エクステリアのひとつとして、門や門扉を作る際の注意点とは?

エクステリアのひとつである門や門扉は、外構設備の中でも目立つ存在です。
門扉があるかないか、またどんな形や素材にするかによって家の印象は大きく変わってくるでしょう。
そこで、今回は門扉の種類や素材、さらに設置する際の注意点などをご紹介します。
門扉をつけると敷地の中と外の境目がよりはっきりとして、防犯にも効果的です。
しかし、家族の状況によっては「つけない方がよかった」と思ってしまうこともあるでしょう。
これから門扉つきの外構を作りたいと考えている人は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

1.門扉とは?

まず始めに、門扉のことについていろいろとご説明します。
門扉の役割やスタイル、素材などをご紹介していきましょう。

1-1.門扉の効果と役割とは?

門扉は、敷地の内と外とをつなぐ出入り口のことです。
しかし、単に敷地の出入り口というだけでなく、門扉があるのとないのとでは家の印象はまるで異なります。
敷地の外と中の区別がよりはっきりつくので、門扉があると安心するという方も多いです。
また、門扉は防犯面でも効果があるでしょう。
いきなり玄関前に立てる造りよりも、たとえ背は低くても門扉があるだけで心理的にも足止め効果があります。
ですから、不審者だけでなくセールスマンや勧誘をする人なども入ってきにくくなるでしょう。

1-2.門扉のスタイルとは?

門扉には、

  • 左右対称の扉がある両開き
  • 扉がひとつだけついた片開き
  • 両方の扉の大きさが異なる親子扉

などがあります。
また、車の出し入れがしやすいように開口部を大きくとってある家の場合は、蛇腹式門扉やシャッターなどを取りつけるケースもあるでしょう。
高さも100センチ~180センチまでと幅があります。
いろいろなスタイルの門扉を見て、自分の家に合ったものを選びましょう。

1-3.門扉の素材とは?

門扉の素材には、

  • アルミ形材
  • アルミ鋳物
  • 木製
  • 樹脂製

などがあります。
最もポピュラーなものはアルミ形材です。
これは腐食やサビにも強く、デザインも豊富。
また、アルミ鋳物は一見すると鉄のようで高級感があります。
木製の門扉は高級感があり、純和風の家によく合うでしょう。
このように、家とのバランスや扱いやすさを考えて門扉の素材を選ぶとよいですね。
なお、鉄は素朴なぬくもりと重量感があり、ヨーロピアンタイプの住宅によく合いますが、海の近くなど立地によってはさびやすくもあります。
さらに、防犯のために重厚感のある門扉を作ると、開け閉めがしにくくなるかもしれません。
「××のために門扉を作る」と思いこんでしまうと失敗しやすくなります。
気をつけましょう。

2.門扉はどんなスタイルの外構につけられるの?

門扉はクローズ外構とセミオープン外構の一部として作られます。
クローズ外構とは、敷地を塀や樹木などでぐるりと囲んだスタイルの外構です。
セミオープン外構とは、敷地の境界線上の一部に塀や垣根などを作るスタイルの外構のこと。
セミオープン外構の門扉は、すきまを多くとった開放的なものが多いでしょう。
逆に、クローズ外構につける門扉は、すきまの少ないしっかりとした作りのものから開放的なものまで、幅広いスタイルのものがあります。

3.門扉を作る前に確認しておくこととは?

では、門扉を作る前に確認しておくことはあるのでしょうか?
この項では、門扉の形や素材を選ぶ際の注意点をご紹介しましょう。

3-1.家族の状況を考える

門扉は家族全員が使います。
ですから、子どもやお年寄りがいるご家庭は重い門扉は使いにくいでしょう。
子どもはやがて大きくなりますが、お年寄りは年月がたてば足腰が弱って車いす生活になるかもしれません。
そんな場合も、軽い門扉の方が使いやすいです。
さらに、自転車やベビーカーなどが門扉を通る場合はできるだけ広く開くタイプを選びましょう。
門扉というと敷地内に開く内開きが多いですが、最近は引き戸タイプのものもあります。
門扉の幅が狭い場合は、引き戸タイプの方が開口部を大きくとれる場合もあるのです。

3-2.周りの家とのバランスを考える

隣の家との距離がある程度ある住宅街の場合は、いろいろな外構スタイルの家が立ち並んでいても、それほど気になりません。
しかし、都市部の住宅密集地などでは、あまり周りとスタイルの異なる門扉を作ってしまうと悪い意味で目立つでしょう。
特に、周りが開放的な門扉ばかりなのに1軒だけ高さがあってすきまのない門扉を作ってしまうと、排他的な印象を持たれる可能性もあるのです。
周りの家と全く同じ門扉にする必要はありませんが、スタイルは合わせた方がよいでしょう。

3-3.気候や立地も考える

門扉は外に作るものですから、どのような素材であれ防サビや防腐、防水加工がしてあります。
しかし、前述したように海が近ければ潮風で鉄製品はさびやすいです。
また、雨が多い地域だと木製の門扉はいたむのが早いかもしれません。
このように、気候に合った素材で門扉を作ることも大切です。

4.門扉を作る際に注意することとは?

門扉は外構の一部です。
しかも、家の顔ともいえる玄関の前に作るため、とても目立つでしょう。
ですから、エクステリアにこだわって家を建てる人は、門扉の形や素材にもこだわりがあると思います。
しかし、家の立地条件によってはすてきなデザインだけれど、使いにくくなる門扉もあるでしょう。
ですが、業者は顧客が、「ぜひこのような門扉を作ってくれ」と依頼されれば断れません
ですから、門扉を作る場合はまず「こんな門扉を作りたいのだけれど」と業者にイメージを伝えると、アドバイスを引きだしやすいでしょう。
そのうえで、希望する門扉の素材や形を伝えてメリット・デメリットを聞いてください。
また、業者によって得意なデザインと不得意なデザインがあります。
最近はホームページ上で施工例を公開している業者も増えていますので、まずは施工例を見て理想の門扉に近い形のものをたくさん作っている業者を選びましょう。
なお、注文住宅を造る際は工務店が外構施工業者を紹介してくれます。
しかし、依頼したい業者がある場合は断っても構いません。
家ができあがってから外構を造りますので、「業者を断った結果、工務店としこりができてしまった」ということにはなりにくいです。
安心してください。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、外構のひとつである門扉についていろいろとご紹介しました。
まとめると

  • 門扉は、家の内と外を分ける役割を持ち防犯にも効果的である
  • 門扉をつける場合は、オープン外構かセミオープン外構にする
  • 家族の状況を考え、子どもやお年寄りがいる場合は、重すぎる門扉にしない
  • 開口部が小さすぎるとベビーカーや自転車などをいれにくいので注意する
  • 周りの家とある程度スタイルを合わせることも大切

ということです。
門扉を作る際は、門扉と玄関までの距離も考慮するとよいでしょう。
玄関と門扉の間に距離がある場合は、ある程度高さのある門扉を作っても大丈夫です。
しかし、玄関のすぐ前に門扉が来るような場合は、100センチ程度の門扉がよいでしょう。
あまり玄関のすぐ前に高すぎる門扉を作ると圧迫感があります。
たとえ100センチでも、「そこに門がある」と認識すれば、人は入りにくくなるでしょう。
低いから防犯効果がないと思うのは間違いです。
また、門扉が汚れていると家の印象まで悪くなります。
掃除しやすい門扉を選ぶことも大切です。