設置する前にチェック! 固定資産税の対象になるカーポートとは

家と共に作ることになるカーポート。大事な車を入れる場所として新築する人も多いものです。しかし、そのカーポートが固定資産税の対象になる可能性があります。この記事では、カーポートと固定資産税の関係についてまとめました。

1.固定資産税の対象となるもの

一戸建ての家を建てるとき、よく耳にすることになる固定資産税。そもそも、この固定資産税とはどのような税金なのでしょうか。この項目にてまとめました。

1-1.固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物などを所有している人を対象に発生する税金のことです。自分の家や土地は、各市町村が作成する固定資産課税台帳に価格が登録してあります。その価格を基準に1.4%の税率を課税しているのです。
建物の税金計算のときは「固定資産税評価額」を基準とします。国土交通省が定める土地の公的価格や家屋の時価について約70%の割合で付けられるのを知っておきましょう。
固定資産税評価額は、3年に1回は評価額を見直します。土地というのは立地や周りの環境、その土地自体の状態により価値が変動するものです。そのため、同じ大きさや広さであっても地域によるばらつきが発生します。
この「固定資産税評価額」に基づきながら標準税率の1.4%掛けたものが税金となるのです。しかし、財政状況により地域によって税率も変わることを知っておきましょう。

1-2.固定資産税の対象となるもの

固定資産税の対象となるには、以下の3点に該当するものです。

  • 屋根があり3方が壁に覆われているもの。
  • コンクリート基礎などで地面に固定してあるもの。
  • 移住・作業・貯蔵に利用できる状態のもの。

この3点を満たさない限り、固定資産税の対象とはなりません。

2.カーポートは固定資産税が掛かる?

2-1.カーポートは基本的に固定資産税に当てはまらない

カーポートを作るとき、問題になるのは「カーポートは固定資産税になるのか」という点です。
固定資産税の条件には屋根があり3方以上が覆われていることが条件となります。しかし、カーポートに屋根はあっても3方以上が囲まれていることはありません。あっても2方までかと思います。そのため、カーポートが固定資産税に該当することはないと思っておいて大丈夫です。
しかし、各自治体では実地調査をとり行っています。固定資産税にかんする課税対象がないかチェックしているのです。もし、カーポートについて現地調査の申し出があったときでも拒否しないようにしましょう。拒否やうそと取られると罰則対象となります。

2-2.固定資産税と見られるケース

カーポートは、基本的に固定資産税と見られることはありません。しかし、カーポートに側面・背面パネルを付けてしまうと固定資産税の対象となる場合があります。パネルによって3方向を囲んでいるものとみなされる可能性があるからです。
また、自治体によっては屋根だけのカーポートでも固定資産税の対象となることがあります。カーポートを設置する際は、事前に各自治体の役場に問い合わせておきましょう。

3.カーゲージで固定資産税の対象となるケース

新築の持ち家を作るとき、同時に考えたいのがカーゲージです。そのカーゲージの中でも固定資産税の対象となりやすいものがあります。そのカーゲージはガレージタイプのものです。
ガレージタイプになれば確実に3方が壁面で覆われる上、屋根もあるので建築物とみなされます。そのため、固定資産税の対象となるのです。3方の壁面さえあればシャッターの有無にかかわらず固定資産税の対象となります。

4.固定資産以外に気を付けたいこと

カーポートを付けるときは、税金の対象とならないように気を付けたいところです。しかし、税金以外にも考えたいことがあります。その点についてチェックしておきましょう。

4-1.建物の建ぺい率に気を配る

家や土地を建てるとき、税金だけでなく建ぺい率というものがあります。「建ぺい率~%」と表記してあるものです。
建ぺい率とは、土地を必要以上に隠してしまうような屋根を作らないように決められたパーセンテージのこと。
たとえば、36坪の土地に対して建ぺい率が60%と定められているとします。このとき、建物が合計21.6坪以上とならないように作る必要があるのです。せっかくカーポートを作ったとしても、この建ぺい率を越えてしまうと取り壊すことになります。

4-2.機能性をしっかり考える

カーポートを新築で作るとき、気を付けたいのが車と人の動線です。
車を格納するカーポートを作るとき、最も気を配りたいのは道路に対する出入りがしやすい点。道路へ出づらい、道路から駐車しづらい場所にカーポートを作ると意味がありません。また、外壁や門周り、玄関との位置関係もしっかり考えておかないとドライバーの視界をさえぎることになります。
さらに、カーポートと家の玄関が遠いと非常に使い勝手が悪くなるのです。家からの出入りだけでなく荷物の運搬にも困ります。

4-3.作るときの素材にも気を付ける

カーポートを作るとき、経費や税金のことばかり考えてフロアを土のままにする人がいるもの。しかし、整備していないと駐車するごとに土が削れて駐車スペースが早く劣化してしまいます。また、土のままだと雨水がたまり利便性が悪くなるのもデメリットです。
カーポートは屋根だけでなくコンクリートやレンガ石、タイルなどを敷くようにしましょう。

5.カーポートを選ぶときのポイント

屋根と柱が大部分を占めるカーポート。しかし、一口にカーポートと言っても大きさやデザイン、色、サイズなどを考慮する必要があります。そこで、カーポートを受注する前に押さえておきたいポイントについてまとめました。

5-1.柱の高さを考える

住宅や周りの環境に併せてどのようなデザインにするのか迷う方は多いでしょう。しかし、デザインに捕らわれて柱の高さを考えていない人も多いので注意が必要です。
収納する車には、さまざまな大きさがあります。そのため、カーポートもきちんと大きさを考えておかないと受注してから収納できない危険性があるのです。
また、コンクリートの駐車場ならば水はけができるように勾配が付いています。単純に車の大きさ分だけ柱を作っても勾配分高さが足りないこともあるのです。柱の高さを考えるときは、勾配と車の大きさをしっかり考慮しておきましょう。

5-2.設置場所・パネルの種類を考える

カーポートは車を置くため、多くの敷地内スペースを取ることになります。また、自分の家だけでなく近隣住民との兼ね合いも考えましょう。また、駐車する場所によっては深夜の車の出し入れでトラブルが発生することもあります。
また、自分が住む地域によってパネルの種類をしっかり選びましょう。積雪が多い地域・日差しが強い地域で同じパネルを選ぶ必要はありません。各地域にあったものを選ぶのがポイントです。
低価格で選びやすいのは「ポリカーボネート板」と言われるもの。ブラウンやブルー、クリアなど色の種類と共に熱量・明るさカットができるのも特徴です。また、手入れがしやすいため長期間使えるのでおすすめとなっています。

6.まとめ

いかがでしたか? この記事ではカーポートの固定資産税についてまとめました。
固定資産税の対象となるのは、3方が壁面に囲まれものを保存できるような建物です。そのため、カーポートは基本的に対象外となります。しかし、カーポートでもパネルが多いものや各自治体のルールによっては課税対象となるので気を付けましょう。