第三者をはさむことも大切!? ご近所トラブル解決法とは?

今、ご近所トラブルに悩む人が増えているそうです。
せっかくマイホームを購入したのにご近所トラブルが原因で引っ越した、という方もいます。
いったいなぜご近所トラブルが発生して深刻化してしまうのでしょうか?
そこで、今回はご近所トラブル解決法をご紹介します。
いったいどうすれば、ご近所トラブルを円満に解決できるのでしょうか?
ご近所トラブルに悩んだときに相談できる機関もご紹介します。
ご近所トラブルに悩んでいる、という方はぜひこの記事を読んで解決の参考にしてください。

1.ご近所トラブルの種類とは?

まず始めに、ご近所トラブルの種類についてご説明します。
一口にご近所トラブルといってもその原因はさまざまなのです。

1-1.騒音に関するトラブル

ご近所トラブルの中で最も多いものです。
「騒音トラブル」というと、アパートやマンションなどの集合住宅で起こるものと思っている人もいるでしょう。
しかし、一戸建て住宅同士でも騒音問題は発生します。
特に、都市部では住宅同士が密集しているので、赤ちゃんの泣き声や足音が近所に響くこともあるのです。
また、道路で遊ぶ子どもたちの声やお母さん通しの会話などが騒音になるケースもあります。
今は、夜勤の人も増えて「昼間に眠る」という方も珍しくありません。
ですから、「この時間ならば、少々騒がしくても大丈夫」という時間帯がなくなってきているのです。
さらに、音の感じ方には個人差があります。
「このくらい大丈夫だろう」と自分が思っている音でも、隣人にはがまんできない場合もあるのです。

1-2.境界に関するトラブル

こちらは、主に一戸建てで発生するご近所トラブルです。
境界とは、自分の家と隣家との敷地の境目のこと。
ここに塀やフェンスを建てる場合も多いですね。
しかし、境界線が図面と実地では違っていたという場合も珍しくありません。
また、境界線上にお互いが費用を出し合ってフェンスや塀を建てた場合、費用の負担などでもめるケースもあるのです。
さらに、落ち葉や果実の落下など庭に植えてある植木が原因で起こるトラブルもあるでしょう。
変わったところでは、庭木の匂いが原因でトラブルになる場合もあります。
庭にハーブを植える人は多いですが、人によってはハーブの匂いが苦手という方もいるのです。
さらに、日当たりが原因でトラブルが発生することもあります。

1-3.感情の行き違いによるトラブル

ご近所同士でできれば仲良くやっていきたい、と考えている人は多いでしょう。
しかし、人には相性があります。
こちらの発言や表情などを曲解して、悪いほうへ解釈してしまう人もいるでしょう。
また、ささいな言葉の行き違いが大きなトラブルに発展するケースもあるのです。
このような場合は、話し合えば話し合うほど感情的になってしまうこともあります。

2.ご近所トラブルは、なぜ解決が難しいのか?

ご近所トラブルは、円満解決が難しいといわれています。
それはいったいなぜでしょうか?
この項では、ご近所トラブルがこじれやすい理由をご説明します。

2-1.意見が平行線をたどりがち

前述したように、騒音の感じ方は人それぞれです。
自分には気にならない音でも、ほかの人には耐えがたいこともあるでしょう。
また、子どもがいる人はどうしても子どもの声や足音に鈍感になります。
遠慮がちに改善を申し出ても、「このくらいがまんしてください」といわれることも多いのです。
また、強く文句をいうと逆に自分が悪者にされる場合もあります。
さらに、集合住宅では騒音の出所が分かりにくいのです。
ですから、見当違いの部屋に文句をいったり、逆にいわれたりすることもあるでしょう。
この場合は、真相がはっきりするまでわだかまりが残りがちです。

2-2.冷静な話し合いができにくい

トラブルの話し合い、というのは思っている以上に難しいものです。
特に、年齢が離れていたり、男女間で話し合いをしたりすると感情的になる可能性が高くなります。
また、お互いに「相手が悪い」と思いこんでも、感情が先走ってしまうでしょう。
さらに、仲がよかったご近所同士がトラブルをきっかけにお互いを激しく憎み合うようになるケースも珍しくないのです。

2-3.そもそも話し合いにならないケースもある

人によっては、「謝ったら負け」と思っている方もいます。
また、「相手が悪い」と頑(かたく)なに思いこんでいて、人の話を全く聞かない人もいるのです。
そのような方は話し合いのテーブルにつかず、いやがらせをくりかえすケースもあります。
それがエスカレートして、刑事事件に発展した例もあるのです。

3.ご近所トラブルの上手な解決方法とは?

では、ご近所トラブルを上手に解決するにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、その一例をご紹介します。

3-1.第三者をはさんで話し合う

当事者同士だけで話し合うと、どうしてもうまくいきにくいです。
ご近所トラブルが起きたら、第三者に間に入ってもらいましょう。
一戸建てならば自治会に、マンションならば管理組合に相談してください。
賃貸物件の場合は、大家さんや管理会社に相談しましょう。
第三者に同席してもらうだけで、冷静な話し合いができやすいです。
自治会や管理組合が機能していないという場合は、自治体の相談窓口を利用してみましょう。
部署が分からない場合は、問い合わせれば教えてもらえます。

3-2.トラブルの証拠を残しておく

たとえば、騒音被害の場合は「いつ、何時ごろに、どんな騒音がしたか」を記録に取っておきます。
1か月程度取り続ければ、立派な証拠になるでしょう。
境界線トラブルの場合は、土地家屋調査士に正確な境界線を測定してもらってください。
また、落ち葉や果実の落下などが苦痛だという場合は、証拠の写真を撮っておきましょう。
これらがあれば、客観的な証拠となって話し合いがスムーズに進みやすいです。

3-3.いやがらせは警察や弁護士に相談する

すでに話し合いがこじれてしまい、隣人がいやがらせをしてくるという場合は、警察や弁護士に相談してください。
防犯カメラの映像がある場合は、持参して警察に相談しましょう。
また、根も葉もないうわさを流されたという場合は、民事訴訟を起こすこともできます。
世の中には理不尽な言いがかりをつけてくる人もいるので、毅然(きぜん)とした態度で接することも大切です。

4.おわりに

いかがでしたか?今回はご近所トラブル解決法について、ご説明しました。
まとめると

  • ご近所トラブルは、いつ誰が巻き込まれてもおかしくない。
  • 冷静な話し合いができなければ、ご近所トラブルの解決は難しい。
  • 自治会や管理組合など第三者に間へ入ってもらうことも大切。
  • 理不尽ないやがらせには警察や弁護士に相談しよう。

ということです。今は、ご近所同士のお付き合いがほとんどない、という方もたくさんいます。
お付き合いがなければ、考慮する事情があっても分かりません。
また、「自分の非を認めたくない」「謝ったら負けだと思っている」という気持ちが、ご近所トラブルをこじらせる原因になる場合もあります。
ご近所トラブルを予防するためには、あいさつも有効です。
引っ越してきたときや赤ちゃんが生まれたときなどにしっかりとあいさつをしておけば、ご近所も「温かく見守ってあげよう」と思ってくれるでしょう。
また、自治会の行事などにはできるだけ参加することも効果があります。