ゴミ屋敷の火事対策が必要な理由は? 主な事例・対策法を詳しく解説!

「ゴミ屋敷だと火事が起きやすいと聞いたが、本当なのか」「ゴミ屋敷の火事を防ぐ方法を知りたい」とお考えではありませんか? 確かに、ゴミ屋敷はものが異常に多くて不衛生なだけでなく、さまざまな理由から火事が起きやすいのも事実です。そのため、まずは、ゴミ屋敷自体を片付ける必要があります。しかし、どんな方法で片付けるとよいのか、どんな点に注意するべきかなど、よく分かりませんよね。

そこで今回は、ゴミ屋敷の火事について詳しく解説します。

  1. ゴミ屋敷が火事になりやすい理由は?
  2. ゴミ屋敷が火事になった事例を紹介
  3. 周囲にゴミ屋敷がある場合の対策
  4. ゴミ屋敷になってしまった場合の対処法
  5. ゴミ屋敷の火事に関するよくある質問

この記事を読むことで、ゴミ屋敷の火事を防ぐポイントがよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。

1.ゴミ屋敷が火事になりやすい理由は?

最初に、ゴミ屋敷が火事になりやすい理由を見ていきましょう。

1-1.タバコのポイ捨てによる火事が起きやすい

ゴミ屋敷は、タバコのポイ捨てによる火事が起きやすくなります。ゴミ屋敷は、不用品やゴミが散乱していることから、ゴミ捨て場と同様に扱われる傾向があるからです。特に、歩きタバコをするなど、喫煙マナーがなっていない人からポイ捨てされやすいので注意してください。

1-2.トラッキング現象による火事が起きやすい

ゴミ屋敷では、トラッキング現象による火事が起きやすいのも問題でしょう。トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間にたまったホコリが吸湿し、漏電して発火する現象です。長期間掃除をしないと、コンセントの周辺にホコリがたまってしまいます。特に、タコ足配線をしていたりコンセント周辺に湿気がこもっていたりすると、トラッキング現象が起きやすいので注意しましょう。トラッキング現象は、いつ発生するか予測できないため、住人の就寝中や外出中に火事が発生し、対応が遅れて大きな被害につながることもあります。

1-3.放火の被害に遭いやすい

ゴミ屋敷は、放火の被害に遭いやすいのも厄介です。ゴミ屋敷は放火魔のターゲットになりやすく、いたずら目的で放火されることが多くあります。中には、ゴミがあふれている家だから問題ないだろうと考えて犯行に至るケースもあるので気を付けましょう。いずれにしても、ゴミ屋敷のままでは放火される可能性が高いので、早くゴミを片付けるなどの対策を講じることが大切です。特に、家の外側にゴミや不用品が山積みにされていたり、庭木が伸び放題になっていたりする場合は注意してください。

1-4.暖房器具から引火するケースもある

家の中がゴミ屋敷状態になると、冬場に暖房器具を使用した場合、異常加熱もしくは引火による火事が起きやすくなります。たとえば、電気ストーブを使用中、何らかの拍子に洗濯ものや洋服などに引火してしまうなどです。万が一引火してしまうと、周囲のものを燃やしながらあっという間に広がってしまうことでしょう。ものが多い分、延焼スピードが速く、被害も大きくなりがちです。

2.ゴミ屋敷が火事になった事例を紹介

ゴミ屋敷が火事になった事例を3つご紹介します。

2-1.就寝中に電気ストーブから洗濯ものに引火して火事になった

Aさんは高齢でゴミを出すことができなくなり、ゴミ屋敷状態の家で一人暮らしをしていました。ある冬の日、部屋の寒さに耐えきれなくなったので、電気ストーブのスイッチを入れたのです。やっと部屋が暖まって心地よくなったAさんは、そのままウトウトしてしまいました。しかし、目が覚めると、室内干ししてあった洗濯ものが電気ストーブの上に落ち、引火していたのです。気が動転したAさんは逃げ出すのに精いっぱいで消火活動をすることができず、結果的に家を火事で失うことになりました。

2-2.タコ足配線のコンセントから出火して火事になった

Bさんは、掃除や片付けが大の苦手で、部屋が多くのものであふれていました。また、掃除をしないので、部屋にある延長コードのコンセントにもホコリが積もったまま放置されていたのです。ある日Bさんは、焦げたような臭いがすることに気付いて唖然(あぜん)としました。気付かないうちに、タコ足配線のコンセントから出火し、火事が発生していたからです。幸いなことに初期消火が間に合い、壁と床の一部を焦がすだけで済みました。しかし、借家だったため貸し主から修理費用を請求された上、退去を求められたのです。

2-3.不審者による放火で火事になり隣家にも延焼した

数年前に妻を亡くしたCさんの家は、近所でも有名なゴミ屋敷でした。最近では、多くの見物人や不審者を見かけるようになり、近隣住民は不安な日々を過ごしていたのです。そんな中、不審者による放火があり家屋は全焼、Cさんも大ヤケドを負ってしまうなど、大変な被害が出てしまいました。しかし、さらに悪かったのは隣家に延焼してしまったことです。Cさんは、隣家から家屋の修理費用だけでなく多額の慰謝料を請求されて困り果てています。

3.周囲にゴミ屋敷がある場合の対策

周囲にゴミ屋敷がある場合の対策を詳しく見ていきましょう。

3-1.住人と話し合って片付けを促す

周囲にゴミ屋敷があるときは、住人と話し合って片付けてもらうように話してみてください。住人との話し合いにより解決するのが、最もトラブルにならない方法です。住人が病気や認知症などの理由で片付けられない場合は、手伝いを申し出ることも効果的でしょう。なお、いったん片付けすることを承諾してもなかなか作業が進まないこともあるので、定期的に声をかけて住人の自覚を促してください。

3-2.周辺をパトロールする

ゴミ屋敷の周辺を定期的にパトロールすることも効果的です。ゴミ屋敷の周辺は、見物人が興味本位でやってきたり不審者がうろついたりして治安が悪化します。すると、タバコのポイ捨てや放火による火事のリスクが高くなるのです。しかし、こまめにパトロールをすれば、見物人や不審者に対してけん制することができます。また、不審火などにより万が一火事が発生しても、被害を最小限に抑えることができるのもメリットです。

3-3.自治体に通報する

住人と話し合いをしてもゴミ屋敷状態が改善しない場合は、自治体に通報することも考えましょう。自治体でも、ゴミ屋敷問題が深刻化していることから、通報があれば住人に対して勧告してもらえます。再三の勧告にも従わないなど悪質な場合は、条例によって自治体が強制的にゴミを撤去することも可能です。ただし、自治体への通報はあくまでも最終手段なので、まずは住人との話し合いで片付けてもらうように努力しましょう。

4.ゴミ屋敷になってしまった場合の対処法

自分の家がゴミ屋敷になってしまった場合の対処法を詳しく解説します。

4-1.自分で片付ける

ゴミ屋敷の状態でも、自分で片付けることも可能です。挫折せずに片付けるには、以下のポイントを参考にしてください。

  • 最初に計画を立てる
  • 不用品の仕分け基準を決めておく
  • 不用品の処分方法を考える
  • 短期間で無理をして片付けようとしない
  • なるべく多くの人の手を借りる

なお、一軒家で部屋の数が多く、作業量が膨大になると考えられるときは無理をせず、仕分けから専門業者に依頼することをおすすめします。

4-2.信頼できる専門業者に片付けを依頼する

ゴミ屋敷の片付けは、専門業者に依頼すると何かと便利でスムーズに作業が進みます。以下の条件を満たした業者なら、安心して依頼できるでしょう。

  • ゴミ屋敷の片付けで豊富な実績がある
  • 見積もりは無料
  • リーズナブルかつ分かりやすい料金システム
  • 都合のよい日時に作業してもらえる
  • 必要に応じて消毒・害虫駆除作業も可能
  • スタッフの対応が親切で丁寧
  • 顧客からの評判がよい
  • 一般廃棄物収集運搬や古物商の許可を取得済み

5.ゴミ屋敷の火事に関するよくある質問

最後に、ゴミ屋敷の火事に関する質問に回答します。それぞれ確認しておきましょう。

Q.ゴミ屋敷について自治体に通報するときの注意点は?
A.ゴミ屋敷の住人に身元を知られないようにすることです。住人に知られると、通報されたことを逆恨みされることがあります。

Q.ゴミ屋敷の火事が発生しやすい季節は?
A.冬です。冬は、空気が乾燥していることや暖房器具を使用することから、そのほかの季節より火事になりやすく、被害も大きくなる傾向があります。

Q.ゴミ屋敷の火事でも火災保険が下りる?
A.契約者の重大な過失が認められない場合なら、ゴミ屋敷の火事でも保険金を受け取ることができます。ただし、対象となるのは契約者の家屋と家財であり、特約を付けないかぎり、隣家の延焼部分は除外となるので注意しましょう。

Q.火事で損害を受けた家財を火災保険で補償してもらう方法は?
A.加入中の保険に家財に対する補償が含まれている場合であれば、保険会社に対して、火事で家財も損害を受けたことを証明してください。まずは、被害状況を撮影して証拠写真を残すことが大切です。被害内容が分かりやすいよう、さまざまな角度から撮影してください。損害を受けた家財は、そのまま保管しておきましょう。その後、保険会社に連絡して現場確認を受けてください。保険会社が状況を確認できれば、保険金の申請手続きについて説明があるはずです。

Q.ゴミ屋敷の片付けで出た不用品の処分はどうすればよい?
A.物量が多ければ、不用品回収業者に処分を依頼するとよいでしょう。不用品回収業者に依頼すると、仕分けや運搬の必要がない、都合のよい日時を指定できるなど、多くのメリットがあります。まずは、業者に見積もりをもらって検討してみてください。

まとめ

今回は、ゴミ屋敷の火事について詳しく解説しました。ゴミ屋敷は、暖房器具による引火、コンセントのトラッキング現象、タバコのポイ捨てや放火など、火事のリスクが高くなります。火事が起きてしまえば、家屋や家財に大きな損害を出すだけでなく、ケガをしたり命を落としたりすることもあるのです。また、隣家へ延焼すれば多額の弁償費用や慰謝料が必要になる場合があります。ゴミ屋敷による火事を予防するには、ゴミ屋敷の住人だけでなく近隣住民も協力して対策することが大切です。最終的には、自治体に通報してゴミを撤去してもらうこともできます。火事による被害に遭わないためにも、ゴミ屋敷対策を徹底してください。