地震のメカニズムを理解してイザというときのために備える!

地震が起きるメカニズムをご存じでしょうか?
日本付近では、人間が感じることのできる地震だけでも1年間に1,000回以上発生しています。地震は世界中で発生していますが、そのおよそ3分の1が日本付近に集中しているのです。
地震大国ともいえる日本に住んでいる以上、地震への備えは常にしておかなければなりません。そのためにも、地震が発生する原因や仕組みを理解しておきましょう。

地震の種類について

地球の表面は、厚い岩のかたまりのような「プレート」で覆われています。このプレートは少しずつ移動しており、プレート同士が押し合ったり、ぶつかり合ったりしているのです。そのときの衝撃によって地震が起こります。特に日本列島は、北米プレート・ユーラシアプレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートという4つのプレートの境目となる位置に存在しているため、プレートの衝突が起きやすいのです。
日本で発生する地震は大きく分けて、「プレート境界型(海溝型)」と「直下型(内陸地震)」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

プレート境界型(海溝型地震)

プレートとプレートの境目には「海溝」と呼ばれる深い溝があります。異なる動きをしているプレート同士が接する海溝は歪みが蓄積されやすく、その歪みが解放されることによって地震が発生するのです。この地震を「プレート境界型地震」あるいは「海溝型地震」と呼びます。
関東大震災や十勝沖地震、2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震は、このプレート境界型地震の典型です。

直下型(内陸地震)

陸地の下にあるプレートの歪みにより活断層にずれが生じて起きる地震が「直下型地震」です。直下型地震の場合、プレート境界型地震と比べると被害をもたらす範囲は狭くなるといわれています。その範囲は、震源地から20~30キロメートルだと考えてよいでしょう。しかし、震源の深さがポイントとなります。震源が浅ければ、それだけ被害も大きくなるのです。
直下型地震は予知が非常に難しいという特徴もあるため、いつ発生してもおかしくない状況といえます。阪神・淡路大震災は、典型的な都市型直下型地震でした。

火山性地震

プレート境界型地震と直下型地震とは区別されることが多いですが、日本には火山活動によって発生する地震もあります。火山付近に震度1以下程度の体に感じられない地震が多発するのが一般的です。

地震発生のメカニズム

それでは、地震が起きる仕組みを種類ごとに詳しく解説していきましょう。

「プレート境界型(海溝型)地震」が起きる仕組み

プレート同士が接している海溝で海側のプレートが沈みこむと、陸側のプレートも巻き込まれてしまいます。すると、それに耐えられなくなった反動で陸側のプレートが跳ね上がり、巨大な地震となるのです。
プレートは常に動いていますから、定期的にプレート境界型地震が発生すると考えておくとよいでしょう。現在心配されている東海地震や東南海地震も、このタイプです。

「直下型(内陸)地震」が起きる仕組み

日本付近にはプレートがぶつかりあう場所が多いため、陸地の下にあるプレートにも大きな力がかかってきます。そのため、その衝撃を吸収する際に活断層にずれが生じます。これが、歪みです。蓄積された歪みが大きくなると、陸プレート内部の岩盤が破壊されて突き上げるような地震が発生するのです。
ドーンという大きな衝撃とともに激しい縦揺れと横揺れが入り混じって起きるのが特徴で、その揺れは局地的に大きな被害を及ぼします。

「火山性地震」が起きる仕組み

マグマや火山ガスの変化によって岩石破壊が起きるのが、火山性地震です。地下にあるマグマの動きが地殻変動に影響を与えることが原因とされています。通常の地震とはメカニズムが異なるため、余震などはなく、全て単独で発生している揺れと考えてよいでしょう。

地震時の対応について

このような地震のメカニズムをふまえておけば、地震に対する備えも変わってくるかもしれません。とにかく大切なのは、日本はいつ巨大な地震に襲われてもおかしくない状態にあるということです。その意識を常に忘れずに、地震が起きたときに落ち着いて行動できるようにしておきましょう。

自宅にいるときに地震が起きたら

一番重要なのは、身の安全を確保することです。「火を消そう」などと慌ててはいけません。今のコンロやストーブは、揺れを感知したら自動的に消火する仕組みになっています。むしろ、火を消そうと近づくほうが危険です。
布団をかぶるか、頑丈なテーブルの下に潜るなどして落下物から身を守りましょう。落下物の少ない壁際でうずくまるだけでも違うはずです。物が倒れたり落ちてきたりしないように、部屋の環境を整えておく必要もあります。
大きな揺れであったとしても、いきなり外に飛び出すのは危険です。ひとまず揺れが落ち着くまで待ったほうがよいでしょう。

屋外にいるときに地震が起きたら

スーパーやデパートにいるときも、落下物に注意が必要です。商品の棚だけでなく、ショーウィンドウのガラスからも離れてください。天井には照明器具もたくさんあるため、カバンなどで頭を守ります。
エレベーターに乗っているときに揺れを感じたら、全ての階のボタンを押してすぐに降りてください。降りることができなくなった場合でも、無理に脱出を試みずに救助を待つほうが安全でしょう。
車に乗っているときには、少しずつスピードを落としながら、道路の左側に寄せて止まるようにしてください。エンジンを切って、揺れが落ち着くまで車内で地震の情報を聞くなどしましょう。避難する際には、エンジンキーは付けたまま、ドアもロックせずに置いておきます。動かせない状態で放置しておくと、他の人の避難や緊急車両の通行の妨げになってしまい、被害を拡大させる恐れがあるからです。

揺れが落ち着いたら

大きな揺れが落ち着いても、安心はできません。余震も続きますし、二次災害が起きている恐れもあります。
自宅にいる場合は、まず火の元を確認しましょう。ガスが漏れている可能性があるときには絶対に火をつけないでください。同様に、換気扇や電気のスイッチに触れることも危険です。ガスの元栓を閉めて、換気をしてから、ガス会社に連絡をしましょう。
テレビやラジオなどで地震や津波に関する情報を入手することも忘れないでください。特に、津波やがけ崩れの恐れがある地域に住んでいる場合は、すぐに安全な場所に避難する必要があります。
大きな地震の後には、同じくらいの震度の余震が続くでしょう。十分に注意しながら行動するようにしてください。

地震に備える

地震は突然襲ってくるものです。落ち着いて正しい判断ができるように、日頃から避難方法などをシミュレーションしておくことをおすすめします。携帯ラジオや懐中電灯をはじめとした防災グッズも揃えておきましょう。
また、大きな地震の後は、通常どおりの生活ができないと考えておいてください。そのため、最低でも3日分の水や食料品は常に備蓄しておく必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
最後にもう一度、ポイントをまとめておきましょう。

  • 日本で発生する地震には「プレート境界型(海溝型)」「直下型」「火山性」がある
  • プレート境界型(海溝型)地震はプレートが跳ね上がるため巨大地震になりやすい
  • 直下型地震は突き上げるような衝撃で局地的に大きな被害をもたらす
  • 火山性地震は小さな地震が多発する特徴がある
  • 自宅にいるときに地震が発生したら揺れがおさまるまで落下物から身を守る
  • エレベーターに乗っていたら最寄りの階ですぐに降りる
  • 車はキーをつけたまま道の端に止めておく
  • 大きな揺れがおさまったら余震に注意して安全な場所に避難する
  • 日頃から地震への備えを整えておく

地震の発生を避けることはできません。いつ大きな地震に見舞われてもおかしくない状態であると理解して、出来る限りの対策を行っておきましょう。