遺品整理の手順や注意点は? 遺品整理業者に依頼する方法もご紹介

親が亡くなった後、家の明け渡しや遺産相続協議などに備え、遺品整理をしなければなりません。遺品整理を始める際は、事前に知識を持っておくことが大切です。

手順や注意点などを理解しておくことで、スムーズに遺品整理を進めることができます。とはいえ、遺品整理では何をすればいいのか、自分でできない場合はどうしたらいいのかなど、分からない点も多いでしょう。

そこで、本記事では、遺品整理の進め方や注意すべきポイントなどをご紹介します。

  1. 遺品整理とは?
  2. 遺品整理を始める際に準備すること
  3. 遺品整理の手順
  4. 遺品整理で注意すべきポイント
  5. 遺品整理を業者に依頼する方法
  6. 遺品整理でよくある質問

少子高齢化となり、遺品整理をする人手を確保するのが難しくなってきたため、業者に遺品整理を依頼するケースも増えています。遺品整理を業者へ依頼する方法なども覚えておきましょう。 

1.遺品整理とは?

遺品整理とはどのようなものなのでしょうか? 具体的にご紹介します。

1-1.故人の遺品を片付けること

遺品整理とは、故人の遺品を片付けることです。遺品には、愛用品から日用品まで、さまざまなものがあります。1つずつ仕分けて不用品は処分し、必要なものだけを残す作業です。

1-2.心の区切りを付ける作業でもある

故人の死後、悲しみの中で行わなければならない作業が、遺品整理です。遺品整理を進めて行くと、思い出を大切に感じる気持ちも湧き上がってきます。思い出を振り返りながら作業をすると、遺品整理に時間がかかってしまう場合もあるでしょう。しかし、作業を進めていくにつれ、心の区切りをつけることができるのです。

1-3.生前整理との違い

生前整理は、まだ元気なうちに自分の身の回りをコンパクトにしておき、自分の死後、遺族に負担をかけないように行う作業です。遺品整理は、故人の死後に遺族が行う作業であるため、生前整理とは目的や行う時期も異なります。

2.遺品整理を始める際に準備すること

遺品整理を始める際は、どんな準備をしておくといいのでしょうか? 準備すべきことを具体的にご紹介します。

2-1.スケジュールを立てる

遺品整理を行う際は、事前にスケジュールを立て、効率よく進められるよう準備しておきましょう。故人が賃貸物件に住んでいた場合は、あらかじめ退去日を確認しておき、スムーズに明け渡しができるよう、スケジュールを入念に立てる必要があります。

2-2.親族へ連絡をする

遺品整理を行う際は、できるだけ相続人全員がそろうことが理想です。遺品整理によるトラブルを避ける目的があります。そのため、遺品整理を行うことが決まったら、相続人全員が集まれる日程を調整するため、なるべく早めに連絡しておきましょう。

2-3.解約が必要なものを確認しておく

故人が生前契約していたガス・水道・電気・携帯電話・クレジットカードなどは、解約が必要となります。解約が必要なものをあらかじめ確認しておき、遺品整理を始めるのと同時に解約の手続きをしましょう。

2-4.道具を準備する

遺品整理を行う際は、片付けに必要な道具を準備しておきましょう。作業時は、軍手・カッター・ハサミ・ガムテープ・ダンボール・マスク・雑巾などがあると便利です。夏場は熱中症対策なども考慮し、飲み物などを用意しておくと安心でしょう。

3.遺品整理の手順

遺品整理の手順についてご紹介します。手順を知ることで、効率よく進めていくことができるでしょう。

3-1.仕分けをする

遺品整理は、まず仕分けをすることから始めます。大まかに必要品と不用品に仕分けを行ってください。仕分けをする際は、残すべきものをメモしておく・処分する基準を設けておくことが大切なポイントとなります。

3-1-1.残すもの

遺品整理で残すものは、現金・預金通帳・クレジットカード類・契約書類・貴金属類・骨董(こっとう)品などです。金銭価値があり、相続対象となる可能性が高いものは、必ず残しておきましょう。また、生前故人が愛用していた品も、形見分けをする場合があるため、必要品として残しておくことが大切です。

3-1-2.廃棄するもの

家具・家電・日用雑貨などの家財道具は、親族でも引き取り手がいない場合がほとんどです。使用年数も経過している場合、資産価値が著しく低下しているため、買取してもらうのも難しいでしょう。買取してもらうことができない場合は、廃棄を検討しなければなりません。

3-2.不用品を処分する

遺品整理の仕分けで出た不用品は、膨大な量に膨れ上がります。自治体のルールに沿って分別し、決められた日に出してください。ただし、ゴミ出しをする際は、1回に大量のゴミを出さないよう注意しましょう。近隣の迷惑になる恐れがあります。また、粗大ゴミとして出す場合は、事前に自治体へ申請手続きを行ってください。

3-3.残したものを保管する人を決める

遺品整理で必要品として残したものは、保管する人を決めなければなりません。遺産相続に関わるものは、法定相続人の代表者が保管する場合が多くなっています。親族全員で話し合い、保管方法や保管にかかる費用負担などについて決めましょう。

4.遺品整理で注意すべきポイント

遺品整理では、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか? 注意点をご紹介します。

4-1.法定相続人全員で話し合う

遺品整理でものの処分などを行う際は、法定相続人全員で事前に話し合うことが大切です。無断で処分することにより、親族間のトラブルが起こる場合があります。

4-2.遺言状やエンディングノートがあれば保管する

故人が、生前に遺言状やエンディングノートが残している場合があります。遺言状やエンディングノートは、故人の意思が記されているものであるため、遺産相続協議まで大切に保管しておきましょう。また、遺産相続などに反映できるよう、親族全員で情報共有することが大切です。

4-3.遺品を勝手に売却しない

遺品整理で出た家財道具などを処分する場合、買取に出すという選択肢もあるでしょう。買取に出すことができれば、わずかでも利益を得ることができます。しかし、勝手に売却してしまうと、親族間のトラブルが起こる恐れがあるのです。買取に出す際は、親族でしっかり話し合いを行いましょう。

5.遺品整理を業者に依頼する方法

自分で遺品整理を行うのが難しい場合は、業者へ依頼する方法も検討してみましょう。

5-1.業者選びのポイント

遺品整理業者を選ぶ際は、実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。一般社団法人遺品整理士認定協会の認定資格である遺品整理士がいる業者なら、故人を偲(しの)び、遺品をより丁寧に扱ってくれます。有資格者がいる業者なら、安心感を抱くことができるでしょう。業者選びの基準にしてみてください。

5-2.費用相場

遺品整理の費用は、部屋の広さや荷物の量などで異なります。複数の業者で見積もりを出してもらい、費用を比べて相場を知ることが大切です。

5-3.悪徳業者に注意

遺品整理業者の数は、少子高齢化に伴って需要が高まり、年々増加傾向にあります。しかし、業者の増加につれ、悪徳業者の数も増えているのです。無許可で営業している業者や、きちんとスタッフ教育をしていない業者もいるでしょう。悪徳業者に依頼してしまうと、遺品の盗難や紛失などのトラブルが起こる恐れがあります。必ず、遺品整理の実績が豊富で、クチコミや評価などがいい業者であることを確かめて依頼しましょう。

6.遺品整理でよくある質問

遺品整理に関する質問を集めました。

Q.遺品整理を自分で行うメリットとは?
A.自分で遺品整理をするメリットは、遺品整理にかかる費用を節約できることです。とはいえ、自分で荷物の仕分けや不用品の処分などを行う場合、膨大な時間と労力が必要となります。無理に自分でやろうとせず、法定相続人全員で行うといいでしょう。

Q.業者に遺品整理を依頼すべき場合とは?
A.時間的制約がある場合や、肉体的負担を軽減したい場合などです。少子高齢化で遺品整理をする人手も少ないケースや、実家が遠方でなかなか足を運べないケースも増えています。短期間で遺品整理を終えたいなら、業者に依頼することを考えてみましょう。

Q.遺品整理がスケジュールに沿って進まない場合はどうすべきか?
A.スケジュールを組み直してみましょう。退去日などが決まっている場合は、慌ててスケジュールを組み直すより、遺品整理業者に依頼する方法もおすすめです。短期間で確実に遺品整理を終えることができます。

Q.遺品整理で出た不用品の処分を迅速に終える方法は?
A.不用品回収業者などを利用して処分するといいでしょう。不用品回収業者には、大量の不用品をまとめて処分できるお得な料金プランがあります。業者によっては即日対応なども可能で、迅速に不用品の処分ができるのがメリットです。

Q.遺品整理業者はどこまでやってくれるのか?
A.遺品整理で貴重品の捜索などを行い、不用品を供養してから処分してくれます。また、ハウスクリーニングで部屋をきれいにし、いつでも明け渡しできる状態まで仕上げてくれるのです。見積時に業者の作業範囲などを確認しておくといいでしょう。

まとめ

遺品整理は、スケジュールを立てて行うと、スムーズに進めることができます。遺品整理を行う際は、事前に手順などを理解しておくことが大切です。ただし、膨大な家財道具の処分などを伴うため、人手が確保できないと、自分で行うのが難しい場合があるでしょう。時間的制約がある場合や肉体的負担を軽減したい場合は、遺品整理業者などを活用する方法も考えてみてください。