相続放棄したいときに知っておくべき遺品の片付けに関する4つのこと

相続放棄をした場合、遺品整理をする上で注意が必要になることをご存じでしたか? 相続放棄の意志があるにも関わらず遺品整理をすると、相続放棄が認められなくなってしまうケースもあるのです。故人に借金があった場合など相続放棄を検討している人は、片付けをする前にしっかりと把握しておきましょう。この記事では、相続放棄と遺品整理について詳しくご紹介します。

  1. 相続放棄について
  2. 相続放棄と遺品整理について
  3. 相続放棄した場合の片付け方法
  4. 相続放棄と遺品整理に関するよくある質問

この記事を読むことで、相続放棄と遺品整理の関係について分かるはずです。ぜひ参考にしてください。

1.相続放棄について

相続放棄とはどんなときにするもので、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

1-1.遺産の相続を放棄すること

相続放棄とは、遺産相続を放棄することです。人が亡くなった場合、法定相続人には遺産を相続する権利があります。しかし、手続きをすることで一切の相続をせずに済むことも可能になるのです。基本的に、この手続きをすると後から取り消すことはできません。

1-2.借金があるときは相続放棄を

故人が莫(ばく)大な借金を残して亡くなった場合などは、相続放棄を選択するべきです。相続放棄をしなかった場合、法定相続人はその借金をすべて負担することになってしまいます。相続放棄をすれば、親の借金を子どもが返済する義務はなくなるのです。

1-3.相続放棄のメリットとデメリットとは?

相続放棄にはメリットだけでなくデメリットもあります。しっかり把握した上でどうするべきか選択しましょう。

【メリット】

  • マイナスの財産を受け継がずに済む
  • 相続問題に巻き込まれずに済む

【デメリット】

  • プラスの財産も受け継ぐことができない
  • 勝手に遺品を処分できなくなる

2.相続放棄と遺品整理について

民法上の決まりや形見分けの注意点などをまとめました。

2-1.遺品整理をすると相続放棄ができない場合もある

遺品整理をすることで「遺産を相続する意志がある」と判断されてしまう場合もあります。民法第921条1号により「財産の全部または一部を処分すると、相続を認めたことにする」と定められているのです。ただし、故人の持ちものを一切触ってはいけないというわけではありません。資産価値がないと考えられるものについては、片付けや処分をしても相続放棄には影響しないのです。

2-2.資産価値のないものであれば形見分けもできる

資産価値がないと明らかに判断できるものであれば、形見分けとして引き取っても問題ありません。たとえば、故人が普段よく着ていた上着や、愛読していた本、家族の写真などは、相続放棄に影響しないのです。ただし、ブランドものの時計や骨とう品など、高額な値段がつく可能性のあるものの場合は、十分注意しましょう。

3.相続放棄した場合の片付け方法

遺品整理の方法について、ポイントや注意点をまとめました。

3-1.影響が出ない範囲での遺品整理が必要

相続放棄する人が遺品整理を行うことを、一切禁止されているわけではありません。ポイントは、相続放棄に影響が出ない範囲で遺品整理を行う必要があるということです。しかし、「資産価値のないものだと思って受け取ったものが、実は高価なものだった」という可能性も十分に考えられます。個人で判断するのは非常に難しい問題でもあるため、事前に弁護士などに相談するのがおすすめです。

3-2.持ち家の場合

故人が持ち家に住んでいた場合、相続放棄をしても管理義務がなくなるわけではありません。たとえば、空き家になった実家が老朽化して倒壊し、近隣に住む人がケガをした場合などは、管理義務違反として損害賠償責任を負う可能性もあるのです。管理義務の責任を逃れるためには、相続財産管理人を選定するために、裁判所に手続きをする必要があります。遺品整理については、明らかにゴミだと判断できるもの、資産価値のないもの以外は処分することができないため、注意してください。

3-3.賃貸物件の場合

故人が賃貸物件に住んでいた場合は賃貸契約を解除しなければなりません。ただし、この手続きをすることで相続放棄に影響が出てしまう可能性があります。そのため、相続放棄をする意思がある場合は、やはり弁護士への相談が必要です。物件に残っている家財道具などの片付けに関しても、明らかにゴミと判断できるもの以外は処分せず、相続財産管理人を選定して管理してもらいましょう。

3-4.連帯保証人になっている場合は注意!

故人が賃貸契約をした際の連帯保証人になっている場合は、相続放棄をしてもその義務は残ります。そのため、家賃の支払いが残っている場合などは代わりに支払わなければならないのです。連帯保証人として契約してしまっている人は、そのことを忘れないようにしましょう。

4.相続放棄と遺品整理に関するよくある質問

「相続放棄した場合の遺品整理について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。

Q.相続放棄をする場合、いつまでに手続きが必要ですか?
A.自分に相続の権利があることを知ってから3か月以内に、相続放棄の申請をする必要があります。

Q.プラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いのか分からないときはどうしたらよいでしょうか?
A.プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた金額を相続できる「限定相続」を選択するのがおすすめです。

Q.相続放棄をしたいのですが、大家から早く家財道具を片付けるように急(せ)かされています。どうしたらよいですか?
A.相続問題に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

Q.未成年でも相続放棄することはできるのでしょうか?
A.法定代理人による同意があれば、未成年でも相続放棄することが可能です。

Q.故人が賃貸物件に住んでいた場合、相続放棄しても電気やガスなどの解約手続きをすることはできるのでしょうか?
A.基本的には、電気やガス・水道の解約手続きをしても相続放棄には影響しないと考えられています。

まとめ

いかがでしたか? 相続放棄した場合の遺品整理について詳しくご紹介しました。相続放棄はマイナスの財産を相続せずに済むための手続きです。しかし、遺品整理にもさまざまな問題が出てくるため、あらかじめしっかりと把握しておく必要があります。トラブルなく相続放棄ができるように、ぜひこの記事を参考にしてください。