脱法ハウスの問題点とは ~シェアルームとの違いを知っておこう~

近年、部屋を共有して住むシェアハウスが増えてきています。しかし、それと同時に「脱法ハウス」という物件も増えているのです。この脱法ハウスは、どのような問題点があるのか。この記事にてまとめてみたのでチェックしておきましょう。

1.脱法ハウスとは

シェアハウスの中には「脱法ハウス」と呼ばれるものがあります。では、具体的に脱法ハウスとは何を指すのか知っておきましょう。

1-1.脱法ハウスの現状

脱法ハウスとは、消防法や建築安全条例をクリアしていない建物のこと。もしくは、シェアハウスではなくて規制や法令上の規制が緩い「レンタルハウス」として運営している建物のことです。
脱法ハウスは、2013年から指摘が始まりました。2014年には10都道府県にて765件が違法対象となっています。この脱法ハウスは、正式に「違法貸しルーム」と呼ばれているのです。
脱法ルームの多くは、オフィスや倉庫として届け出がしてあります。そのため、実際にシェアハウスではなくて1~2畳ほどの小スペースに区切られた貸し出し部屋でしかありません。多くの方がイメージするようなリビングや小分けの部屋がないのです。
また、小さなスペースをさらに小分けにしているため、火災報知器や避難経路など消防法の条件もクリアできません。さらに、建築基準法である採光や換気するための窓もないのです。

1-2.本来のシェアハウスとは

では、本来のシェアハウスとはどのようなものでしょうか。
シェアハウスとは、リビングや台所、浴室などを共有しながら個人のプライベートルームを確保している住宅です。大きさとしてはファミリータイプの2LDK~4LDK、もしくは一戸建ての家となってきます。大き目の部屋・家を複数人で暮らすことで節約するのを目的として暮らすのが主です。最近では節約だけでなく共通の趣味やサービスを提供する「コンセプトシェアハウス」もあります。
シェアハウスは、ルームシェアやレンタルハウスなどと違いがあるもの。その違いとは管理人や運営事業者がいる点。入居するときは運営事業者と契約を結ぶことになります。また、敷金・礼金がない代わりに「デポジット」という保証院を運営事業者に預けることが多くなっているのを知っておきましょう。

1-3.脱法ハウスが増える理由

脱法ハウスが増えるのは、住宅を貸し出す側(がわ)がもうかるからです。広い倉庫やオフィスがあれば簡単に部屋を提供できるのも理由の1つとなっています。
たとえば、ファミリーマンションを1室15万円で貸したとしましょう。しかし、1つの空間を10室に分けて1つ3万円で貸した方が利益も出ます。このような理由もあって脱法ハウスとして貸すケースが増えているのです。
また、貸す側(がわ)だけでなく借りる側(がわ)の需要があるのも事実。今では非正規雇用や出張の人が増えています。そのため、敷金・礼金が不必要で格安な部屋を求める人が多いのです。経済的な不況もあって脱法ハウスは借り手が見つかります。

2.脱法ハウスの問題点

シェアハウスとは程遠い脱法ハウス。では、具体的にどのような問題があるのかチェックしておきましょう。

2-1.シェアハウスとして宣伝・募集を行っている

管理会社やオーナーの中には、シェアハウスでない物件を「シェアハウス」として運営している場合があります。倉庫・オフィスとして届けている物件は、実は「シェアハウス」として貸し出しているパターンがあるのです。
こうした違法シェアハウスでは、問題があったとき場合を考えて解約が簡単にできるようになっています。普通は退去する1か月前に告知する必要があるものです。しかし、違法シェアハウスでは簡単に退去できるようになっているのを知っておきましょう。

2-2.狭い施設で入居の安全を保証していない

脱法ハウスの多くは、倉庫やオフィスを無理やり改装して小部屋を作っています。そのため、建築基準法を満たしておらず危険な部屋が多いのです。
部屋によってはベニヤ板で小さく区切る・トランクルームのような部屋を設置しているなどプライバシーがないのが特徴。また、採光や換気のための窓がないのも特徴です。遮音性能や避難経路の確保もしていません。最悪の場合は、自治体の条例である共同住宅の広さを満たしていないのです。
部屋を小分けにしていることが大半なので共同スペースがありません。そのため、入居者同士の会話やコミュニケーションもないのが大半です。共同スペースがないシェアハウスなどには注意しましょう。

3.脱法ハウスの現状

シェアハウスの普及と共に問題となった脱法ハウス。では、現在ではどのように改善などが進んでいるのかチェックしておきましょう。

3-1.法律的に「寄宿舎」と規定する

脱法ハウスが問題となった後、国土交通省において「シェアハウスは建築基準法の寄宿舎とする」と決定しました。消防部局と連携して立ち入り検査をしたり不動産団体への情報提供を呼びかけたりすることになったのです。
寄宿舎とは、共同生活する宿舎のことで玄関・キッチン・トイレ・浴室などが原則共有となっている家のこと。また、寝室だけは別に用意してある建物のことです。シェアハウスが「寄宿舎」扱いとなることで防災面での規制が厳しくなりました。

3-2.「寄宿舎」となることで現行シェアハウスに迷惑が掛かる

脱法ハウスを摘発するため規制が厳しくなった後、現存するシェアハウスも影響を受けています。
寄宿舎にすることで規制が厳しくなったのは仕方ありません。しかし、日本にあるきちんと住めるシェアハウスも法律を満たすものは約2%という結果が出ています。これは、一戸建ての家をそのままシェアハウスとしている現状も影響しているのです。
特に、木造一戸建てのシェアハウスは、リノベーションした場合でも寄宿舎の基準を満たさないことが多くなっています。脱法ハウスの摘発は大事なこと。しかし、むやみに法改定することで部屋を失う人がいるのも事実です。

3-3.空き家をリメイクする発想

今の日本では、空き家が大きな問題となっています。高齢者や地方に残っている住居がそのまま残っているのが現状です。この空き家をシェアハウスとして活用する動きがあります。
現在、空き家率は15%近く。この数値はどんどん増えていくことが予想できます。この空き家を利用して住宅に困っている人が住める場所にしようという動きがあるのです。
また、今では不安定な仕事が増えて「低所得者」の人が増えているのも事実。そこで、所得が低い人への支援を含めたシェアハウス計画が進んでいます。

  • 寮付きの仕事を紹介する。
  • 民間から借りた物件を安く提供する。
  • 仕事を紹介した後にためたお金で敷金・礼金を払ってもらう。

以上のようなプログラムは、実際に施行しているのです。住む場所と共に働き方を考える動きは、これからも活発になると思っておきましょう。

4.まとめ

いかがでしたか? この記事では脱法ハウスについてまとめました。
脱法ハウスとは、シェアハウスと偽り狭い部屋や建築基準法などを満たしていない部屋の総称です。必要以上に狭い上、シェアハウス独特のキッチンや浴室などの共有スペースがないのも特徴となっています。
脱法ハウス問題の後、寄宿舎扱いとなったシェアハウスは制度面で色々と不遇な状態になっているのです。そこで、現在では働き方に併せて空き家を有効活用したシェアハウス提供も進んでいます。シェアハウスに住むときは、きちんとリビングやキッチンなど共同スペースがある場所を選びましょう!