ペットボトルをリサイクルすると何になる? リサイクルの利点と課題

私たちが生活する上で日常的に使われるようになっているペットボトル。飲み物を保存するのに適切な硬さで持ち運ぶのに便利な入れ物です。しかし、ペットボトルは処分したくても簡単に処分することができず、勝手に捨ててしまうと環境に大きな影響をあたえてしまいます。

この記事では、ペットボトルのリサイクル方と何になるのかまとめました。

1.リサイクルの必要性

1-1.ペットボトルとは

ペットボトルは現代では手放せない物質のひとつではないでしょうか。手軽に購入することができる上に、持ち運びにも不便しない便利なものです。しかし、便利なペットボトルも処分が難しいというデメリットがあります。ペットボトルは基本的に使い捨てのため大量生産されて大量消費されるのが現状です。そのため、毎年大量のごみとしてペットボトルが生み出されています。こうしたごみとなってしまうペットボトルを有効活用するためリサイクルが促されているのです。

1-2.ペットボトルにおける3R

3Rとはごみとなる物質をリデュース(ごみ自体を減らす)・リユース(再利用)・リサイクル(再資源化)して資源を有効活用しようとする考え方のこと。ペットボトルもこの考えに基づいてリサイクルが促されています。

1-3.リサイクルの現状

日本ではペットボトルの全体量を減らそうとするリデュース活動は積極的に行われているようです。生産数から見てもペットボトルの重さ自体を32グラムから12グラムに減らすことでごみの量を減らしています。

しかし、リサイクルは回収したペットボトルを再加工するコスト等の問題が解消されずになかなか進んでいないのが現状です。また、リユースとしても日本ではペットボトルを再度利用する運動は少ないといえます。日本で活発に再利用されているのはガラス瓶だけとなっているのが現状です。

2.リサイクルのエトセトラ

ペットボトルには主に2つのリサイクル方法があります。この項目では、2つのリサイクル方法をご紹介しましょう。

2-1.マテリアルリサイクル

マテリアルリサイクルとは回収したペットボトルを粉砕して再資源化し、ペットボトルとは別の物質に組み替えることです。使用済みのペットボトルを細かく砕いた物質を使いながら別の製品を作りだすリサイクル方となります。リサイクルできるペットボトルにはリサイクルマークが付いていますので積極的にリサイクルへ回しましょう。

2-2.ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとはペットボトルを物質ではなく油・原料などのエネルギー物質へと変換する方法です。ペットボトルもPET原料に戻したあとで、再びペットボトルを作ることがあります。石油から作られるものと同じ原料がケミカルサイクルでも得られるのです。そのため、リサイクル後でも高品質のペットボトルを作りだすことができます。

3.ペットボトルは何になる?

ペットボトルにリサイクル方法があれば、ペットボトル以外の製品にも生まれ変わるのです。この項目で、どういった商品に生まれ変わるか確認しておきましょう。

3-1.シート系

ペットボトルはプラスチック用品の一種であるためプラスチック用品に生まれ変わることができます。

  • 卵パック
  • 食品用の仕切り
  • 商品パッケージ
  • クリアファイル

ペットボトルは生活の中で必需品となっているものに再利用されているのです。

3-2.繊維

ペットボトルを粉砕したフレークは衣服などの繊維材料として使われることがあります。車の内装を覆うカバー・スーツなど用途はさまざまです。

  • トートバッグ
  • ランドセル
  • ふろしき
  • マット

車やスーツ以外にも以上のような使用方法があります。

3-3.ボトル

ペットボトルをそのまま使用するのではなく、ペットボトルをいちど分解してから新たなボトルとして使うことがあるのです。洗剤用・飲料用ボトルなどを中心にプラスチック製品ボトルとして再利用されています。

3-4.成形品として

ペットボトルを別のプラスチック製品として再加工することがあるのです。空き缶・回収ボックスや排水用のフタに加工されることがあります。また、ボールペン・バスケットなどに再利用されているのです。

4.エコキャップとは

最近、ペットボトルを捨てるとき本体とキャップを別々にして捨てる場所が多いかと思います。いちいち分けるのが面倒だと思い方もいるかと思いますが、分けるのには意味があるのです。この項目では、そんなキャップに関する情報をご紹介ます。

4-1.エコキャップ運動とは

エコキャップ運動は途上国の子どもたちへの援助として始まった運動です。途上国ではワクチン不足が深刻な問題となっています。ワクチンは幼児期に受けることでポリオ・はしかなど6大感染症から守ることができるのです。世界中の子どもたちがワクチンを受けることができることと、エコ活動を兼ねて行われているのがエコキャップ運動となります。

4-2.なぜキャップ?

ペットボトルのキャップは子どもから大人まで簡単に手に入れることができる身近な商品。そのため、広く集めやすいことが利点のひとつです。また、材質が同じものであるためリサイクルしやすいのもポイント。

4-3.キャップの再利用

ペットボトルのキャップはプラスチック用品です。そのため、基本的にはペットボトルと同じ形でプラスチック用品へと再利用できます。その再利用の過程で生まれた資金を途上国への支援金としているのです。

4-4.キャップの回収

ペットボトルの回収はスーパーなどに置いてある回収ボックスに入れるだけで大丈夫。そのとき、きちんと洗浄することと指定されたキャップだけを入れるようにしましょう。分けらていないのであればエコ活動になりません。

5.リサイクルの課題

現代で増え続けるごみ減量のためリサイクルをして再資源化に勤めるのは重要な課題となっています。しかし、リサイクルを行う上でまだまだ課題があるのも事実です。この項目で、どのような問題があるのか確認しておきましょう。

5-1.リサイクル業者への負担

プラスチックの値段高騰やリサイクル事業のコスト負担があるため簡単にリサイクルできないのが現状です。リサイクルはペットボトルが市場へと循環していることが前提となっているため、リサイクル事業はペットボトル量に左右されてしまいます。また、ペットボトルを作る原料が高騰するだけでリサイクル循環が悪くなってしまうのです。

5-2.ペットボトルのリユース率

ペットボトルは何度も使うことができるのが利点のひとつ。海外では同じペットボトルを積極的に再利用しています。しかし、日本では瓶だけです。同じペットボトルを再利用するためには日本の厳しい安全・衛星面をクリアすることが求められます。ペットボトルのリユース率が上がればコスト面からのメリットも考えられるようになるのです。

6.まとめ

いかがでしたか? この記事ではペットボトルのリサイクルに関する情報をお届けしました。さいごに、ペットボトルの情報に関してまとめておきましょう。

  • ペットボトルは再利用しやすい資源である。
  • 再利用されて繊維・シートなどさまざまなものになる。
  • ペットボトルとは別にキャップでの再利用もできる。
  • リサイクルをするにもさまざまな課題が残されている。

多くの人に使われているペットボトル。便利なのですがデメリットを抱えているのも事実です。使用するのと同時に処分方法もしっかり確認しておきましょう。