木造住宅の耐震強度を増せる制震装置とは? どのように取りつけるの?

木造住宅とは、家の柱や梁(はり)などの骨組みが木でできている家のことです。
かつて、日本の住宅はほとんどが木造住宅でした。
しかし今は、マンションなども増えて木造住宅自体は減少傾向にあります。
また、「木造住宅は耐震強度が低いのでは?」というイメージを持っている方もいるでしょう。
しかし、木造住宅でも耐震強度が低いものは限られているのです。
そこで、今回は木造住宅の耐震性を高める方法をご紹介します。
耐震工事の一種である制震工事ならば、大がかりな工事をする必要もありません。

1.木造住宅とは?

まず始めに、木造住宅との特徴についてご紹介しましょう。
木造住宅が決して地震に弱いわけではありません。

1-1.木造住宅とは?

木造住宅とは、柱や梁など住宅の骨組みが木でできている住宅のことです。
一昔前は、一戸建てのほとんどが木造住宅でした。
現在は骨組みが鉄骨でできている住宅なども増えていますが、いまだに木造住宅は日本国内に多数あります。

1-2.木造住宅の耐震強度は?

木造住宅は耐震強度が低いようなイメージがありますが、そんなことはありません。
日本最古の木造建築である法隆寺五重塔は、築千年以上たっています。
地震にだって何度も遭遇していますが、今日まで壊れることはありませんでした。
また、法隆寺五重塔以外にも何度も大地震を乗り越えた木造建築はたくさんあります。
木は、柔軟性が高いので揺れを吸収する作用があるのです。
ですから、耐震設計で建てられた木造住宅は鉄筋コンクリートで建てられた住宅と耐震機能はほとんど変わりないでしょう。
しかし、木造住宅は築年数によって耐震強度が大きく下がることもあるのです。

1-3.木造住宅の弱点とは?

木造住宅の骨組みを構成している木材は、経年により劣化します。
つまり、古い木造住宅は、柱や梁が腐食したりひびが入ったりしている可能性もあるのです。
鉄筋コンクリートの住宅も経年とともに劣化していきますが、その速度は木造住宅より遅いでしょう。
また、木造住宅は白アリの被害にあう恐れもあります。
白アリが柱や梁につくと、食い荒らされてボロボロになってしまうでしょう。
つまり、耐震強度も落ちるのです。
さらに、家は長年住んでいるとあちこちに歪(ゆが)みが出てきます。
これが、原因で柱と土台の接合部分がずれると一気に耐震強度は下がるでしょう。

2.古い木造住宅の耐震強度が低いのはなぜ?

一般的に古い木造住宅は耐震強度が低いと言われていますが、それはいったいなぜなのでしょう?
そこで、この項では古い木造住宅の耐震強度が低い理由をご説明します。

2-1.キーポイントは1986年

日本で住宅を建てる際は、建築基準法に沿って設計や工事を行わなくてはなりません。
この建築基準法は、大きな地震が起きる際に改定されてきました。
つまり、新築の家ほど地震に強いのです。
しかし、一度目の大きな改定が行われた1986年以前に造られた住宅の耐震強度は、現在の耐震基準に照らし合わせるとかなり不十分。
ですから、1986年以前に造られた住宅や施設は耐震工事が必要なものが多いといわれています。

2-2.日本家屋は地震に弱い?

日本の伝統的な建築方法は、柱や梁で屋根を支える造りになっています。
つまり、柱や梁が折れたりずれたりすれば、一気に屋根が落ちてくる可能性があるのです。
この方法で家を建てると壁が少なく風通しのよい家ができるので、湿気の多い日本には適した工法でした。
しかし、阪神淡路大震災ではこの工法で建てられた家が多く倒壊し、たくさんの方が下敷きになってなくなりました。
日本に2×4建築のような壁で屋根を支える耐震住宅が普及し始めたのは、この後のことです。

2-3.耐震診断を受けてみよう

1986年以前に造られた木造住宅や昔ながらの方法で建てられた住宅が地震に弱いことが、これでお分かりいただけたと思います。しかし、ただ「心配だ」と思っているだけではいけません。
1986年以前に造られた木造住宅にお住まいの方は、ぜひ耐震診断を受けてみましょう。
お住まいの自治体によっては市役所に「耐震診断」に関する専門の部署があるはずです。
また、自治体によっては、耐震診断をおこなっている建築事務所を紹介してくれるところもあるでしょう。
つまり、自分で探すよりも確実で安価に耐震診断が受けられるのです。
ぜひ、利用してみてください。
診断の結果、耐震補強工事が必要な場合は相談に乗ってくれる事務所もあるでしょう。

3.耐震補強工事のやり方や注意点とは?

この項では、耐震補強工事のやり方や業者に依頼する際の注意点をご紹介します。
耐震補強工事を考えている方はぜひ参考にしてください。

3-1.壁を増やせば耐震強度は高まるけれど……

耐震補強工事でもっともポピュラーな方法は、壁や筋交いを増やすことです。
壁で屋根を支える構造にすれば、地震に強くなるでしょう。
しかし、家に壁を増やすのは簡単な工事では無理です。
場合によっては家に住み続けながら工事をすることができず、仮住まいを探す必要もあるでしょう。
また、壁が少ない場合は家の外側に支柱を立てたり筋交いを造ったりする方法があります。
築年数がたった公共施設の耐震補強工事によく用いられる方法ですが、景観が悪くなったり美観が損なわれたりすることもあるでしょう。

3-2.制震工事なら、短期間で耐震強度を増せるかも

「事情があって家に住みながら耐震補強工事をしたい」という場合や、「できるだけお金をかけずに耐震補強工事をしたい」という方にお勧めなのが制震ダンバーを設置する制震工事です。
制震ダンバーとは建物の梁や壁の四隅に取りつけることで、地震の揺れを吸収する装置のこと。
実は、この制震ダンバーの仕組みは前述した法隆寺五重塔にも使われています。
そういうとなにやら大掛かりな装置のように思えますが、実際の制震ダンバーは大人が抱えられる程度の大きさです。
ですから設置も簡単。古い住宅でも壁の四隅を壊して設置するだけで大丈夫。
これならば、家を立ち退く必要もありません。
また、制震ダンバーは家の揺れ全般を吸収するので、台風や自動車が原因の振動も吸収してくれます。

3-3.悪徳業者に気をつけよう

制震ダンバーの取りつけ工事は、耐震補強工事の中ではもっとも簡単な部類に入ります。
ですから、耐震補強詐欺に利用されることもあるのです。
制震ダンバーはどこにつけても効果を発揮するわけではありません。
専門の業者が調査して設置場所を決めます。
しかし、詐欺会社の場合は天井裏にのぼって梁の隅など取りつけやすいところに、もっともらしくダンバーを設置する場合が多いでしょう。
特に、飛び込みで営業をかけてきてすぐに工事に入る業者は要注意です。
制震工事を依頼する際は、実績のある業者に自分から依頼して工事をしてもらいましょう。

4.おわりに

いかがでしたか?今回は、木造住宅の耐震性についてご紹介しました。
まとめると

  • 木造住宅だから、耐震性が低いということはない。
  • 1986年以前に造られた木造住宅は、耐震強度が低い可能性が高い。
  • 耐震性能をアップさせるためには、制震工事がお勧め。

ということです。
耐震補強工事は必要ですが、高額になりがち。
ですが、制震ダンバーを設置する制震工事ならぐっとお得にできるのです。
また、家の外観も変わりませんから「家をそのままの姿にしておきたい」という人にもお勧めでしょう。