引っ越しの近所への挨拶のマナーは? 訪問範囲やギフトについて解説

引っ越し時は、近所に挨拶をするのがマナーです。とはいえ、挨拶のタイミングや持って行く品物はどうすべきかなど、迷うことが多いでしょう。引っ越し時にきちんと挨拶をしておくことで、近所とのトラブルを回避することができます。引っ越し時は、近所へどのような挨拶の仕方をすればいいのかを覚えておきましょう。

  1. 引っ越しの近所への挨拶はなぜ必要なのか?
  2. 引っ越しの挨拶には何を持って行くか?
  3. 引っ越しの近所へ挨拶する際に用いる言葉
  4. 引っ越しの近所への挨拶でよくある質問

この記事を読むことで、引っ越しの近所への挨拶についてよく分かります。マナーなど基本的な知識を身につけることで、引っ越し時に戸惑うことがなくなるでしょう。

1.引っ越しの近所への挨拶はなぜ必要なのか?

引っ越しの際に近所へ挨拶が必要なのには、さまざまな理由があります。挨拶をすることのメリットやタイミングなどを覚えておきましょう。

1-1.自分を知ってもらえる

引っ越しで近所に挨拶をしておけば、自分や家族のことを知ってもらうことができます。地域に関する情報やゴミ出しのルールなども教えてもらえるでしょう。災害時でも、面識があれば、助け合うことができます。

1-2.近所の人を知ることができる

挨拶回りをすることで、どんな人が近所に住んでいるのかを知ることができます。同世代の子どもがいる家庭にも出会うことができ、情報共有をすることも可能です。近所付き合いをするためには、相手がどんな人かを知っておくことが大切なポイントになります。

1-3.引っ越し作業があることを事前に知らせることができる

引っ越し作業は、車両や人の出入りがあります。事前に引っ越しの挨拶をしておけば、引っ越し作業について説明するいい機会になるでしょう。挨拶をせずに引っ越し作業をした場合、騒音などによるクレームが起きる可能性があります。引っ越しの挨拶は、近所とのトラブルを回避する目的もあるのです。

1-4.挨拶は引っ越しの前日までに終えておく

引っ越しの挨拶は、引っ越しの前日までに終えておきましょう。しかし、ギリギリになって慌てて挨拶回りをするより、引っ越しの1週間前ぐらいから挨拶に行くほうが、近所からの印象もよくなります。不在の人がいることも考慮し、ゆとりを持って挨拶回りをするようにしてください。

1-5.訪問時間帯は夕方ごろまでが目安

夕方以降は、夕食の支度などで慌ただしい家が多いものです。なるべく夕方ごろまでに訪問するようにし、早朝なども避けるようにしましょう。午前中に訪問する場合は、10時以降がおすすめです。

1-6.家族全員で挨拶に行くと顔を覚えてもらえる

大家族でない限り、家族全員で挨拶に行くことをおすすめします。子どもの顔も覚えてもらえるため、防犯対策にもつながるでしょう。家族がそろわない場合は、代表者が一人で訪問し、家族構成などを伝えておくと安心です。

1-7.挨拶をする範囲は「向こう三軒両隣」

挨拶をする範囲は、自宅に接している隣家だけではありません。裏にある家や向かいにある家を含めた「向こう三軒両隣」が基本です。なるべく広い範囲に挨拶をしておくことで、近所付き合いがスムーズに行くでしょう。

1-8.引っ越し前の挨拶は1回でいい

引っ越し前の挨拶は、1回で十分です。しかし、引っ越し作業が始まる直前に、トラックの出入りがあるなど、再度声かけをすると、より丁寧な印象を与えることができるでしょう。

1-9.一戸建てとマンションでは挨拶する先が異なる

一戸建てとマンションでは、訪問先の範囲が異なるので注意してください。マンションの場合、左右の家と上下階の家に挨拶をしましょう。また、大家さんや管理人がいる場合も、引っ越しの挨拶をしておくと安心です。

1-10.一人暮らしの女性が引っ越すときや一人暮らしの女性宅への挨拶は不要

一人暮らしの女性は、防犯などの問題もあり、引っ越しの挨拶に行くのを控えたほうがいいケースが多いものです。挨拶をしなくても、近所との付き合いが悪くなることはありません。社宅などの場合を除き、一人暮らしの女性は、引っ越しの挨拶を控えたほうが安全です。また、訪問先の範囲に一人暮らしの女性がいる場合も同じく、挨拶を控えたほうが無難でしょう。

2.引っ越しの挨拶には何を持って行くか?

引っ越しの挨拶をする際は、ちょっとしたギフトや粗品を持参したほうがいいでしょう。品物やのしについてご紹介します。

2-1.消耗品・お菓子など

持参する品物は、タオル・洗剤・入浴剤などの消耗品やお菓子がいいでしょう。あまり高価なものではなく、500〜1,000円程度のもので構いません。また、お菓子を選ぶときは、賞味期限にゆとりがあるものにしましょう。

2-2.のしに名前を入れると覚えてもらいやすい

のしは、基本的に付けなくても問題ありません。しかし、のしに名前を入れたほうが覚えてもらいやすいメリットがあります。のしを使う場合は、「御挨拶」と書かれた紅白の蝶(ちょう)結びになっている水引を使いましょう。引っ越しの挨拶では、外のしが適しています。のしのかけ方にも注意してください。

3.引っ越しの近所へ挨拶する際に用いる言葉

引っ越しの挨拶には、手紙を添えると好印象を与えることができます。挨拶に適した言葉を覚えておきましょう。

3-1.名前と引っ越し日を記入しておく

手紙には、名前と引っ越し日を記しておきましょう。マンションの場合は、部屋番号を書き添えておきます。また、子どもがいる家庭では、「足音や声などで迷惑をかけることがありますが、よろしくお願いします」と加えておきましょう。

3-2.挨拶文はシンプルなものにしよう

引っ越しの挨拶文は、以下のようなシンプルなものが好まれます。分かりやすく簡潔な文章にしましょう。

  • ○月○日に引っ越してまいりました、○○です。ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  • はじめまして。○○と申します。○号室に引っ越してまいりました。引っ越し当日はお騒がせするかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  • ○月○日に引っ越してまいりました、○○と申します。子どもがおり、物音などでご迷惑をおかけすることがあるかも知れません。どうぞよろしくお願い申し上げます。

3-3.不在の場合は手紙だけ残しておく

2〜3回足を運んでも不在が続く場合は、手紙だけ残しておきます。品物をドアノブにかけるのを嫌がる方もいるため、なるべく手紙だけにしてください。手紙で「何度か訪問しましたが、ご不在のようなので手紙にて失礼します」と添えておきましょう。 

4.引っ越しの近所への挨拶でよくある質問

引っ越しの挨拶に関する質問を集めました。近所に挨拶をする際の参考にしてください。

Q.近所へ挨拶に行ったら、どのように伝えたほうがいいのか?
A.引っ越しの挨拶は、簡単に用件を伝えましょう。名前・引っ越し日・家族の紹介などを分かりやすく、手短に伝えるのがポイントです。近所の人も、どんな人が引っ越してくるのか不安に思っています。好印象を与えるためにも、明るくハキハキとした口調で話すようにしましょう。

Q.自治会長にも引っ越しの挨拶は必要なのか?
A.自治体への加入を考えていない場合は、挨拶をする必要はありません。しかし、戸建て住宅の場合、自治会に加入するケースがあるでしょう。トラブル時は自治会へ相談する場合もあります。加入する予定がある方は、自治会長に挨拶をしておくと、受け入れてもらいやすくなるでしょう。

Q.引っ越しの挨拶に持って行く品物はなぜ消耗品がいいのか?
A.人それぞれ好みがあり、手元に残るのを嫌がる人もいるからです。消耗品なら誰にでも使ってもらうことができ、負担にならずに済みます。

Q.大家さんや管理人に渡す品物も近所と同じものでいいのか?
A.大家さんや管理人に渡す品物は、2,000円前後のものを選びましょう。近所に渡すものとは違うものが適切です。以前住んでいた地域のお菓子などが喜ばれます。

Q.引っ越しの挨拶をしなくてもいい家とは?
A.表札がない・人の気配を感じない・郵便受けがいっぱい・ゴミ屋敷など、実態がつかめない家は挨拶を控えたほうがいいでしょう。ただし、事情があって長期間留守にしている場合もあります。近所に挨拶へ行った際に、様子を聞き出す方法もおすすめです。

まとめ

引っ越し時に近所へ挨拶をするのは、トラブルなどを防ぎ、平穏な生活をスタートするためです。挨拶に行く範囲は、「向こう三軒両隣」とされています。戸建て住宅とマンションでは訪問先の範囲が異なるので注意してください。挨拶に伺う際は、消耗品などのギフトにのしを付けて持参しましょう。挨拶文などを添えると、より丁寧な印象になります。なるべく明るい時間帯に訪問し、簡潔に用件を伝えるのがポイントです。