管理職の指導力を向上させたい!

管理職の指導力を向上させたい! その方法や経営者にできることは?

管理職に求められるものと言えば、指導力です。部下が実力を発揮できるかどうかは、管理職の指導力にかかっているといってもいいでしょう。しかし、管理職になったものの、指導力が身につかず悩んでいる人も多いと思います。

そこで、今回は指導力を向上させる方法について解説しましょう。

  1. 指導力の重要性
  2. 経営者や管理職に求められる指導力
  3. 指導力を向上させる方法
  4. 指導力向上に対するよくある質問

この記事を読めば、指導力を向上させるコツが分かりますよ。指導力をより向上させたいという人や、指導力を改善する方法が知りたいという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.指導力の重要性

はじめに、管理職に指導力が必要な理由や、部下に与える影響について解説します。

1-1.部下のスキルアップと指導力との関係

管理職が部下を適切に指導すれば、部下の能力もアップします。特に、新入社員や中途入社の社員は、仕事について分からないこともたくさんあるはずです。新たに入ってきた人たちに仕事を覚えてもらい、なおかつ効率よく仕事を行ってもらうには、適切な指導が欠かせません。また、中堅社員を適材適所に配置するにも、管理職の指導力が問われます。

1-2.管理職の指導力が部下に与える影響

管理職の指導力が未熟だと、部下が能力を十分に発揮できません。いくら有能な人でも、仕事のやり方が分からなかったり仕事に集中できる環境がなければ、仕事の効率は落ちるでしょう。また、部下の不満もたまっていき、それが管理職と一般の社員とのコミュニケーションに悪影響を与えることもあります。その結果、ますます仕事がやりにくくなり、管理職も部下もストレスを抱えるという悪循環になりがちです。

1-3.指導力不足は管理職にも悪影響を与える

部下が管理職に評価されるように、管理職は経営者に評価されます。指導力不足によって部下が実力を発揮できずに成果が挙げられなければ、管理職の評価も下がるでしょう。すると、人によっては部下にその責任を押し付けてしまうこともあります。その結果、管理職と部下の関係が悪化しすることもあるでしょう。さらに、経営者と部下の板挟みになって過度なストレスを感じる管理職も出てきます。

指導力は仕事を効率的かつスムーズに行うために重要なんですね。
はい。指導力がない人が上司では、仕事に支障が出るでしょう。

2.経営者や管理職に求められる指導力

この項では、経営者や管理者に求められる指導力について解説しましょう。どのような指導力が必要なのでしょうか?

2-1.管理職と経営者に求められる指導力

前述したように、管理職は部下の能力を引き出し、適材適所に配置する指導力が必要です。一方、経営者は管理職や一般の社員が安心して仕事に打ちこめるように環境を整え、社員全体のやる気を引き出す指導力が必要になります。たとえば、管理職がどれだけ頑張って部下の能力を引き出しても、5人分のしごとを2人で行うのは無理です。そこで、経営者は人員を増やせば、管理職も一般の社員も余裕が出て実力を発揮しやすくなるでしょう。つまり、経営者と管理者がそれぞれ異なる指導力を発揮することで、職場の環境が整い、一般の社員1人1人が全力を出すことができるのです。

2-2.適切な指導をする難しさ

指導の方法に完全なマニュアルも、正解もありません。理想は、従業員1人1人に合わせて異なる指導をすることです。しかし、大規模な組織になるほど、きめ細かな指導をすることが難しくなるでしょう。また、一般の社員は管理職に指導されることで、指導力を身につけていきます。そのため、間違った指導方法が代々受け継がれていく可能性もあるでしょう。さらに、自分が部下だったころは最良の指導方法だったが、自分が管理職になった今は最善とはいえなくなった。しかし、ほかの指導方法が分からない、ということもあります。
一般の社員に管理職の指導が必要なように、管理職や経営者にも適切な指導力を身につけるレクチャーが必要です。

2-3.よき指導者の条件とは?

よき指導者の条件は思考の柔軟性です。ビジネスを取り巻く環境は、日に日に変化していきます。いつまでも同じ方法にこだわっていては、よき指導者とはいえません。また、厳しさと優しさを兼ね備えていることが重要です。厳しいだけの指導方法は部下から共感を得られず、部下に不満がたまっていくでしょう。優しすぎると、管理職は威厳を失ってしまいます。

指導力とは、部下の適性を判断して仕事をしやすい環境を整える能力のことなんですね。
はい。指導力を高めるためには適切なレクチャーを受けることも必要です。

3.指導力を向上させる方法

この項では、指導力を向上させる方法の一例を解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.部下からの信頼を得ることが大切

部下を指導するためには、信頼を得ることが大切です。信頼を得るためには、部下のことを理解しましょう。多くの部下を抱えている管理職や経営者にとっては難しいかもしれませんが、部下の個性を知れば最適の指導法も見つかりやすくなります。特に、部下の以下のような点に注目し、把握しておきましょう。

  • 仕事に対する取り組み方(個人で仕事をすすめる方がいいのか、グループで取り組む方がいいのかなど)
  • 得意分野・不得意分野
  • 仕事に対する熱意(仕事が最優先か、家庭生活とのバランスを大切にするのかなど)

3-2.コミュニケーションを密にし、指示は具体的にする

部下を指導する際に欠かせないのは、コミュニケーションです。しかし、管理職が一方的に部下に指示や語りかけを行い、部下がそれに「はい」か「いいえ」で答えるだけでは、コミュニケーションとはいえません。仕事で不明な点があったり、失敗したりした場合でも、速やかに上司に報告できる環境を整えることが重要です。
また、部下への指示は具体的に行いましょう。「うまくやっといて」「君ならできるだろう」では指導になりません。また、「努力すればできるはず」「根性や工夫が足りない」という精神論も、指導とはいえないでしょう。「この仕事をいつまで、どのような方法で行うこと。分からない場合はこの人に尋ねて指導を仰ぐこと、終わったらこの人に報告すること」など、部下が仕事をしやすい道筋を作ってあげることが大切です。

3-3.管理職同士が協力できる環境を作る

管理職が個別に部下を指導していても、できることには限界があります。そのため、管理者同士が指導方法について意見を交わし合ったり、ガイドラインを定めたりすることも必要です。また、管理者同士の連携がうまくいっていれば、異動で部下が変わっても、すぐに部下の特性を把握できるでしょう。

3-4.注意点

部下を叱ることは必要ですが、部下の人間性を否定するような叱り方はダメです。また、性別・年齢・外見の特徴を叱責の材料にしてもいけません。(例:君は女性(男性)だから、甘えれば許されると思っているだろう。など)今は、セクハラ・パワハラにも厳しくなっています。
また、自分ができたのだから部下にもできるはずだ、という思いこみは禁物です。自分が成長できた方法で部下が成長できるとは限らないので、いろいろな指導法を試してみましょう。

指導力を向上させる方法は複数あるんですね。
はい。状況に応じて、いろいろな方法を試してみてください。

4.指導力向上に対するよくある質問

Q.部署ごとに成績を競わせるのは、仕事のモチベーションアップになるでしょうか?
A.一定の効果は期待できますが、あまり成績重視になりすぎるとミスの隠ぺいなど悪影響も出ます。

Q.異性の部下や年上の部下は指導がしにくく、大変です。
A.確かに、同性で年下の部下に比べると異性だったり、年上だったりすると気後れしてしまうこともあるでしょう。しかし、ビジネスの場で性別や年齢に気を使いすぎてはいけません。立場を最優先し、言うべきことは言いましょう。過度に甘やかしたり遠慮したりしては、ほかの部下に示しがつきません。

Q.部下とコミュニケーションをとるには、飲み会が一番ですか?
A.確かに、飲み会はお酒も入るので会社よりも気楽に話し合えます。しかし、飲み会が苦手という人も多いでしょう。会議の席で1人1人の意見を求めたり、仕事の話し合いを少人数で行うなどコミュニケーションの取り方はたくさんあります。飲み会にこだわらないようにしましょう。

Q.指導とパワハラの区別がつきにくく、困っています。
A.パワハラというのは、立場が上の人が下の人に対して精神的・肉体的な苦痛を与える行為です。たとえば、仕事でミスをした部下に対して叱るのは、指導になります。しかし、相手の人格を否定したり、殴る蹴るなどの暴力を加えればパワハラです。

Q.部下を指導するより、すべて自分で仕事をした方が楽に思えてきました。
A.有能な人は、しばしばそう考えがちです。しかし、優秀な人が全力で1人で行うより、平凡な力を持った人が10人で行った方が仕事の能率はあがります。ですから、全部ひとりで抱え込んではいけません。必要ならば同じ立場の人に相談したりしましょう。

おわりに

今回は、管理職や経営者が指導力を上げる方法についていろいろと解説しました。指導力を向上させるには、時間がかかります。しかし、今のままでいいやと思っていると、やがて指導方法が時代にそぐわなくなってくるでしょう。新しい指導方法を身につける努力や、試行錯誤をする行動力が大切です。焦らずせかさず行っていきましょう。