リフォームトラブルの相談先はどこ? 原因や予防策などを詳しく解説

近年は、住宅のリフォームに関するトラブルが増えています。リフォームのトラブルに遭わないようにするためには、リフォームに関する知識を持つことが大切です。また、トラブルが起きた場合の相談先なども覚えておき、適切に対処できるようにしましょう。

本記事では、リフォームトラブルの相談についてご紹介します。

  1. リフォームによるトラブル例
  2. リフォームトラブルの相談について
  3. リフォームトラブルに遭わないための予防策
  4. リフォーム会社の選び方
  5. リフォームトラブルの相談でよくある質問

この記事を読むことで、リフォームトラブルの相談についてよく分かります。リフォームトラブルに遭わないための予防策も併せて覚えておきましょう。

1.リフォームによるトラブル例

リフォームでは、費用・工事内容・アフターフォローなどでトラブルが起こりやすくなっています。よくあるトラブルを覚えておきましょう。

1-1.費用面でのトラブル

費用面でのトラブルは、追加料金が発生したというものが最多です。トラブルの原因となっているのは、見積書できちんと工事内容と費用の内訳を確認しなかったことにあります。業者の中にはずさんな見積もりを出し、工事開始後に追加工事が必要などと主張するケースがあるため、見積もりの段階でしっかり工事内容と費用を確認しておくことが大切です。

1-2.工事内容のトラブル

工事内容でのトラブルは、依頼した内容を達成できていない・工事の成果を得られなかったなどがあります。たとえば、バリアフリー化を依頼したにもかかわらず、工事終了後に段差が残ってしまうケースもあるのです。マンションでは隣家の音が気になり、遮音工事をするケースがあります。しかし、実際に工事をすると、話し声を遮る程度で終わってしまい、期待していた成果が得られなかったという事例もあるのです。工事を依頼する前に、完成後の予想を明確にしておくことが、トラブルを防ぐポイントになります。

1-3.アフターフォローのトラブル

リフォーム後のアフターフォローはとても重要です。アフターフォローに関するトラブルは、以下のものが原因となって起こります。

  • 不具合が起きても業者が対応してくれない
  • 契約時に保証書を発行してくれなかった
  • 補修費用が自己負担

アフターフォローの有無は、契約前にしっかり確認しておきましょう。アフターフォローがない業者は、工事後の不具合を自費で修繕しなければならないなど、余計な出費が出る恐れがあります。また、アフターフォローで対応してもらえる範囲なども明確にしておきましょう。

1-4.近隣住民とのトラブル

リフォーム中は、騒音や臭気などが近隣まで届いてしまうケースがあります。塗装や建物の取り壊しなどを伴う工事の場合は養生をしっかり行い、工事前に業者からも近隣住民へ挨拶をしてもらうことが大切です。また、工事中に職人がゴミを放置している・休憩中に公道を占拠するなどの迷惑行為がないよう、職人の仕事に対する姿勢やマナーも依頼前にきちんと確認しておきましょう。工事車両の放置をしないことも大切です。

1-5.悪徳業者によるトラブル

悪徳業者によるトラブルは、年々増加傾向です。訪問営業の業者は利用しないでください。家が傾くから工事すべきと警告し、強引に工事を迫るケースがあります。他社と比較する時間をもらえず、その場で契約を急ぐのが悪徳業者の特徴です。一人暮らしの高齢者を狙うリフォーム詐欺も横行しているので注意してください。クーリングオフをしても強引に説得しようとする・トータルの金額だけ伝えて内訳を明らかにしないなど、悪徳業者によるリフォームトラブルの相談は増え続けています。良質な業者を見極めて依頼することが大切です。

2.リフォームトラブルの相談について

一般の人は建築やリフォームに関する知識が少ないため、トラブルに巻き込まれてしまうことがあります。万が一トラブルが起きた場合の相談先を覚えておきましょう。

2-1.トラブルに遭ったらどうすべきか?

リフォームに関するトラブルは、一人で抱え込まず、専門機関に相談するようにしましょう。契約前に感じた違和感・解約したい・費用が高いなど、不安に感じることはなるべく早めに解消したほうが安心です。特に、解約を希望する場合は、クーリングオフができる期限が契約時から8日以内と定められているため、早めに相談をしてください。

2-2.リフォームトラブルの相談機関

リフォームトラブルの相談機関は、国民生活センターや各自治体が設置している消費者センターで受けつけています。問い合わせ先は、住宅リフォームネットに掲載されている電話番号を参照してください。国民生活センター以外では、住宅リフォーム・紛争処理支援センター日本建築士事務所協会連合会なども、相談を受けつけています。

3.リフォームトラブルに遭わないための予防策

リフォームトラブルは、契約者本人がきちんと知識を持っておくことで防ぐことができます。トラブルを回避するための予防策を覚えておきましょう。

3-1.打ち合わせをきちんと行う

リフォームトラブルが起こるのは、認識の違いが原因となっていることが多いものです。双方の認識をきちんと確かめ合うため、打ち合わせは綿密に行いましょう。不安や疑問があれば、打ち合わせ時にしっかり確認してください。見積もりに不明な点がある場合も同様です。内訳などを教えてもらい、納得してから契約しましょう。工事に対する要望などもメモにまとめておき、打ち合わせで伝えもれがないようにしてください。

3-2.書面のやりとりをする

リフォームトラブルを防ぐためには、契約内容はすべて書面でやりとりをすることが大切です。口約束で終わらないようにし、書面に記録してください。トラブルが起きたときに書面があれば、業者はいい加減な対応ができません。リフォームトラブルでは、まれに裁判に発展するケースがあります。万が一に備え、小さなことでも書面で残るようにしましょう。

3-3.打ち合わせ内容もメモする

3-1でご紹介したとおり、打ち合わせを綿密に行うことはとても重要です。打ち合わせをした内容は、すべてメモを残しておきましょう。業者が見ている前でメモを残す行動だけでも、ずさんな工事を防ぐ意識づけができるのです。自分でも打ち合わせをした内容を忘れてしまうことがあります。メモには、日時・担当者名・内容などを残しておいてください。

3-4.リフォーム前後の写真を撮影する

リフォームは、依頼者が見えない部分を手がけることもあります。業者に依頼し、リフォーム前後の写真を撮影してもらい、比較できるようにしましょう。可能であれば、リフォーム中の写真も記録してもらってください。リフォーム中の写真を見て、違和感や不明な点があったら、すぐに専門機関へ問い合わせをしましょう。

3-5.リフォーム完了後は必ず自分の目で確認すること

リフォーム完了後は、完了検査を業者が行います。しかし、すべて業者任せにせず、自分の目でも不具合などがないかチェックしてください。納得できない箇所があれば修繕してもらい、問題がないと感じてから工事完了確認書にサインをしましょう。

4.リフォーム会社の選び方

良質なリフォーム会社はどのように選べばいいのでしょうか? 選び方のポイントや注意点などをご紹介します。

4-1.複数の業者を比較すること

手間はかかっても、複数の業者を比較することはとても重要です。業者に見積もりを依頼するときは、最低でも3社を比較するようにしましょう。見積もりを比較することで、適正価格を探ることができます。見比べることで、見積書を丁寧に作っている業者も分かるようになるでしょう。インターネットには、リフォーム会社のクチコミを掲載しているサイトがあります。利用者の声などもチェックし、安心して依頼できる業者か見極めることが大切です。

4-2.担当者の対応をよく見ること

担当者は、リフォーム会社の窓口です。担当者の様子から、リフォーム会社の体制や雰囲気も感じ取ることができるでしょう。見積もりや打ち合わせ時は、担当者の姿勢をしっかり見ておき、迅速で丁寧な対応をしてくれるかどうかをチェックしてください。対応だけでなく、書面作成なども綿密にしてくれるかなども重要なポイントです。少しでも違和感を抱いたら、リフォーム会社を変えることも考えましょう。

4-3.費用の内訳を明確にしてくれる業者を選ぶこと

見積書に費用の内訳をきちんと記載してくれる業者は、工事も丁寧に手がけてくれることが多いものです。工事内容・資材の種類・単価などを細かく記載してもらえる業者には、安心感を抱くことができます。悪徳業者の中には、大まかな見積もりで費用を算出し、工事後に追加費用を上乗せするケースがあるため、価格を明確に提示してくれる業者を利用したほうが安心です。

4-4.アフターフォローが充実していること

アフターフォローが充実している業者を選ぶことが大切です。アフターフォローの内容や範囲は、業者ごとに異なります。工事後はトラブルや不具合が起こる場合があるため、無償対応してくれる業者を選んでください。アフターフォローが充実していれば、トラブルが発生しても余計な出費を抑えることができます。

4-5.大手メーカーと地元工務店の違いとは?

大手メーカーだから安心というのは間違いです。大手メーカーから下請け業者に依頼して施工するため、中間マージンが発生し、費用が少し高く設定されているケースがあります。下請け業者の質により、仕上がりに差が出るのも特徴です。一方、地元工務店は地域に根ざした営業をしており、自社の職人が工事を手がけます。そのため、営業担当者と職人の意思疎通もしやすく、行き違いによる施工ミスなども起こりにくいのがメリットです。

5.リフォームトラブルの相談でよくある質問

リフォームトラブルに関する質問を集めました。疑問解消に役立ててください。

Q.賃貸でリフォームトラブルが起きた場合の相談窓口はどこなのか?
A.賃貸のリフォームトラブルも、近年増加傾向にあります。トラブルが起きたときは、国民生活センターに相談しましょう。退去時の原状回復や契約関連のトラブルについても、相談に乗ってもらえます。

Q.リフォーム後に体調不良を起こすのも、トラブルの1つなのか?
A.体調不良は、シックハウス症候群というリフォーム後に起こりやすいトラブルの1つです。化学物質などが影響して起こるもので、気密性が高い住宅で発生しやすくなっています。シックハウス症候群が起こりにくい塗料を使う・換気をしっかり行うなどの方法で、体調不良を予防することができるでしょう。起きてしまった場合は、自治体の保健所などに相談し、ホルムアルデヒドの測定をしてもらってください。無料で測定を受けることができます。

Q.工事開始が遅れる・工事期間が延びるなどのトラブルを防ぐ方法は?
A.工事期間に関する事項は、契約時にしっかり取り決めをしておくことが大切です。大がかりなリフォームの場合、仮住まいを用意しているケースもあります。工事期間がずれることで、仮住まいの家賃などがかさんでしまうこともあるため、工事期間が守られない場合は違約金を支払ってもらうなどの条項を定めておくと安心です。

Q.見積書の見方が分からない場合はどうしたらいいのか?
A.見積書の見方は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターに問い合わせてみましょう。見積書には専門用語や単価などの記載があり、一般の人では判別しにくい場合があります。きちんと比較検討するためにも、専門機関に相談し、疑問を解消することが大切です。

Q.リフォームトラブルが起きた場合に保証してくれる保険はないのか?
A.リフォーム瑕疵(かし)保険というものがあります。保険加入業者は、一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会の登録リフォーム事業者検索システムから検索可能です。依頼前に確認しておきましょう。依頼者が保険料を負担するケースもあります。工事中や工事後にトラブルが起きても、保険から補修費用などが出るのがメリットです。詳しくは、国土交通省のホームページを参照してください。

まとめ

住宅のリフォームは、近年トラブルが増加傾向にあります。費用・工事内容・アフターフォローに関するトラブルが多く、裁判に発展するケースもあるのです。リフォームトラブルのほとんどは、認識の違いが原因で起こります。予防策は、打ち合わせを綿密に行う・書面でやりとりをする・リフォーム前後の写真撮影をする・完了後に自分の目で確認するなどです。口約束はトラブルの元なので、打ち合わせの内容もしっかりメモを取りましょう。トラブルが起きた場合は、国民生活センター住宅リフォーム・紛争処理支援センターなどに相談してください。