
【注目】インクルーシブリーダーシップとは? 特徴や導入するメリットを解説!
インクルーシブリーダーシップとは、現在注目を集めているリーダーシップの概念です。既存のリーダーシップのように、指導力の高い1人のリーダーが大勢の部下を引っ張っていくのではなく、1人1人がリーダーとなって集団で組織を成長させていくというもので、教育界も実践に乗り出しています。
今回は、インクルーシブリーダーシップの特徴や実践している場所などを解説しましょう。
- インクルーシブリーダーシップの特徴
- インクルーシブリーダーシップを取り入れるメリット
- インクルーシブリーダーシップに必要な資質は?
- インクルーシブリーダーシップの実践方法
- クルーシブリーダーシップを実施する際の注意点
- インクルーシブリーダーシップまとめ
この記事を読めば、組織をより成長させるヒントもつかめます。新しいリーダーシップ概念に興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.インクルーシブリーダーシップの特徴
インクルーシブとは、インクルード(巻き込む)という意味の英単語から発生した言葉です。前述したように、従来のリーダーシップ論では、1人の優れたリーダーが多くの人を引っ張っていくというものでした。しかし、この方法ではリーダーの素質がある人を獲得しない限り、組織はうまく機能しません。また、リーダーが優秀なほど部下は自分の考えを持たなくなり、イエスマンになり下がる可能性もあります。
一方、インクルーシブリーダーシップは、1人1人の中にあるリーダーとしての資質を引き出しながら、全員で組織を引っ張っていくという概念です。インクルーシブリーダーシップの元では、誰もがリーダーですから、発言や行動に責任が伴います。「誰かの命令でやっただけ」という言い訳は通用しません。また、リーダーとしての責任や考え方を全員が持つことにより、ほかの人の意見に耳を傾け、その意見を尊重する考え方ができるようになります。つまり、周囲の人と競争し、自分だけが利益を上げるのではなく、全員で協力し、組織を育てるという姿勢が生まれるのです。
2.インクルーシブリーダーシップを取り入れるメリット
インクルーリーダーシップを取り入れることにより、組織を構成する1人1人が「責任者」としての自覚を持つようになります。そうすれば、人に従っているだけだったり、責任を相手に押し付けたりすることはなくなるでしょう。
それに、意見の対立や派閥同士の争いも起こりにくくなります。また、1人のリーダーに大勢の部下という従来型の組織では、リーダーがいなくなれば、組織は存続の危機に陥ることもあるでしょう。しかし、インクルーシブリーダーシップを取り入れていれば、1人1人の能力を補い合えるので、人員が欠けても組織の損失は最小限です。
人材の現象が懸念されている日本では、インクルーシブリーダーシップの導入が、これからの国の発展に欠かせないという意見もあります。
3.インクルーシブリーダーシップに必要な資質は?
この項では、インクルーシブリーダーシップに必要な資質などのついて解説します。
3-1.インクルーシブリーダーシップを取るのに必要な能力
インクルーシブリーダーシップを身につけるには、その人の考える力が大切です。言われたことをそのままに実行するのは得意だけれど、自分で考えて何かをするのは苦手、という人では身につきません。
そのため、社会に出てからではなく、学校教育で「考える力」を身につけることが大切と考えられています。ですから、学校教育にインクルーシブリーダーシップを取り入れようという動きが活発になっているのです。
3-2.インクルーリーダーシップとグローバリズム
インターネットをはじめとする情報伝達機関の発達により、企業もグローバル化が進んでいます。本社は外国で支社が日本にあり、インターネットを利用して会議などを行う、という企業も珍しくありません。異なる文化や生活習慣を持った人たちとうまく一緒に働いていくためには、他人の考えを尊重して受け入れるというインクルーリーダーシップの考えが欠かせないでしょう。
つまり、インクルーシブリーダーシップを身につけた人ほど、国際社会で活躍しやすいと言えます。また、インクルーシブリーダーシップは、共感力の高い女性の方が身につけやすいという意見もあるのです。ですから、女性が社会進出する際の武器としても有効と言えます。
4.インクルーシブリーダーシップの実践方法
現在、インクルーシブリーダーシップは企業よりも教育業界が実践に力を入れています。いくつかの私立校では、小学校や中学校で「自分で考え、課題を解決する能力」を育てる教育を実施中です。
また、政府もインクルーシブリーダーシップに注目しており、2020年以降は教育カリキュラムを変更し、「自分で考え、問題を解決する能力」を育てる教育を行っていくと決めています。そのため、現在の大学入試に利用されているセンター試験を廃止し、別の選抜方法も考案中です。
5. クルーシブリーダーシップを実施する際の注意点
さて、インクルーシブリーダーシップを実施するには、自分で考えて課題を解決する能力が必要と解説しました。現在、このような能力を有し、すでに実践することができる人の大半が、すでにリーダーとして活躍していることでしょう。
また、自分で考え実践する能力は、一朝一夕では身につきません。「今日から君がここのリーダーだから自分でなんでも考えてやってね」と言うだけでは、既存のリーダーが責任を放棄しているだけです。
現在は、インクルーシブリーダーシップを実践する能力を有する人材を育成している最中ですから、無理に企業が「明日から導入しよう」と考えてもうまくいきません。しかし、社員1人1人が上司や同僚の意見に流されることなく、自由に発言できる会議を実践するだけでも企業は変わります。単に上からの命令を実践するように求めるのではなく、上司が部下に「君はどうしたい?」と尋ねられる環境を作ってみてください。
インクルーシブリーダーシップまとめ
今回はインクルーシブリーダーシップの特徴やメリット、実践方法などを解説します。このリーダーシップの概念はまだ新しく、教育の場で段階的に取り入れられている状態です。しかし、10年後、20年後の企業では、1人1人がリーダーとしての自覚を持った従業員が働くのが当たり前になっている可能性もあります。今すぐできる実践方法としては、部下に命令を伝達するだけでなく、意見を聞く、取り入れるといった上層部の意識改革があるでしょう。