やる気のない部下を指導したい

やる気のない部下を指導したい! 効果的な方法や注意点は?

現在、日本の企業は人手不足が深刻化しています。社員1人1人が全力を出さなければ、仕事が回らないという職場も珍しくありません。そんな中、やる気のない社員が1人でもいると全体の士気に関わります。しかし、どうやってやる気のない部下を指導していっていいか分からないと悩んでいる人も多いことでしょう。
そこで、今回はやる気のない部下の指導方法について解説します。

  1. やる気のない部下がいる弊害
  2. やる気のない部下の対処方法
  3. やる気のない部下を指導する方法
  4. やる気のない部下の指導方法に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、職場全体の士気を上げる方法もよく分かるでしょう。やる気のない部下に悩まされている人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.やる気のない部下がいる弊害

前述したように、やる気がない部下が1人いれば職場全体の雰囲気が悪くなります。本人がやる気がないことを認め、開き直っているような場合は、さらに厄介です。そのような人は、繁忙期で皆が残業しているときでも平然と定時に退社したり、ほかの従業員が忙しく働いているときでも、言われたことしかやらず、1人平然としているでしょう。このように「やる気のなさ」を堂々とひけらかしている人がいると、頑張っているほかの社員もやる気を失ってしまいます。さらに、やる気のない人の上司の評価も下がってしまうでしょう。なぜ、何らかの処罰をしないのかと思う人もいるかもしれませんが、仕事に対するやる気のなさだけを理由に、社員を降格や解雇などすることはできません。そのため、対処に悩んでいるうちに、部署全体の業績が下がってしまうこともあるでしょう。

2.やる気のない部下の対処方法

この項では、やる気がない部下の対処方法について解説します。いったいどうすればいいのでしょうか?

2-1.叱るのではなく、話を聞く

部下にやる気が感じられないとき、上司としてはつい叱りたくなります。厳しい言葉をかけて部下を奮起させよう、と試みることもあるでしょう。しかし、厳しい言葉は逆効果にしかなりません。重要なのは部下の心を開くことです。やる気がなくダラダラしているのは、一見すると楽に見えるかもしれません。しかし、皆が頑張っている中、1人ダラダラとしているのは意外とつらいものです。居心地もよくないでしょうし、同僚の視線も気になるでしょう。それでもなお、やる気が出ないのは、仕事に対して不満を抱えていたり、やる気を失わせたりするきっかけがあったはずです。ですから、まずそれを聞きだしましょう。一筋縄ではいかないかもしれませんが、やる気が出ない原因を聞きだすことができれば、対処法も分かります。

2-2.部下に奉仕する気持ちを持つ

近年、サーバントリーダーシップが注目を集めています。これは日本語に直すと、奉仕的指導と言い、部下が存分に能力を発揮できるように環境を整え、部下がモチベーションを上げられるように上司が努力する方法です。この指導方法だと、部下は「上司は自分のことを気にかけて、理解してくれる」と実感を持ちやすいでしょう。部下がやる気を失う大きな理由の1つに、上司の無理解があります。一生懸命仕事をしても、成果が認められなければやる気を失ってしまうでしょう。また、一度上司の無理解が原因でやる気を失うと、上司が変わっても「どうせ次の上司も自分のことなど認めてくれない」と思ってしまいます。その気持ちを変えるためにも、サーバントリーダーシップは有効です。

2-3.焦らないことが大切

人が変わるまでには時間がかかります。上司の指導の結果本人がやる気を出しても、それが仕事の結果と結びつくまでには時間がかかるでしょう。ですから、部下が上司を信頼して心を開いてくれたことを実感したら、結果が出るまで待ちましょう。仕事に真面目に取り組むようになっただけでも大きな進歩です。現在は、何かとすぐに結果が求められますが、ここで焦ってしまうと、再び部下がやる気を失ってしまいます。

3.やる気のない部下を指導する方法

この項では、やる気のない部下を指導する方法を具体的に解説します。どのような方法で指導をすればいいのでしょうか?

3-1.目標は小刻みに設定する

やる気がない人は根気も続きにくいので、いきなり高い目標を設定すると、途中で嫌になってしまいます。最初は低い目標を設定し、達成できたらほめましょう。そうすれば、その成功体験が自信になり、やる気がより出てきます。また、チームで仕事をさせる場合は、結果が出やすい仕事を振ってあげればモチベーションが持続しやすいでしょう。

3-2.叱るときは具体的な例をあげて叱る

やる気の出ない部下はほめて育てるのが基本ですが、全く叱らなくてよいというわけではありません。ただし、叱り方にもコツがあり、できるだけすぐに、やってしまったミスに対してだけ叱りましょう。ダラダラとあれもこれもと叱っていては、本人のモチベーションが下がるだけです。時間も10分以内にしましょう。また、ただ叱るだけでなく、改善点をあげさせ、どうすればミスをなくせるか指導することも大切です。

3-3.評価の方法

やる気の出ない部下はほめて育てますが、評価は甘くしてはいけません。モチベーションを上げるために評価まで甘くすれば、今度は頑張っている社員のやる気を失わせることになります。評価が上がれば、昇給や昇進のチャンスも増えるので、これを最終的な目標にしましょう。そして、部下に「この調子で頑張り続ければ、評価も上がる」と希望を持たせることが大切です。

3-4.上司も1人で抱えこまない

さて、ここまでお読みいただければ、やる気のない部下の指導の大変さをお分かりいただけたと思います。上司も、やる気のない部下の指導だけが仕事ではありません。また、部下のうち特定の1人だけ指導に時間をかけていれば、ほかの部下から不満が出ることもあるでしょう。ですから、上司1人だけで部下の指導をするのではなく、何人かでチームを組んで、やる気の出ない部下を指導していくことも必要です。やる気の出ない部下の同僚などの力も借りましょう。

3-5.注意点

やる気の出ない部下の指導は、ストレスが溜(た)まります。つい愚痴の1つもこぼしたくなるでしょう。しかし、誰が聞いているか分からない場所で、部下の愚痴を言ってはいけません。回り回って本人の耳に入れば、せっかく築いた信頼関係も失われてしまいます。また、サーバントリーダーシップを実践して部下の指導を試みる場合は、まず上司がサーバントリーダーシップに対する理解を深め、正しく実践する知識を身につけることが大切です。サーバントリーダーシップの実践方法を間違えると、単に部下に対して媚(こ)びを売るだけになってしまいます。また、やる気が出ない部下を奮起させようとして、ほかの部下を引き合いに出すのはやめましょう。部下同士を競い合わせるのは、全員がやる気がある人でないとうまくいきません。せっかくやる気が出たのに、競争をさせて負ければ、また部下がやる気を失ってしまうことは十分に考えられます。部下のやる気が出てきたら、黙って見守ってあげることも大切です。

4.やる気のない部下の指導方法に関するよくある質問

Q.やる気のない部下に対する指導に時間制限がある場合は、どのように対処をすればいいでしょうか?
A.その場合は、時間制限があることを素直に伝えてください。部下本人も、現状には不満を抱いているはずです。時間制限が、逆に、奮起する材料になる可能性もあります。

Q.やる気のない部下が複数おり、それが頑張っている部下たちと対立しているような状態です。
A.やる気のない部下の人数が多い場合は、指導者も複数必要になります。やる気のない人たちの部署異動なども視野に入れ、まず仕事を頑張っている人たちが認められる職場環境を作りましょう。やる気のない部下への指導はそれから行っても大丈夫です。

Q.やる気の出ない部下のモチベーションを上げるよりも、やる気のある人を優遇した方が有効なような気がします。
A.確かにそうですが、やる気のない部下を放置しておけば、「がむしゃらに働かなくても、特に何も言われない」という悪い見本になってしまうでしょう。いくらやる気のある人を優遇しても、悪い見本があるだけで逆効果です。

Q.やる気の出ない部下が話し合いを嫌がります。
A.上司と一対一で話し合うのは気まずいものです。最初は休憩時間に雑談のような感じで話をしてみましょう。そうすれば、部下は警戒心を解いてくれます。

Q.やる気の出ない部下ばかりにかまっていると、えこひいきをしているようにも見えてしまいそうです。
A.確かに、きめ細やかな指導をしていると、どうしてもひいきをしているように見えることもあります。ですから、複数で指導に当たる・頑張っている人にフォローを入れる、などの対策を考えましょう。

5.おわりに

いかがでしたか?  今回は、やる気のない部下の指導方法について解説しました。やる気がある人を育てるのは簡単ですし、やりがいもあります。一方、やる気のない人は、打てば響くように態度が変わることはなく、徒労感を覚えたりイライラしたりすることもあるでしょう。しかし、だからといって放置しておけば、部署全体の士気に関わります。部下の指導に取り組む際は、相談相手を作っておくなどストレス解消方法も考えておきましょう。また、インターネットを検索すれば、やる気のない部下を指導した体験談などを語っているブログなどもヒットします。指導の方法に迷ったら、そうした体験談を参考にするといいでしょう。やる気のない部下からやる気を引き出すことができれば、指導者としても1人前です。この経験が将来の役に立つと思って、取り組んでみましょう。そうすれば、モチベーションもアップするはずです。