイナポイントの付与方法には、ICカードにチャージする、QR決済をする、の2つがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-3-1.ICカードにチャージする

マイナポイントを受け取る方法の一つが、ICカードへのチャージです。マイナポイント申し込みページにて利用するICカートを選択・申し込み手続きをした後でチャージすると、チャージ金額に応じてプレミアム分のポイントが付与されます。

2-3-2.QR決済をする

マイナポイントの受け取り方として、QR決済による後付けを選ぶこともできます。使いたいQR決済アプリからマイナポイントの申し込みをしてください。QR決済にて買いものをすると、利用金額に応じてプレミアム分のポイントが付与されます。

3.マイナポイント制度の導入で懸念されること

マイナポイント制度の導入には、いくつかの課題や問題点が指摘されています。

3-1.利用できる決済方法が決まっている

マイナポイントでは、利用できる決済方法が決まっています。たとえば、以下のような方法です。

  • クレジットカード決済
  • デビットカード決済
  • Suica(スイカ)
  • WAON(ワオン)
  • PayPay(ペイペイ)
  • LINE Pay(ラインペイ)
  • 楽天ペイ

2019年11月時点では、上記を含めて12とおりのキャッシュレス決済が選べる予定です。しかし、現金決済や指定外のキャッシュレス決済は対象外となります。

3-2.原則として中小企業を利用した場合に限る

QR決済によりマイナポイントが還元されるのは、現時点では原則として中小企業を利用した場合に限られます。中小企業の基準については、以下の一例を参考にしてください。

  • 小売業:資本金5,000万円以下もしくは常用の従業員が50人以下
  • サービス業:従業員数が100人以下

なお、大手企業の本部直営店や大企業加盟店は対象外となる予定です。

3-3.ポイント付与から除外される商品やサービスがある

マイナポイントのポイント付与から除外される商品やサービスもあります。具体的には、以下のとおりです。

  • 自動車
  • 住宅
  • 換金性が高い商品(金券・商品券など)

3-4.中小企業のキャッシュレス決済導入が間に合わない可能性がある

マイナポイントをQR決済で付与されるには、中小企業のキャッシュレス決済導入が前提となります。しかし、現時点でも、まだキャッシュレス決済を導入していない中小企業が多く存在しているのです。そのため、マイナポイントの申請が始まる2020年9月までにキャッシュレス決済導入が間に合わない業者が出ることが想定されます。また、キャッシュレス決済導入業者も多忙になるため、直前になって導入しようとしてトラブルになる可能性もあるのです。

3-5.世間の反応もさまざま

マイナポイントに対する世間の反応もさまざまです。代表的なものは、以下をご覧ください。

肯定派

  • チャージでポイント付与されるなら利用したい
  • 普段の買いものがお得にできるのはうれしい
  • 中小企業の活性化につながるのはよい
  • キャッシュレス決済ができる店が増えるのは便利だ

否定派

  • マイナンバーカードを申請するのが面倒で申請したくない
  • マイナンバーカードやマイキーIDを悪用されるのが不安
  • マイキーIDが必要など制度が分かりづらい
  • キャッシュレスだけに対応するのは不公平感がある
  • 高齢者などには利用方法が難しい
  • プレミアム商品券と同様に一時的な対応にすぎない

どちらでもない派

  • 買いものは現金を使用するので自分には関係ない
  • まだ制度の全体が見えないので様子見をしている

マイナポイントについては、現時点ですべての方針が固まったわけではないので、実施近くになるとまた違った反応が見られる可能性もあります。

4.マイナポイントに関するよくある質問

最後に、マイナポイントに関する質問に回答します。それぞれ参考にしてください。

Q.7か月間で最大5,000円のプレミアムポイント付与では少な過ぎるのでは?
A.確かに、少な過ぎると感じる人もいるでしょう。しかし、政府の財源にも限度があること、多くの国民が利用する機会を設ける必要があることなどから、むやみに上限金額を上げることができないのです。

Q.マイナポイントに申し込むのは義務?
A.いいえ。義務ではありません。マイナポイントの付与を受けたい人だけが、所定の申し込みをすることになります。

Q.高齢者がマイナポイントを申請するときの注意点は?
A.今後、マイナポイント詐欺が横行する可能性もあります。たとえば、マイナポイントの手続きを代行すると言いながら近づいてきて、マイナンバーカードやマイキーIDを不正入手して悪用するのです。詐欺に遭えばプレミアムポイントの付与を受けられないばかりか、大切な個人情報が流出してしまうので注意してください。

Q.マイナポイントで分からないことはどこで確認すればいい?
A.総務省のよくあるお問い合わせページを参考にしてください。また、マイナポイントの申請時期が近づくにつれ、各自治体でも専門の問い合わせ窓口を設置する可能性があるので、確認してみるといいでしょう。

Q.マイナンバー通知カードで代用できる?
A.いいえ。マイナンバー通知カードでは、マイナンバーカードの代用はできません。別途、マイナンバーカードの申請が必要です。

まとめ

今回は、マイナポイントについて詳しく解説しました。マイナポイントは、景気回復とキャッシュレス決済の促進を主な目的として導入される予定で、期間中最大5,000円分のプレミアムポイントをもらうことが可能です。マイナポイントを受け取るには、マイナンバーカードとマイキーIDを用意し、さらに所定の手続きをする必要があります。2020年9月の申請開始までに、しっかり理解して準備を進めておきましょう。特に、2020年7~8月にはマイナンバーカードの申請が混み合うことが考えられます。マイナンバーカードをまだ入手していない人は、早めに手続きをしておくことが大切です。