庭の雑草対策にはコツがある!〜しつこい雑草の処理方法教えます!〜

庭の雑草対策で悩んでいる方は少なくありません。雑草は生命力が強く、何度草むしりをしても次々生えるので大変ですよね。そこで、ここでは、庭に生える雑草の種類や、雑草対策の方法をご紹介します。自分で簡単にできることからプロに依頼するような内容まで、さまざまな方法をご紹介しますので、庭の環境や状態・広さなどに合わせて選択してください。

1.庭の雑草の種類を知りたい

ひとくちに雑草と言ってもさまざまな種類があります。特に、庭で多く見る代表的な雑草には以下のようなものがあるので把握しておきましょう。

1-1.チガヤ

チガヤは、イネ科の多年草です。横にはうように伸びる地下茎から少数の葉をまとめて出します。初夏には白い綿毛に包まれた穂を出すのが特徴です。チガヤは、古事記や万葉集にも名前が出てくるほど昔からなじみ深く、庭のみならず、道路・畑・土手など数多くの場所に生息しています。

1-2.スギナ

スギナはトクサ科の多年草です。浅い地下に地下茎を伸ばして増えます。湿気の多い酸性の土壌を好む雑草です。初春に「ツクシ」として生え、成長後に栄養茎である「スギナ」へと成長します。スギナは30〜60センチまで成長し、次々と増殖するので完全に処理をするのが大変な雑草です。

1-3.スズメノカタビラ

春のイネ科を代表する雑草です。庭・道路・畑などさまざまな場所で育成します。小柄な雑草で伸びても20センチほどです。地下茎はなく数本が集まって株立ちになっています。多くは秋に発生し、抜いても抜いてもすぐ生えてくるので処理するのが困難な雑草です。

2.庭の雑草対策とは

庭や駐車場のある一軒家は誰でも憧れますよね。けれども、美しい芝生が広がる一軒家は、実はお手入れが大変なのです。中でも一番大変なのは雑草対策でしょう。いろいろな方法をご紹介します。

2-1.雑草を刈る・抜く

抜いたり、刈ったりする「草むしり」は、雑草対策のなかで一番お金もかからず気軽に行える方法です。草むしりのコツをご紹介しましょう。

  • 時期…草むしりは梅雨明けに一気に行うのがベストです。雑草は真夏の強い日差しを浴びると一気に根を広げます。根をはってしまうと抜くのも大変です。そこで、夏本番になる前に一気に片付けましょう。雨降り後の庭の土に湿気がある状態で行ってほうが作業が楽に進められます。
  • 道具…素手ではなくカマ・草取りヅメ・雑草用ブラシを使用しましょう。カマは根っこまで抜くことができ、草取りツメは根元をほぐして小さな根っこもしっかり取りのぞけます。雑草ブラシはコンクリートや敷石、タイルの間など、細かいスペースの草むしりに便利です。
  • 椅子…中腰で草むしりをしていると腰を痛めがちです。小さな子供用の椅子や、農業用の椅子を使用するのがおすすめでしょう。

2-2.除草剤の散布

雑草対策専用の除草剤を、庭に散布する方法です。除草剤には、すべての植物を枯らす作用のある「非選択性除草剤」と、限られた雑草だけを枯らす「選択性除草剤」があります。さらに、即効性があり残留しないタイプと、効果がじっくり長く続くタイプもあるのです。

除草剤は厳重に取り扱う必要があります。肌に付着したり散布したものを吸い込んだりすると危険です。特に、小さなお子さんやペットがいるご家庭では十分取り扱いに注意してください。

また、非選択性除草剤を使用すると、庭の木やガーデニングで育てた花などを枯らすこともあります。使用上の注意などをしっかりと確認してから使いましょう。

2-3.砂利(じゃり)や砕石(さいせき)を敷き詰める

天然砂利や加工した砕石などを敷き詰めて、雑草の成長を妨げる方法です。砕石を寄せ集めてタイル状にした製品もあります。砂利や砕石にはいろいろな種類があり、5センチ〜10センチ程度の厚みで敷けば3年ほどは雑草が生えないといわれているのです。

庭の環境にもよりますが、砂利や砕石などを敷き詰めても年月が経過すると石の重みで沈み、土が現れると雑草が生え始めるでしょう。風に乗って飛んできた種子が発芽し、砂利下の土に根を伸ばして成長してしまうのです。より雑草を生えにくくするためには、「雑草抑制作用」があり環境に悪影響を与えない製品を選ぶか、砂利や砕石を敷く前に防草シートを敷くという方法もあります。

砂利や砕石を庭に敷き詰める方法は、雑草予防効果があるとともに、歩くとジャリジャリと音がするために防犯効果もあるので人気があるようです。

2-4.防草シートを敷く

防草シート、除草シートとなどの名前で雑草対策用の専用シートが販売されています。一般的なのは合繊不織布製の製品で、扱いやすく耐久性もあるので利用者が多いようです。また、合繊織込製の製品は透水性に優れ、柔らかいので敷き詰めやすいのが特徴になります。

合繊の防草シートの耐久性は約5年です。定期的に取り替えてください。最近では、放置しても自然に土に戻る天然原料100%のシートもあります。

防草シートは黒なので、そのまま敷いただけでは庭の美観を損ねるでしょう。そこで、防草シートを敷いた上に砂利や砕石を敷き詰めるのが一般的です。

防草シートを上手に敷くには前処理をきちんと行うことが重要になります。

  • 雑草を地面の下に張っている根元まで処理する。(念入りに根まで処分しておきたい雑草は、スギナ・チガヤ・ススキ,ヒメシバ・セイタカアワダチソウ・クズ・ハマスゲなど)
  • 地面の凹凸を無くして平らにする。
  • 小さな石や小枝などを取り除く。

面積が広いと、自分の手で下処理・防草シートの敷き詰め・砂利や砕石の敷き詰めをすべて行うのは大変でしょう。そんなときは、プロの造園業などに依頼するのもおすすめです。お金はかかりますが仕上がりがきれいで長持ちします。

2-5.固まる土を防ぐ

水をかけると固まる簡易コンクリートのような土があります。排水性もあり雑草が生えるのも防ぐのです。

ただし、資材が重い・水平にするのが大変・基礎砂利を敷く必要がある…などの問題があるため、素人が自分で行うのは不可能ともいわれています。しっかりと施工できれば防草効果が高く長年持つのがメリットです。

2-6.雑草と共存する

最近では、雑草を目の敵にして完全に無くすよりもほかの庭に生えている植物と同様に共存しようという考えも注目されています。

雑草と一緒にガーデニングを楽しもう…という主旨の書籍も人気があるようです。

雑草は庭の美観を損ないますが、以下のような働きもします。

  • ナメクジは、背丈の低い雑草から食べるために雑草が生えているとガーデニング用に植えた大切な草花が食べられずに済む。
  • シロツメクサ(クローバー)が生えていると、ほかの雑草が生えない。
  • 雑草が根を張ることで表土を固定するので土が浸食されにくい。
  • 地表付近の微生物や土壌菌から守り乾燥を防ぐ。
  • 雑草が成長し枯れることで土にかえり、養分となり土を豊かにする。
  • 土が酸性に傾くと酸性に強い雑草が、アルカリ性に傾くとアルカリ性に強い雑草が生え、土壌微生物が増え中性になる。

雑草には上記以外にもさまざまなメリットがあります。人目に付く玄関などの部分はきれいに処分して、つかない部分は雑草と共存するという考え方もあるでしょう。

2-7.ウッドデッキやガーデンルームを作る

雑草を処理するのが大変で困っている…という人には、庭にウッドデッキやガーデンルームを作って土や芝生の面積を減らすのもおすすめでしょう。ガーデンルームとは、リビングとつなげて庭に作る部屋のことです。ガラス張りにすれば、太陽の光りもたっぷり入るので家族で楽しめる心地よいスペースになります。

また、ウッドデッキは木製のテラスのことで、リビングと一体化させて作ればアウトドア気分で食事や昼寝などさまざまな楽しみ方ができるのです。ウッドデッキ下はコンクリート打ちにするなどの処理をすれば、雑草に悩まされることもありません。ペットのいるご家庭にもおすすめです。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか?

庭に生える雑草の種類や、雑草対策の方法がおわかりいただけたかと思います。

ひとくちに雑草対策といっても、ご家庭によって雑草を処分しなければならないスペースは異なるでしょう。

上記でご紹介したように、自分でできる簡単な方法からプロに依頼したほうがいい方法まであるので面積や環境、予算に応じた方法を選びましょう。

また、玄関や前庭などの目立つ部分はプロにお願いして、人目にあまり触れない庭はナチュラルに雑草と草花を共存するという方法もあります。

さらに、手入れが大変で放置している庭は、思いきってガーデンルームやウッドデッキを作り家族で楽しめるスペースに変身させるのもおすすめです。