冷蔵庫のカビは危険! カビの掃除方法と普段からできる予防法を紹介

冷蔵庫の中には、カビが生えることがあります。食品の腐敗や湿気などが原因です。冷蔵庫のカビを放置した場合、食中毒やアレルギーなどを引き起こすケースもあります。食品を安全に保管するためにも、こまめに冷蔵庫の掃除をするように心がけましょう。

本記事では、冷蔵庫のカビについてご紹介します。

  1. 冷蔵庫にカビが生える?
  2. 冷蔵庫にカビが生えてしまったら
  3. 冷蔵庫にカビを生やさないための予防法
  4. 冷蔵庫のカビでよくある質問

この記事を読むことで、冷蔵庫のカビについてよく分かります。冷蔵庫の定期的な掃除と併せ、カビを予防する方法も覚えておきましょう。

1.冷蔵庫にカビが生える?

冷蔵庫にカビが生える原因について考えていきましょう。

1-1.湿気

庫内は、基本的に低湿度の状態が維持されています。しかし、開閉が頻繁に行われる場合や、熱を持った食品を冷まさずに入れた場合は、湿度が上昇してカビが生えやすくなるので注意してください。庫内と庫外の温度差が激しい場合も、庫内に結露が発生してカビを誘発します。

1-2.食品についたカビ

傷んだ食品には、カビが付着しています。賞味期限をすぎたものや、長期保管しているものは警戒が必要です。カビが付着した食品を保管していると、ほかのものにも移ってしまい、カビが大量に繁殖することがあります。冷蔵庫全体にカビの臭いが充満するのも特徴です。

1-3.食品こぼれ

肉汁や魚の水分など食品こぼれを放置した場合も、カビの発生を招きます。調味料や牛乳のシミを残したまま放置するのも避けましょう。

1-4.パッキンの劣化

冷蔵庫は経年劣化によるパッキンの傷みが起こります。パッキンの劣化が起こると、扉にすき間ができてしまい、空気中に浮遊するカビ菌が冷蔵庫内に入り込んでしまうのです。冷蔵庫を長く使っている場合は、パッキンや庫内にダメージがないか確認してください。

1-5.製氷機

製氷機は常に水を貯(た)めておくため、カビが発生しやすい場所です。自動製氷機能の場合、ポンプで水を吸い上げて氷を作るため、給水タンクやフィルターにもカビが広がることがあります。氷にカビの臭いが移り、健康被害も起こるので放置するのは危険です。

2.冷蔵庫にカビが生えてしまったら

冷蔵庫にカビが生えた場合の対処法をご紹介します。

2-1.用意するもの

冷蔵庫のカビには、濃度70〜80%の消毒用アルコール・クエン酸・漂白剤・カビキラーなどのカビ取り剤・布・手袋・マスク・キッチンペーパーを用意してください。カビ取り剤とクエン酸の併用は避け、別々に使用しましょう。

2-2.対策法・手順

冷蔵庫のカビ取りを行う手順をご紹介します。以下の流れでカビ取りや掃除を進めてください。

  1. 電源をきる(安全を確保するため)
  2. 冷蔵庫の中身を取り出す(クーラーボックスに移動)
  3. 棚やドアポケットなどを取り外す
  4. 漂白剤を溶かした水を張り、棚やドアポケットを浸(ひた)す
  5. パッキンなどにカビ取り剤をつけてキッチンペーパーで覆う
  6. カビ取り剤をつけた部分を15分ほど放置する
  7. 濡(ぬ)らした布を固く絞ってカビ取り剤を拭き取る
  8. アルコールを布に取り、冷蔵庫全体を拭き取り掃除
  9. 汚れが目立つ場所は、クエン酸を吹きつけて拭き取る
  10. 庫内をよく乾かしてから中身を戻す

2-3.製氷機のお手入れ方法

製氷機には、貯水タンク・給水タンク・製氷皿があります。貯水タンク内で発生したカビが、給水タンクをとおって製氷皿まで移動するのが特徴です。カビをなくすためには、すべてのパーツを取り出して洗います。パーツを分解し、食器用洗剤で隅々まで洗いましょう。パーツの洗浄後、各パーツを元の場所に戻し、クエン酸を溶かした水をタンクにセットします。通常どおり氷を作ってください。貯水タンク内のクエン酸水がなくなったら、水道水に入れ替え、2〜3回製氷して洗浄しましょう。作った氷は捨て、きれいな水に入れ替えて作ったものを使うようにしてください。水道水に入れ替えて製氷する際は、食紅を水に添加すると、洗浄中の氷かどうかを判別しやすくなります。

2-4.マスクを着用して掃除すること

カビは、胞子が空気中に舞うため、吸い込まないように注意しなければなりません。カビ取り掃除を行うときは、マスクを必ず着用してください。また、パッキンの掃除以外は、冷蔵庫の劣化を招く塩素系漂白剤の使用を避け、酸素系漂白剤を使うことをおすすめします。

3.冷蔵庫にカビを生やさないための予防法

冷蔵庫のカビは、普段の使い方を見直すだけで、予防することができます。具体的な予防方法を覚えておきましょう。

3-1.汚れはすぐに拭き取る

食べものや調味料などの汚れは、放置せずにすぐ拭き取ることが大切です。特に、肉汁や魚の水分は、カビが生えるだけでなく悪臭を放つことがあります。こびりつく前に、クエン酸水や濃度70〜80%の消毒用アルコールでしっかり拭き取ってください。

3-2.透明カーテンを使用する

庫内に暖かい空気が入り込むと、結露でカビが生えることがあります。温度上昇を食い止めるため、開閉にはなるべく時間をかけないことがポイントです。透明カーテンを扉の内側に設置し、外気の侵入を防ぐ方法も効果があるでしょう。ただし、透明カーテンに汚れがつく場合があります。きちんとお手入れをし、透明カーテンにもカビが生えないように注意してください。

3-3.掃除の頻度

冷蔵庫内の汚れは、付着したらすぐ取り除くことが大切です。また、食品の見直しは週1回程度行い、賞味期限や保管状態をチェックしましょう。棚やドアポケットなどを取り外す大がかりな掃除は、3か月に1回が目安です。冷蔵庫・冷凍庫・野菜室・製氷機など、すべて電源を抜いた状態で掃除してください。

3-4.汚れ防止シートはこまめに交換すること

棚などに汚れ防止のシートを使っている場合は、使いっぱなしにせず、こまめに新しいものに交換しましょう。また、温かい食品を保管するときは冷ましてからしまうようにし、庫内の温度が上がらないように工夫することも大切です。

4.冷蔵庫のカビでよくある質問

冷蔵庫のカビに関する質問を集めました。掃除やカビ予防に役立ててください。

Q.製氷機のフィルターにカビが生えてしまった場合はどうすべきか?
A.フィルターのカビは、完全に落とすことができません。フィルターは単品購入ができるので、新しいものに交換したほうがいいでしょう。

Q.パッキンにカビ取り剤を使うと垂れてしまう場合はどうすればいいのか?
A.カビキラーなどの液体だと、キッチンペーパーで覆っても垂れてしまう場合があります。ジェルタイプのパッキン専用カビ取り剤も市販されているので、活用してみてください。

Q.クエン酸にはどのような効果があるのか?
A.クエン酸は汚れを分解して落とす効果があり、消臭や除菌効果も期待できます。クエン酸は酸性で、食品汚れなどアルカリ性の汚れを中和して落とすのが特徴です。

Q.野菜クズもカビの原因になるのか?
A.はい、なります。野菜に付着した土にもカビの胞子がついているため、きれいに洗ってから保管しましょう。野菜を保管するときは、新聞紙に包む方法がおすすめです。野菜クズがこぼれにくくなります。野菜は、ビニールに包むと水分が溜(た)まり、結露によってカビが生えやすくなるので注意してください。

Q.食品の詰め込みすぎも、カビの発生を招くのか?
A.食品をぎゅうぎゅうに詰め込んでいる場合、中身をきちんと管理できないため、カビが発生しやすい環境になってしまうのです。冷蔵庫はゆとりある環境を意識し、定期的に食品の点検をしましょう。

まとめ

冷蔵庫は、食品の腐敗や湿気などによって、カビが生えることがあります。食品こぼれはすぐに拭き取り、カビのエサを残さないことが大切です。また、パッキンの劣化が起こると、空気中に浮遊するカビの胞子が庫内に入り込みやすくなります。冷蔵庫の掃除は3か月に1回が目安です。中身を取り出し、消毒用アルコールやクエン酸などで除菌してください。普段から汚れはすぐ拭き取る・透明カーテンを利用して庫内の温度上昇を抑えるなどの予防法も取り入れ、カビが生えにくい環境を作ることも重要です。