耐震診断の基準とは? マンションや木造建築も受けられるの?

ここ20年の間に、日本は2度の大震災に見舞われています。
「我が家はどの程度の地震まで耐えられるのだろうか?」と心配になっている方は多いでしょう。
そこで今回は、耐震診断についてご紹介しましょう。
耐震診断はどのような基準で行われるのでしょうか?
また、木造住宅とマンションでは耐震診断に違いはあるのでしょう?
今回は自分で行える簡易的な耐震診断の方法についてもご説明しますので、自宅の耐震基準が気になるという方はまず行ってみてはいかがでしょうか?

1.耐震診断とは?

この項では耐震診断のやり方や、耐震基準についてご説明します。
いったいどのような方法で行うのでしょうか?

1-1.耐震診断とは?

耐震診断とは1981年以前に旧耐震基準で設計・建築された建物が、現行の耐震基準でどれくらいの地震に耐えられるか耐震性を診断する検査のことです。
なぜ、1981年以前かというと、この年に建築基準法の耐震基準が大幅に改正されたから。
つまりこれ以前に建てられた家やマンション・店舗などは現在の耐震基準を満たしていないのです。
ですから、耐震診断を受けてどのくらいの地震に耐えられるかを証明しなくてはなりません。

1-2.なぜ、耐震診断を行わなければならないの?

日本中には1981年以前に建てられ、現在でも現役の建物がたくさんあります。
一般の住宅やマンションの他に病院や診療所、旅館やホテル、デパートなどの商業施設も地区30年以上の物件が多いのです。
特に「老舗」と呼ばれる店舗やホテルは築50年、100年のものも珍しくありません。
このような古い建物はロマンチックで風情がありますがその反面、大地震が起きた際に倒壊の危険があります。
大型の商業施設が倒壊すれば、多くの人命が失われる可能性が高いでしょう。
そこで国は平成7年度に、1981年以前に建てられた大型の建造物に対して耐震診断を義務づけました。
耐震基準を満たせない場合は、耐震補強工事をしないと営業許可が下りなくなったのです。
またマンションや木造住宅も、義務化こそされていませんが耐震診断を受ける人が増えています。

1-3.自分でできる簡易的な耐震診断もある

耐震診断というと業者に依頼する大がかりなものというイメージがありますが(財)日本建築防災協会では、「誰でもできるわが家の耐震診断」というリーフレットを配布しています。
このリーフレットに沿ってチェックしてみればある程度の耐震強度がわかるでしょう。
また、協会のホームページからはインターネット版見ることができますから「耐震診断がどういうものか知りたい」という場合は、まずこれを利用してみるのも良いでしょう。
ただしこれは自己診断ですから、正しい結果は出にくいです。
あくまでも目安と考えましょう。

2.耐震診断を実施するにはどうしたらいいの?

では、耐震診断を実施したい場合はどうしたらよいのでしょうか?
この項ではその方法や検査の流れをご紹介します。

2-1.耐震診断はどこに依頼すればいいの?

耐震診断には、一般診断法と精密診断法の2種類があります。
一般診断法は建築関係者と建築士が行うことができますが、精密診断法は建築士しか行えません。
どちらを選択するかは、家の築年数や土地の状態によって判断しましょう。
ちなみに分譲マンションの場合は、一部の住民の意向だけで耐震診断を実施することはできません。
必ず住民の過半数以上の同意を得てから行いましょう。
さらに、耐震診断は1981年以前に建てられた住宅やマンション、大規模建築物しか行えないわけではありません。
現在の耐震基準で建てられた家でも、築年数がたてば耐震強度は低下していきます。
「耐震強度が不安だ」という場合は一度耐震診断を受けられてみてはいかがでしょうか?

2-2.耐震診断の費用の目安とは?

耐震診断の費用は条件によって異なりますが、一般の木造住宅の場合は15万円~20万円です。
鉄筋コンクリート製の建物の場合は、一平米あたり800円~2000円が相場といわれています。
これは東京や大阪の都市部で建物の設計図が残っている場合の値段です。
条件が違えば値段も異なってくるでしょう。
決して安くはありませんが、耐震補強工事をする際の目安にもなりますので、機会があったら受けたほうがよいのです。

2-3.耐震診断の流れとは?

耐震診断はまずは予備調査をし、診断レベルの設定をします。
これを行えば費用の見積もりが可能です。
業者に依頼をした際に仮見積もりを出してもらうことはできますが、正確な見積もりは建物を観察した後になるでしょう。
その後、正確に契約書を取り交わした後に1次調査か2次調査+精密調査へと進みます。
そして調査の結果の数字をもとに耐震性が評価さるのです。ちなみに耐震性はis値という数値で出されます。
Is値が0.6以上あれば、震度6の地震が来ても倒壊する恐れは低いですが、0.6未満では倒壊する危険性があり、さらに0.3以下では倒壊する危険性がとても高い、と判断されるのです。

3.倒壊の危険性が高い、と判断されたら?

耐震診断の結果、倒壊する可能性があると診断された場合は耐震補強工事が必要です。
特にデパートやホテル、病院などの大型建築物の場合は、耐震基準を満たしていなければ営業を続行できません。
老舗旅館などが「耐震基準を満たせないため廃業を決意した」というニュースがでるのは、そのせいです。
また、マンションや木造住宅も業者に耐震補強工事をすすめられることが多いでしょう。
大地震は明日起こるかもしれません。しかし耐震補強工事もお金がかかります。
耐震補強工事が必要になった場合ぜひ利用したいのが、自治体の補助です。
これは大型建築物に限られますが、耐震補強工事に自治体からの補助が使えます。
また、一部の自治体ではマンションや一般の木造住宅でも補助を出してくれる場合があるでしょう。
さらに国全体の方針として耐震リフォームをした場合は住宅ローン控除と同じように、所得税の一部が控除になります。
耐震補強工事もいろいろありますので、業者とよく話しあって最善の方法を探しましょう。
特にマンションの場合は建物が大きい分費用が掛かります。工事方法によっては住民が一時よそに移らなくてはなりませんので、綿密な計画を立てることが大切です。

4.おわりに

いかがでしたでしょうか。今回は耐震診断についてご紹介しました。
まとめると

  • 耐震診断は1981年以前に建てられた建物に対して行われることが多い
  • 大型建築物には耐震診断が義務付けられている
  • 耐震診断の結果、耐震強度が満たなければ補強工事が必要

ということです。古い木造住宅の場合は、診断の結果「では建てなおそうか」という流れになるかもしれません。
しかし、マンションなどは気軽に建て替えるわけにはいかないでしょう。
ですから耐震補強工事が必要になってくるのですね。
現在は技術の進歩によって色々な耐震補強工事の種類があります。
方法によっては、住民が住みながら少しずつ建物を補強していく方法もあるでしょう。
「いつ来るかわからない地震のために補強などする必要があるのか?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、現在日本では地震が増えてきています。
特に南海トラフ大地震は50年間で70%の確率で発生するだろうと多くの地震学者が予想しているのです。
たいせつな命と家財を守るためにも、ぜひ耐震診断を受けてみましょう。