
ワインの染みを落とす方法は? 簡単&キレイに仕上げるコツを詳しく!
「大切な洋服にワインの染みを付けてしまったが、落とすことはできるのだろうか」「ワインの染みをキレイに落とすコツを知りたい」とお考えではありませんか? ワインの染みが付いてしまうと、なかなか落とすことができなくて困りますよね。特にお気に入りの洋服なら、何とかしてキレイに落としたいことでしょう。
そこで今回は、ワインの染みについて詳しく解説します。
この記事を読むことで、ワインの染みを落とすコツや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。
1.ワインの染みが落ちにくい理由は?
最初に、ワインの染みが落ちにくい理由について見ていきましょう。
1-1.アントシアニンが繊維に入り込む
ワインの染みが落ちにくい理由の一つに、アントシアニンが繊維の奥深くに入り込んでしまうことが挙げられます。アントシアニンは、ワインやチョコレートなどに多く含まれる赤紫色の色素です。いったん繊維の中に染み込んでしまうと、繊維にしつこく絡んで落としにくい汚れになります。ワインには、アントシアニンがたっぷり含まれているため、染みになると厄介です。
1-2.時間が経過して酸化してしまう
アントシアニンは時間が経過して酸化すると、さらに取りづらい汚れに変化します。そのため、ワインの染みを落とすには、時間勝負になるのです。時間が経過するほどに落としづらくなるのですぐに対応する必要がありますが、何らかの事情で放置してしまうこともあるでしょう。すると、どんなに洗濯しても完全には落とせないほど頑固な汚れになることもあります。
2.ワインの染み抜きに役立つアイテム
ワインの染み抜きにあると便利なアイテムを詳しくご紹介しましょう。
2-1.古歯ブラシ
古歯ブラシは、ワインの染み抜きで重宝するアイテムの一つです。染みが付いた部分の裏から当て布をし、上からたたくようにして使いましょう。布などでたたくよりも染みが広がりにくく、ピンポイントで力を入れることができるので早く確実に染み抜きができます。古歯ブラシがないときは、新品でも構いません。ただし、生地を傷めないためにも、毛先がやわらかいものを使用してください。
2-2.台所用洗剤
ワインの染み抜きには、台所用洗剤があると役立ちます。染みが付着して数時間程度なら、台所用洗剤を染みの部分に付けて裏から当て布をし、古歯ブラシでたたくようにすると目立たなくなるでしょう。なお、ワインの染みは酸性なので、中性洗剤よりも弱アルカリ性洗剤のほうがキレイに落ちます。
2-3.酸素系漂白剤
ワインの染み抜きには、酸素系漂白剤を使用するのもおすすめです。酸素系漂白剤は、色柄ものの生地にも使用できます。なお、染みが付着して時間が経過している場合は、酸素系漂白剤を使用する前に、何回か中性洗剤で洗濯をしておくとよいでしょう。酸素系漂白剤は、マイルドな成分ですが色落ちしないわけではありません。大切な洋服などでつけ置きが心配な場合は、ごく短時間だけ使用するか部分的に塗布してみる方法もあります。
2-4.重曹
重曹は、じゅうたんやカーペットなどにワインをこぼしたときの処置に役立ちます。大量にワインをこぼしてしまった場合、布でたたくよりも重曹をまいて吸収させたほうがキレイに落とせるでしょう。じゅうたんやカーペットに使う場合、重曹はパッケージから出したままの状態で使ってください。重曹水(水200ccに大さじ2杯の重曹を溶かしたもの)にすると、洋服などに付着した染み抜きにも使用できます。
3.ワインの染みを落とす前に確認すること
ワインの染みを落とす前に確認すべきことを詳しく解説します。
3-1.水洗いできる生地か
洋服などは、水洗いできる生地か確認してください。水洗いできるかどうかは、洗濯表示を見れば分かります。水洗いできる生地なら、家で洗濯するなどにより染み抜きすることが可能です。水洗い不可の生地は、最初からプロのクリーニング店に持ち込んで染み抜きを依頼したほうがよいでしょう。自宅で無理に水洗いすると、生地が傷んでしまう可能性が高くなります。
3-2.漂白剤が使用できる素材か
ワインの染みを落とす前に、漂白剤が使用できる素材かどうかも洗濯表示を見て確認しておきましょう。たとえば、絹などのデリケートな素材は、漂白剤を使用することができません。また、色柄ものも、漂白剤の種類によっては使用できないことがあります。無理やり漂白剤を使用すると、生地がひどく傷んでしまったり色柄が抜けてしまったりすることがあるので注意しましょう。
3-3.生地が傷んでいないか
ワインの染み周辺の生地が傷んでいないかもチェックしてください。すでに生地が傷んでいる場合は、染み抜き作業で大きな負担がかかり、破れたり穴が開いたりする原因になります。リスクを承知で染み抜きをしても構いませんが、その場合でも様子を見ながら慎重に作業するようにしてください。
4.ワインの染みを落とす方法
ワインの染みを落とす方法を詳しくご紹介します。
4-1.ワインをこぼしてからすぐの対処法
ワインの染みは水溶性なので、こぼしてすぐならキレイに落とせる可能性があります。具体的な方法は、以下を参考にしてください。
洋服にこぼした場合
- なるべくすぐ洋服を脱ぎ、ぬるま湯で染みの部分をすすぐ
- 染みが残った場合は、キレイな布を2枚ぬらして1枚を裏に当て、もう1枚で表からポンポンとたたいてみる
- 染みがほぼ落ちたら中性洗剤で染み周辺をもみ洗いした後、よくすすいでから乾かす
じゅうたんやカーペットにこぼした場合
- 重曹をまいてワインを吸わせ、重曹ごと掃除機で吸い取る
- キレイな布でたたくように水拭き・から拭きして仕上げる
4-2.ワインをこぼしてから数時間以内の対処法
ワインをこぼしたことを気付かなかったなどで数時間程度経過してしまった場合は、酸素系漂白剤を使ってみましょう。具体的には、以下を参考にしてください。
- ワインの染みが付着した部分に酸素系漂白剤をかける
- つけ置き用の容器に40~50℃のお湯を入れて1を浸す
- 10~20分程度放置する
- 洗濯機に入れて通常と同様に洗濯する
4-3.ワインをこぼしてから数時間以上経過した場合の対処法
ワインをこぼしてから数時間以上経過した染みは、すでに酸化が進んでいて頑固な汚れになっている可能性があります。しかし、完全に落とすことはできなくても、繰り返し洗ううちに目立たない程度に染みを薄くすることはできるでしょう。なお、染みが落ちないからといって、必要以上にゴシゴシこするのは素材が傷むのでやめてください。
4-4.プロに依頼するのもおすすめ
ワインの染みをよりキレイに落としたい場合は、プロに依頼するのもおすすめです。プロ用の洗剤とテクニックで、ワインの染みを落としてもらえます。洋服の素材やこぼした範囲、経過時間などによっては完全に落とせないこともあるでしょう。しかし、プロが最善を尽くした結果なのですから、あきらめが付くはずです。
5.ワインの染みを落とすときの注意点
ワインの染みを落とすときに注意するべきことを確認しておきましょう。
5-1.できるだけ早く染みを落とす
ワインの染みは、時間の経過と共に落ちにくくなります。ワインの染みを発見したときは、速やかに落とすようにしてください。応急処置だけでも行っておくと、随分違います。ワインの染みは、たとえ小さくても目立つものです。お気に入りの洋服などは、なおさら気になることでしょう。まずは、何らかの対策を迅速に行うことが大切です。
5-2.なるべく横に広げない
ワインの染みを落とすときは、なるべく横に広げないようにすることが大切です。焦って染みを拭くと横に広げてしまいやすいので注意しましょう。ワインの染み抜きは、上からたたくようにするのが一番です。じゅうたんやカーペットなどにワインをこぼしたときも、重曹をまいて吸収させるなどで染みを広げないようにしましょう。
5-3.ほかの場所に移らないようにする
ワインの染みを落とすときには、ほかの部分に移らないように注意しましょう。裏から当て布をしないでたたく、薄過ぎる当て布を使うなどにより、ワインの染みがほかに移ってしまうことがあります。当て布をして染み抜きをするときは、こまめに途中経過を確認するようにしましょう。また、当て布を適宜交換することも大切です。
6.ワインの染みに関するよくある質問
最後に、ワインの染みに関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。
Q.ワインの染み抜きに塩素系漂白剤を使用してもよい?
A.どうしても染み抜きをしたい場合に限り、慎重に使いましょう。塩素系漂白剤は、漂白効果が高い一方で、成分が強いので生地が傷んでしまいやすいのがデメリットです。また、塩素系漂白剤は、必ず単体で使用しましょう。酸性タイプの洗剤と混ぜてしまうと、有毒ガスが発生して大変危険です。
Q.ワインの染みを防ぐ方法はある?
A.ワインの染みを予防するには、防水スプレーを使うのも一つの方法です。防水スプレーのはっ水効果により、生地に染みができるのを防ぐことができます。なお、防水スプレーは使用時に吸い込むと危険なので、屋外の風とおしがよい場所で使いましょう。
Q.市販の染み抜きペンを使用したら生地が変色したのですが?
A.市販の染み抜きペンを使用すると、生地との相性や経過時間などによっては生地が変色することがあります。特に大切な洋服に市販の染み抜きペンを使うのは、おすすめしません。
Q.白ワインならこぼしても染みにならない?
A.いいえ。白ワインでも、こぼせば染みになります。赤ワインほど目立たなくても、きちんと染み抜きしなければ黄色い染みとして残るので注意してください。
Q.クリーニング店に出しても染みが取れなかったら捨てるべきか?
A.特に思い入れのない洋服などは、処分してもよいでしょう。思い入れのある洋服なら、着用しなくても記念品として保管することをおすすめします。また、ホームウェアや手芸の材料として活用する方法も考えてみてください。
まとめ
今回は、ワインの染みについて詳しく解説しました。うっかりワインをこぼして染みを付けてしまった場合は、すぐに対処することが大切です。まずは、染みが広がらないように応急処置をしましょう。その後、なるべく早く本格的な染み抜きをすることをおすすめします。染みが付着してから時間が経過すると、染みの成分が酸化して落としづらくなるので注意してください。なお、水洗いできない素材については、無理に自分で対応せずにプロに任せることもよい方法です。