植物プラントのすすめ! 植物工場参入のための補助金制度とは?

農業の形態は近年で劇的に進歩している分野です。農業というと太陽の下で広大な土地を使用しておこなうというイメージですが、近年では“野菜工場”“植物工場”“植物プラント”というような工場化が進んでいます。衛生的な野菜を徹底した管理の下に生産する植物工場は、食の安全が重要視される中で注目されている分野なのです。

植物工場への参入というのはさまざまな企業が名乗りを上げており、国や地方自治体も植物工場の普及拡大に向けて補助金制度を導入しています。植物工場普及のために農林水産省が行なう、平成26年度の補助金制度についてご紹介しましょう。

1.植物工場とは?

1-1.植物工場の種類:完全制御型と太陽光利用型

植物工場には、植物の栽培に必要な“光”をどのような方法で利用するかによって、完全人工光型と太陽光利用型の2つに分類できます。植物工場の栽培方法によるメリット・デメリットをご紹介しましょう。

1-1-1.完全人工光型の植物工場

完全人工光型というのは、植物に必要な光をLEDや蛍光灯などの植物栽培用の照明を使用して植物を栽培する方法です。栽培用照明を使用するということから、天井のある建物でも植物栽培が可能であり、廃校舎や廃倉庫などの既存建物内で植物プラントを導入できます。

植物栽培用の照明機器や照明コストが必要になるというデメリットはありますが、“完全人工光栽培は既存の建物を有効利用できる”というメリットを持った栽培方法です。

1-1-2.太陽光利用型の植物工場

太陽光利用型の植物工場は、天井を透明なパネルやビニールで覆い、太陽光を利用して植物を栽培する方法です。植物育成に必要な太陽光を利用するということから、コスト面で大きなメリットを持っている植物栽培方法といえるでしょう。

比較的導入の簡単な植物工場ですが、土地利用に対する生産効率に関しては従来の農業と変わりません。

1-2.近年、増加傾向にある植物工場

農作物の工場生産というのは食糧需給率向上のために経済産業省が普及・拡大を進めています。特に完全人工光型植物工場の市場は増加傾向にあり、低迷を続ける日本の農業の中でもハイテク農業は注目を集める分野です。

植物工場は異業種からの参入が増加しており、新しいビジネスモデルとしてさまざまな分野から注目を集めています。

3.どのような補助金制度がある?

3-1.植物工場は補助金を受けられる?

植物工場の参入には国の補助金制度を受けられる可能性があります。国による補助金制度は、各年度の予算編成によってさまざまな補助金制度があるため、各制度への応募用件を確認して申し込みを行ないましょう。具体的にどのような国の補助金制度があるのかをご紹介しましょう。

3-1-1.地域新成長産業創出促進事業費補助金

地域資源を活用して新たな成長産業を創出することを目的とした補助金制度です。平成24年度に採択された補助金制度の中には、植物工場に関する事業も含まれています。こちらは平成26年まで公募を行なっていた補助金制度です。

3-1-2.次世代施設園芸導入加速化支援事業

大規模な植物の生産・調整・出荷を行なう拠点整備に関して補助金を交付する、平成26年度に実施された制度です。バイオマスなどの地域資源を活用し、未使用資源・エネルギーの活用にかかわる整備や実証などを推進することを目的にしています。この補助金は、既に公募が終了している補助金制度です。

3-2.地方自治体による補助金制度

国による補助金制度に加えて、地方自治体の行なう植物工場への補助金制度もあります。地方自治体による補助金制度は、継続的な補助金制度があるので、実施期間を過ぎてしまっても翌年に申し込める可能性もあります。

3-2-1.企業誘致助成金制度・企業立地補助金制度

企業誘致助成金制度・企業立地補助金制度は、産業振興のために地方自治体の行なう助成金・補助金制度です。さまざまな地方自治体の行なう補助金なので、補助の対象となる業種は自治体によって異なります。“植物工場”が補助の対象になるのかをしっかりと確認しましょう。この制度は継続的なものが多い傾向にあるので、各地方自治体に確認してみましょう。

4.植物工場の導入事例

4-1.使用していない建築物を使用した植物工場

植物工場は新規で作られる工場も多いのですが、使用していない建築物を再利用して工場を導入するという事例もあります。“廃校になった校舎”や“閉鎖された工場”などを改装して植物工場を導入するなどの実例は非常に面白いものです。

小規模な導入事例では、マンションの1階を改装して運営される植物工場などもあり、植物工場の規模や導入経緯などはさまざまです。土を必要としないということもあり、植物工場の導入に関しては比較的に容易におこなえる農業といえるでしょう。

4-2.都市部でも導入可能

植物工場の特徴は都市部の屋上でも導入可能ということです。野菜の大きな消費地である都市部において野菜を生産するということは非常に大きなメリットで、都市部の屋上やビルの1室及び1フロアで植物工場を導入するというケースも多く見られます。

消費地と生産地が近いということは、それだけで付加価値の高いものであり、生産から消費までを短距離で行なうというメリットは非常に強いビジネスモデルです。

5.植物工場が注目を集める理由とは?

5-1.農薬の使用を抑えた農業がおこなえる

植物工場では、植物栽培を悩ませる害虫の発生がなく、駆除のための農薬を使用しない農業をおこなえます。無農薬の野菜というのは、通常の農薬を使用した野菜よりも付加価値を高めることが可能です。

5-2.高栄養価の植物を栽培可能

植物工場では、与える肥料や光によって高栄養価の野菜を育てることができます。通常の方法で栽培した野菜の数倍の栄養を含む野菜も生産可能です。高栄養素であるということは、植物工場のアピールポイントであり、植物工場産の野菜が注目されている理由です。

6.植物工場への参入には計画性が重要!

6-1.植物育成のためのノウハウが必要

さまざまな付加価値を得られる植物工場産の野菜ですが、作物の育成には専門的なノウハウが必要です。植物工場へ参入したものの、工場を閉鎖するという状況のほとんどが作物の育成に対するノウハウを得ていないというのが現状といえるでしょう。

植物工場の参入を計画しているという場合には、作物の育成ノウハウを持つ専門家の指導は不可欠です。植物工場の導入に際して必要な“水耕システム”“液体肥料”を販売する業者の無料相談を受けるということが大切です。

液体肥料販売業者による無料相談では、工場の規模や育てる植物に最適な水耕システムなどの専門的なアドバイスを受けることができます。無料で相談が可能なので、植物工場へ参入を計画しているという場合には必ず相談するようにしましょう。

7.まとめ

植物工場の参入に補助金を受けるためには適切な補助金制度を探し申請する必要があります。補助金の申請には、植物工場の導入計画や農業経営基盤法における“認定農業者”になることが必要です。その他、さまざまな手続きなども必要になるため、植物工場への参入の際には、液体肥料業者の無料相談などをおこない植物工場に関する知識を高める必要があります。植物工場の補助金を受け、確実な経営基盤を得るためにも液体肥料や水耕システムに関するノウハウというのは必要不可欠な経営知識であるといえるでしょう。