システム思考とはどのような考え方?

システム思考とはどのような考え方? メリットや活用できる場所は?

問題を解決したと思ったら、また次の問題がすぐに現れる。このようなことは、ビジネスの現場では珍しくありません。最初はがんばって問題解決に取り組んでいても、次々と問題が出てくるにつれてやる気を失ってしまう人もいるでしょう。このような悪循環を解決する方法の1つに、システム思考があります。

今回は、システム思考で問題解決に取り組むメリットや、システム思考の実践方法などを解説しましょう。

  1. システム思考の基礎知識
  2. システム思考の効果について
  3. システム思考の実践方法
  4. システム思考をより深く理解できる書籍について
  5. システム思考に関するよくある質問
  6. おわりに

この記事を読めば、システム思考を身につける方法もよく分かります。システム思考について興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

1.システム思考の基礎知識

はじめに、システム思考のプロセスやシステム思考を取り入れるメリットなどを解説します。

1-1.システム思考とは何か

システム思考とは解決すべき問題を単独でとらえず、問題の原因やそれに至った経緯までを1つのシステムと考え、解決策を見つける方法論です。一例をあげてみましょう。1つの問題が起こりました。この問題は目に見えていますから、一見すると解決は簡単なように思えます。しかし、問題が起きたことには原因があるはずです。さらに、その原因を作り出すビジネスの構造や考え方があります。表面に見える問題を解決しただけでは、似たような問題が次々と起こることもあるでしょう。そのため、問題の表面だけ見るのではなく、それに至る原因や原因を作り出す構造に焦点を当て、ものごとの根本的な解決を試みる方法がシステム思考なのです。

1-2.システム思考を行うメリット

システム思考を行えば、「同じような問題がくり返し何度も起きる」ことがなくなります。また、現在のシステムの欠点を見つけ、よりよいシステムに作り変えることもできるでしょう。現在、ビジネスの現場はいくつもの部署が共同で作業をすすめたり、全世界に点在する部署同士が連絡を取りあいながら、ひとつの仕事に取り組むことも珍しくありません。問題が起きたとき、目の前にあることだけを解決するだけでは、根本的な解決にならない事例はますます増えてくるでしょう。将来的に組織の上層部ほどシステム思考を身につけ、物ごとの全体を見て問題点を見つけることが求められます。

1-3.成功をしているときこそシステム思考が必要

システム思考は、単に問題解決をスムーズに行うだけの考え方ではありません。どのような仕事も、成長期と停滞期(頭打ち)があります。成長期から停滞期に転じると、人は何とか再び仕事を成長させる方法を考えるでしょう。この時、どうすればより成長することができるか、ということを考えがちですが、システム思考で考えると「成長の足を引っ張っているのは何か」という考え方をします。すると、ほかの人とは違ったアプローチの方法を考えつくことができるでしょう。組織が成長していくにつれて、考え方も均一化しやすいのですが、そこにシステム思考を取り入れることで、柔軟な考え方ができ、問題解決の方法を思いつくことができます。

2.システム思考の効果について

システム思考を取り入れると、以下のような効果が期待できます。

  • 想定外の問題が起こりにくくなる
  • 失敗を人や環境のせいにしなくなる
  • 同じような問題が起こりにくくなる
  • 小手先の解決策を用いる必要がなくなり、失敗の袋小路から抜け出せる
  • 考えの多様性が生まれる

問題解決の手段を講じたら、また別の問題が生じるという「問題解決の悪循環」に陥っているところほど、システム思考の効果が実感できるでしょう。

3.システム思考の実践方法

この項では、システム思考の考え方などの一例を紹介しましょう。

3-1.氷山モデルについて

氷山モデルとは、問題の全体像を氷山に例えて説明することです。私たちが見ることができる氷山は、全体の一部だけにすぎません。見えている部分が、早急に解決しなければならない問題です。しかし、その下には「行動パターン」・「構造」・「意識・無意識の構造」などがあり、問題が起きる原因を作っています。たとえば、組織内の人間が「この事例はこうなるはずだ」という考え方に固執すると、その考え方しか認めない構造が生まれ、行動パターンが固定化してしまうでしょう。その結果、問題が起こります。つまり、問題が起きたら氷山モデルに当てはめて考えてみれば、問題の全体像が見えてくるでしょう。

3-2.ループ図について

ループ図も、システム思考でよく用いられます。たとえば、何をやっても同じ問題が起こるという場合は、同じ問題が起こってしまう考え方や行動があるでしょう。失敗につながる考え方を行った結果、失敗する行動に結びつき、実際に問題が起こります。するとまた、失敗につながる考え方をしてしまうでしょう。まるで輪のように原因と因果が巡っています。これがループ図です。ループ図を作ることにより、同じ失敗をくり返さないためには、どこを改めればよいのか可視化しやすくなるでしょう。成功をしているときは、このループを壊さないように、どんな補強をすればいいのかわかるはずです。

3-3.氷山モデルとループ図を用いて問題解決

ご紹介した氷山モデルとループ図を使えば、複雑に絡み合っているような問題でも、単純化して整理することができます。問題の原因や原因を造る構図が見えてこない場合は、氷山モデルやループ図に当てはめてみましょう。解決方法のヒントがつかめます。

3-4.システム思考を実行できる場所

システム思考は、ビジネスの現場以外でも家庭や教育の場でも実践できます。特に、問題が起こっているが解決方法が見つからない場合や、成長が頭打ちになっている現場で、システム思考を実行してみましょう。

4.システム思考をより深く理解できる書籍について

この項では、システム思考をより深く理解できる書籍を紹介しましょう。

マンガでやさしくわかる学習する組織

著者:織田理一郎・松尾陽子
出版社:日本能率協会マネジメントセンター

題名のとおり、組織が成長するために必要な考え方などがマンガで分かりやすく解説されています。システム思考以外にも、組織を成長させる方法を知りたいという人の入門書として最適です。

世界はシステムで動く-いま起きていることの本質をつかむ考え方

著者:ドメラ・H・メロウズ
出版社:英治出版

システム思考の入門書として高く評価されています。経済紙でも宣伝されているので、システム思考をより深く理解し、実践したいという人向けです。

なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方

著者:織田理一郎・枝廣淳子
出版社:東洋経済新報社

2007年に出版された本ですが、システム思考の考え方だけでなく実践方法も分かりやすく説明しています。システム思考を職場や学校で実践してみたい、という人におすすめです。

5.システム思考に関するよくある質問

Q.システム思考の結果は、取り組み始めてどのくらいで出ますか?
A.はっきりと断言はできませんが、1か月程度で問題のループから抜け出せることもあるでしょう。

Q.システム思考は、どの立場の人がやっても効果が出ますか?
A.はい。しかし、組織の中では上層部が実践した方が効果的です。

Q.問題が多すぎて、どこから手をつけていいか分かりません。
A.一番切羽詰まっている問題から手をつけましょう。

Q.システム思考の実践するうえで邪魔になるものはなんですか?
A.凝り固まった思考と、伝統・慣習でしょう。今まで同じ方法でうまくいってきた、という思いこみが負のループを招きます。

Q.システム思考は、学校で実施しても効果があるでしょうか?
A.もちろんです。「なぜ、子どもが同じ失敗をくり返すのか」と氷山モデルなどで考えてみてください。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回はシステム思考についていろいろと解説しました。システム思考は、硬直した組織内の考え方を一新する効果などが期待できます。導入してすぐに劇的な結果が出るとは限りませんが、取り入れる価値は十分にあるでしょう。