事故物件の掃除方法を知りたい! 普通の掃除と特殊清掃の違いは何?

事故物件とは、不動産取引や賃貸借契約の対象となる建物や敷地内で前居住者が死亡した経歴のある物件です。賃貸物件で人が亡くなると、遺族だけでなく大家や管理会社にも迷惑がかかります。遺族の中には、「原状回復を大家や管理会社から求められたが、どうしていいか分からず困っている」という人もいるでしょう。
そこで、今回は事故物件の掃除方法について解説します。

  1. 事故物件の問題点
  2. 事故物件の清掃について
  3. 事故物件の清掃は業者に依頼しよう
  4. 事故物件の清掃に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、親族が賃貸物件で亡くなってしまった時の対処方法がよく分かるでしょう。賃貸物件で1人暮らしをしている親族がいるという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.事故物件の問題点

はじめに、賃貸物件で亡くなるとどのような問題が起こるかを解説します。なぜ、「事故物件」と呼ばれるのでしょうか?

1-1.事故物件の定義

前述したように、事故物件とは建物内、もしくは敷地内で人が亡くなった物件です。ただし、家族に看取られて家で亡くなった場合や、物件内で不慮の事故が起き、病院に搬送されたが亡くなったという場合など、事故物件にならないケースもあります。

1-2.貸し主のデメリット

賃貸物件内で人が亡くなると、次の借り手を探すことが難しくなります。そのため、家賃を大幅に下げるなどしなければなりません。また、アパートなど集合住宅の場合は、ほかの部屋に住んでいる人もよい気持ちはしないでしょう。その結果、物件に空き部屋が増えたり物件全体の家賃を下げたりする必要も出てきます。

1-3.借主のデメリット

前述したように、集合住宅で人が亡くなると住宅全体の評判が落ちます。事件・事故の内容によっては、借主が転居を考えたくなるでしょう。その結果、余計な出費が増えることになります。また、亡くなった人の親族や保証人は、大家さんや管理会社から部屋の原状回復を求められるでしょう。状況によっては、清掃だけではなく壁紙・フローリング・タタミなどをすべて取り換えなければなりません。

1-4.地域全体のデメリット

事故物件になってしまった原因によっては、その地域全体の評判が落ちます。土地の価格にも影響が出るでしょう。また、野次馬などが事故物件周辺に集まることにより、治安も悪化します。

2.事故物件の清掃について

この項では、事故物件の清掃について解説します。どのような清掃が必要なのでしょうか?

2-1.事故物件に清掃が必要な理由

事故物件の場合、住人が亡くなったことが分かるまでに時間がかかることも珍しくありません。そのため、部屋がひどく汚れることも多いでしょう。きれいにするには、特殊な清掃が必要になります。また、すぐに発見された場合でも、入念な掃除は必要です。

2-2.遺族で掃除をすることは可能?

人が亡くなってすぐに発見された場合、部屋の汚れは最小で済みます。しかし、亡くなり方によっては亡くなった直後にひどい汚れが発生することもあるでしょう。ですから、遺族で掃除を行えるケースは、ごくまれです。

2-3.素人が事故物件の掃除をするのは危険?

人は生命活動を停止すると、腐敗が始まります。そのため、亡くなった人から発生した汚れには菌類が繁殖し、感染症の危険が高くなるでしょう。また、腐敗した臭いは通常の清掃では取れません。さらに、汚れがしみ込んだふとんやカーペット類は医療廃棄物扱いとなり、自治体では回収不可能です。ですから、亡くなって時間がたってから発見された場合、部屋の清掃は素人では行えません。

3.事故物件の清掃は業者に依頼しよう

この項では、事故物件の掃除を依頼できる業者について解説します。

3-1.事故物件を清掃してくれる業者とは?

事故物件の清掃は、「特殊清掃」と呼ばれます。インターネットで清掃業者を探すと、「特殊清掃も請け負います」という業者がたくさんヒットするでしょう。そのような業者に依頼しましょう。特殊清掃を専門に請け負う業者もあります。

3-2.業者に依頼するメリット

特殊清掃業者は、事故物件の清掃のプロです。汚れはもちろんのこと、臭いまで消してくれます。また、汚れた布団やカーペット・タタミなどの処分も依頼可能です。事故物件によっては、部屋の中がゴミで一杯ということもあります。特殊清掃業者によっては、ゴミの片づけまで行ってくれるので、原状回復も速やかに行えるでしょう。

3-3.業者の選び方や料金相場

現在はサイトを開設している業者も多いので、特殊清掃業者はインターネットで探しましょう。大家さんや管理会社が紹介してくれることもあります。料金は、部屋の広さや汚れ具合・撤去する荷物の量で異なるので、まずは見積もりを出してもらいましょう。清掃だけならば料金は数万円~が相場ですが、これに荷物の撤去や消臭・消毒などが加わると10万円~が相場になります。

3-4.作業の流れ

特殊清掃を依頼した場合、まずは業者が現場を確認し、見積もりを出してくれます。それに納得したら契約です。清掃や片づけ自体は半日~1日で終了します。遺族や保証人が清掃や片づけを手伝う必要はありませんが、清掃終了後の立ち合いを求められることが多いでしょう。

3-5.注意点

特殊清掃を行うのに、特別な資格は必要ありません。ですから、業者を選ぶ場合は実績が多いところに依頼しましょう。実績が多ければ、作業も手際よく行ってくれます。また、通常のハウスクリーニング業者では、特殊清掃を依頼できません。注意しましょう。

4.事故物件の清掃に関するよくある質問

Q.部屋の中ではなく、外で亡くなっていた場合も清掃は必要ですか?
A.現場の状態によります。汚れがひどい場合は土や砂利の入れ替えが必要になるでしょう。

Q.親族だからということで事故物件の掃除を求められましたが、断ることはできますか?
A.保証人になっていない場合は、断ることが可能です。

Q.事故物件の掃除はどこまで行えばいいでしょうか?
A.基本的に臭いや汚れが消えれば問題ありません。

Q.事故物件の清掃を行う場合、周囲の人への挨拶は必要ですか?
A.大家さんや管理会社と相談してください。

Q.汚れや臭いがほかの部屋まで広がった場合はどうすればいいでしょうか?
A.汚れについては大家さんや管理会社と相談してください。臭いは元を断てばやがて消えます。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は事故物件の清掃について解説しました。亡くなった人が早く発見されるほど、掃除の手間はかからなくなります。1人暮らしをしている親族がいる場合は、定期的に連絡を取りましょう。そうすれば、孤独死を防ぐことができます。