
指示待ち部下を改善して業績UP! 主な原因と指導方法を詳しく解説!
「指示されたことしかできない」「仕事に自主性がない」など、部下の育成でお悩みではないでしょうか。いわゆる「指示待ち部下」は、上司にとって大きな悩みのひとつです。しかし、どんな原因があるのか・改善するためのポイントは何かなど、部下の負担をできるだけ増やさずに改善するためにも、正しく理解しておく必要があるでしょう。そこで、今回は、指示待ち部下の原因と指導方法について詳しく解説します。
この記事を読むことで、指示待ち部下について詳しく分かります。現状を改善したい人は、記事をじっくり読んで参考にしてください。
1.指示待ち部下とは?
最初に、指示待ち部下の特徴や問題を解説します。
1-1.指示待ち部下の特徴は?
指示待ち部下は、以下のような特徴を持っています。
- 上司に言われたことだけを行う
- 自分で考えて動くことができない
- 責任を持ちたがらない
- 争いごとを好まない
- 失敗を極度に恐れる
- 仕事の目的をきちんと理解していない
- 仕事にやりがいを見い出せない
1-2.指示待ち部下の問題とは?
指示待ち部下には、以下のような問題があります。
- 指示を出す社員の時間と労力を奪う
- 重要な仕事を任せることができない
- 仕事の効率が悪い
- リスクを恐れて楽なほうに流される
2.指示待ち部下はなぜ生まれる?
指示待ち部下が生まれる主な原因を詳しく解説します。
2-1.仕事の内容や流れが分かりにくい
仕事の内容や流れが分かりにくいために、自主的に動けない可能性があります。仕事を自主的に進めるためには、自分がすべきことや仕事の流れを深く理解することが重要です。しかし、経験不足で内容や流れが分からない・分かりにくいことで、二の足を踏んでしまいます。周囲のサポートを受けにくい環境にあることも原因となるでしょう。
2-2.上司の指示があいまい
上司の指示があいまいなために、何をしていいのか分からないというケースもあります。仕事の指示は、目的・期限・やるべきことを明確に示すことが必要です。ベテラン社員なら経験から判断して進めることができても、新人には困難と言えるでしょう。何をしていいのか分からないため、ひとつずつ指示を受けながら進める姿勢が身についてしまうのです。
2-3.上司のマネージメント不足
上司のマネージメント不足が指示待ち社員を作ります。上司は、部下を育成するのも仕事です。しかし、マネージメント力に欠けると、部下の個性や能力を十分に発揮させることができません。仕事をうまく任せることができないことで、部下が指示待ち社員になってしまうのです。
2-4.指示以外のことをやると叱られる
過去に指示以外のことをやって叱られた経験がある場合、指示待ち部下になりがちです。二度と叱られたくないという思いが、仕事の自主性を奪います。確かに、仕事に慣れない社員が自分勝手に進めると困ることもあるでしょう。しかし、間違っていたとしても理由を聞き、正しい方法をきちんと指導することが大切です。
2-5.そのほかの原因
そのほかの原因としては、以下のようなものがあります。
- 将来のビジョンがない(希望職種・部署ではないことを含む)
- できるだけ楽に仕事をしたい
現在の仕事に興味があってやりがいを感じている場合、指示待ち部下になりにくいものです。場合によっては、部署替えなどを検討する必要もあるでしょう。
3.指示待ち部下を変える方法
指示待ち部下を変える方法や、上司のあり方を考えてみましょう。
3-1.指示待ち部下を変えるには?
指示待ち部下を変えるためにも、以下のポイントを整理しておきましょう。
<どう変わってほしい?>
まずは、部下にどう変わってほしいのかについて理由と併せて考えてみてください。指示待ち状態から自分で考えて行動できるようになってほしいのはなぜでしょうか。たとえば、部下に対しては以下のような理由があるはずです。
- 持っている能力を存分に発揮させたい
- 仕事のやりがいを自ら感じてほしい
- 仕事のやり方を自分なりに見つけてほしい
また、部下が変わってくれれば、自分も他の仕事に充てる時間が増え、効率よく回すことができるというメリットがあります。部下が変わるメリットをきちんと確認することが、指示待ち部下を変えるためのポイントなのです。
<変わってもらうために必要なものは?>
部下に変わってもらうためには、ただ要求するだけでは難しいでしょう。指示待ち部下から脱却するのをサポートする環境作りが大切です。
- 質問しやすい雰囲気作りをする
- 定期的に進捗(しんちょく)状態を報告させる
- 小さくても結果を出したらほめる
- 周囲の社員にもサポートを依頼する
3-2.上司のあり方を考えよう
上司のあり方を考えることも大切です。部下にとって、理想の上司とはどんなものでしょうか。指示を出してくれる人・言うことを聞くべき人、と認識されるだけではいけません。上司は、部下が適切に仕事を進め、成果を出すことをサポート・管理する役目を果たす必要があります。部下の仕事がうまくいかないのは上司の指示に問題があると考え、自らも改善する姿勢を持ってください。
4.指示待ち部下の指導方法
指示待ち部下の指導方法のコツを詳しく解説します。
4-1.指示の伝え方のコツ
指示待ち部下に対しては、指示の伝え方が大切です。主なコツは、以下を参考にしてください。
- 仕事の目的と意義を分かりやすく伝える
- 細かく指示しすぎない
- 分からないことはいつでも聞いていいと伝える
- 仕事の期限を示す
- 途中経過と終了時に必ず報告させる
4-2.評価の仕方
指示待ち部下の仕事の評価をするときは、結果を重視してください。今までは、指示されたことだけをやっていたため、仕事に責任を感じることはなかったはずです。しかし、自分の思いどおりにやっていい内容だからこそ、責任を持つ必要があります。結果が出せなかったら、なぜダメだったのかを一緒に考えて改善していきましょう。結果を出せなかったけどがんばったから評価するというのでは、部下が育つ機会を奪ってしまいます。
4-3.してはいけないことは?
指示待ち部下に仕事を依頼したときは、干渉しすぎないようにしましょう。慣れないうちは、うまくいっているかどうか不安になるものです。しかし、部下から質問を受けていないのにも関わらず口を出してしまうと、意味がありません。自分で考えて動けるようになるには、何よりも自主性を育てる必要があるからです。指示待ち部下にとって、仕事で壁にぶつかったときに自分で考え、対応する方法を身につけることが最も大切なのだと理解してください。
4-4.仕事の状況を報告させよう
指示待ち部下の指導では、部下に話をさせることも重要です。自分で話すことによって、仕事の内容を理解することにつながります。そのためにも、適宜仕事の進捗(しんちょく)状況を報告させるといいでしょう。仕事の進み具合や内容をその都度報告していくうちに、仕事のやり方に慣れ、徐々に自主性が出てくるものです。
5.指示待ち部下に関するよくある質問
最後に、指示待ち部下に関するよくある質問に回答します。それぞれ確認し、役立ててください。
Q.どんな性格の社員が指示待ち部下になりやすい?
A.以下のような性格の社員が指示待ち部下になりやすいものです。いわゆる優等生タイプに多いでしょう。
- 協調性がある
- 安定志向
- おとなしい
- まじめ
- 打たれ弱い
Q.「パワハラ」にならないためのポイントは?
A.上司という立場を利用して部下の人格を傷つける発言をしないようにしましょう。たとえば、性格や容姿など仕事に関係ないことを持ち出す・ほかの社員の前でミスを指摘して叱るなどはNGです。上司という立場を利用した発言になっていないか注意してください。
Q.指示待ち部下の改善に必要な期間は?
A.すでに指示待ちの姿勢が身についている場合、改善には長い期間がかかります。少なくとも、数か月は見ておきましょう。はじめのうちは、見ていてつい口を出したくなることも多いものです。しかし、自主性に任せているうちに、自分で動けるようになります。焦らずにじっくり育てましょう。
Q.指示待ち部下を作りやすい上司の特徴は?
A.以下を参考にしてください。当てはまると感じたものは、改善が必要です。
- 完璧主義
- 指示が細かすぎる
- 小さなミスでも叱る
- 何でも口を出したがる
- 相談しにくい雰囲気がある
Q.外部研修で指示待ち部下の改善を試みたいのですが?
A.人材育成や研修で実績のある業者に相談してみるといいでしょう。たとえば、当ヒトスパイスでも、ご要望に合わせた研修プログラムを用意し、ご好評を得ています。社内で解決できない・しづらいことでも、外部研修を取り入れることで改善する例は多数あるので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、指示待ち部下について詳しく解説しました。指示したことはできても、自分で工夫して進めることができないと先が思いやられます。まずは、何が原因で指示待ちになっているのかを突き止め、対策しましょう。部下だけでなく、自分自身にも問題がないかきちんと調べることが必要です。指示待ちを改善できれば、部下も仕事がやりやすくなりやりがいを感じてもらえることでしょう。なお、社内だけでは十分な対策ができないと感じたときは、外部セミナーを受けることも有効です。