暗渠排水(あんきょはいすい)って? 特徴やDIYする方法・注意点を解説

庭の整備をする際、排水はとても大切なポイントです。排水、水はけの悪い庭は雨の日に困ってしまいます。庭全体が水びたしになってしまうでしょう。

水はけをよくする方法としては暗渠排水(あんきょはいすい)という方法があります。といっても、なかなか聞きなれない言葉ですよね。

そこで、暗渠排水とは何なのか、暗渠排水に必要な道具・材料、DIYのやり方など詳しく説明していきましょう。庭の水はけが悪いと悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

  1. 暗渠排水とは?
  2. 暗渠排水に必要な道具・材料
  3. 暗渠排水の作り方

1.暗渠排水とは?

もともと、暗渠排水(あんきょはいすい)とは農業で使われていた手法です。スムーズにDIYができるよう、暗渠排水の内容や基本知識などを身につけていきましょう。まずは、暗渠排水について詳しく知ることが大切です。

1‐1.田んぼの地下水位をさげる方策

暗渠排水という単語はなかなか耳にしません。しかし、昔から使用してきた方策の1つです。簡単に説明すると、暗渠(あんきょ)排水は田んぼの地下水位をあげる方策になります。基本的に、田んぼには溝の列がいくつか並んでいる状態です。溝から水を排水路に流すため、排水路がわが低くなるように溝をつくっています。

また、溝には地中管を配置しなければなりません。地中管の種類はプラスチックや素焼きの土管などさまざまな種類があります。溝の中に地中管をいれて、うえから土やもみがらなどをいれて埋め込んでいくのです。以上のように、暗渠排水は地下水位をさげるには最適の方法になります。

1‐2.地下水位がさがるとどうなるのか?

暗渠排水は、田んぼの地下水位をさげる方策です。けれども、なぜ地下水位がさがると良いのでしょうか。基本的に、地下水位がさがると田んぼが乾きやすくなります。田んぼの乾きが良くなることで農業機械が入りやすく、作業の効率がアップするのです。水位が高いと田んぼがぬかるんでしまいます。農業機械を導入しても作業しにくくなるでしょう。

実際、地下水位をさげた結果、お米だけでなく麦や豆など栽培できる種類が増えたという人はいます。庭のDIYでも、暗渠排水は水はけをよくするポイントになるのです。

1‐3.庭の水はけを良くする暗渠排水の効果

庭の水はけをよくする方法としては、表面排水と暗渠排水の2つが代表的です。表面排水とは、土の表面に傾斜や溝をつくって水の流れをよくする方法になります。基本的な水はけの方法は表面排水になるでしょう。しかし、より水はけをよくしたい人は暗渠排水が効果的です。

暗渠排水を庭に導入する際、地面に穴を掘って砂利をしきつめることになります。砂利を穴にしきつめるだけでも水の流れは良くなるでしょう。掘った穴の中に専門の排水管を導入すれば、さらに水はけが良くなります。庭の現状をしっかり確認したうえで、適切な手法を選択しましょう。

暗渠排水はもともと田んぼの水位管理に使われていたんですね。
はい。今では庭の水はけを良くするために使われています。

2.暗渠排水に必要な道具・材料

2‐1.DIYでも簡単に施工できる暗渠排水

暗渠排水をDIYするのは難しい…と思いがちですが、誰でも簡単にできる方法です。準備する道具もホームセンターなどで簡単にそろえることができます。特別な道具は必要ないので安心してください。基本的に、必要な道具は穴を掘るためのシャベルやスコップ、穴の中にいれる砂利や専門の排水管を準備すればOKです。

庭の状態が軽いものであれば、専門の排水管は必要ないでしょう。砂利だけ用意しても構いません。ホームセンターで売っている砂利はもちろん、砕石でも活用できます。暗渠排水のDIYを考えている人は、必要な道具をあらかじめ準備しておきましょう。

2‐2.専用の排水管は?

絶対に必要な材料ではないですが、専用の排水管を利用したほうが効果は抜群です。砂利を利用しても効果がなかった、水はけの状態が悪いのなら専門の排水管を準備してください。専門の排水管は、コンクリートタイプから硬質プラスチック、塩ビなど種類はさまざまです。暗渠排水に使う専門の排水管は“暗渠(あんきょ)パイプ”と呼ばれています。

暗渠パイプは、パイプの穴に水がしみこむ仕組みです。よって、効率的に水はけができるようになります。ホームセンターでも販売しているのでぜひチェックしてください。また、暗渠パイプを利用する際はやり方に工夫が必要です。DIYする前にしっかりやり方を確認しておきましょう。

自分でも暗渠排水を作ることができるんですね。
はい。日曜大工が趣味の人はチャレンジしてみてもいいでしょう。

3.暗渠排水の作り方

3‐1.基本的な暗渠排水の作り方

暗渠排水は、土壌改良に役立つ方法です。やり方はとても簡単なので誰でもDIYできます。まず、自分の庭に穴を掘ってください。深く掘る必要はありません。水が少したまる程度、数十cmほど掘ると良いでしょう。庭の大きさによっても異なりますが、幅はおよそ30cmになります。溝をつくる際は水勾配をつけることがポイントです。穴を掘った後は砂利をしきつめてください。

砂利はできるだけ透水性のあるものを使ったほうが良いでしょう。砂利をしきつめるだけでも良いですが、専門の排水管である“暗渠パイプ”を使うこともおすすめです。暗渠排水のDIYを成功するには、穴をしっかり掘ることが大切なポイントになります。面倒に感じてしまいがちな穴掘りはしっかり丁寧にしていきましょう。

3‐2.暗渠パイプを導入する際の注意点

排水機能が格段にアップする暗渠パイプはいくつか注意点があります。暗渠パイプは穴の中にいれることになりますが、パイプの穴に砂や土が入らないようにしなければなりません。砂や土が入ってしまうと、目づまりを起こしてしまいます。暗渠パイプの機能がきちんと働きません。よって、パイプを導入するときはまわりに砕石や砂利でおおってください。

お金がかかるから…と材料の使用をケチってはいけませんよ。ふんだんにしきつめてパイプを固定することが大切です。また、普通の砂利を使うと水のしみこみが悪くなってしまいます。悪い水のしみこみ方では、暗渠パイプの効果が失ってしまうでしょう。

よって、隙間ができやすい単粒度採石や川砂利を使ってください。暗渠パイプの種類もさまざまあるので、特徴や効果を比較することが大切です。より自分の庭や理想に合ったタイプを選びましょう。

パイプの周りを砂利など土以外のもので覆うのがコツなんですね。
はい。自己流の作り方はやめましょう。

まとめ

暗渠排水とは何なのか、暗渠排水に必要な道具や材料、やり方について説明しました。庭の水はけをよくする方法には表面排水と暗渠排水があります。より効果的な方法は暗渠排水です。特別な道具を用意しなくても気軽にDIYできるでしょう。しかし、庭の大きさや状態によってはDIYできない可能性もあります。無理に自分でしようとはせず、専門の業者に依頼することも1つの方法です。

業者に依頼すれば、時間や手間もかかりません。業者に依頼する際は、サービス内容や見積もり、業者の対応をチェックして安心できるところに依頼してください。