中古住宅購入の際に知っておくべきポイントとは?注意点を徹底解説!

近年、住宅(マイホーム)購入の際の新しい選択肢として、中古住宅を選ぶ人が増えています。イギリスやドイツなどの欧米では、中古住宅を選択する人の割合が日本の倍以上になっており、その流れは今後の日本でも広がっていくことが確実視されているのです。
しかし、市場が広がれば問題点が顕在化していくことも当然あります。
住宅購入は、人生を左右する非常に重要な問題です。

今回は、そんな中古住宅購入時の注意点や、購入する際のポイントをお伝えしていこうと思います。

1.中古住宅のメリット・デメリットとは?

中古住宅に関して一番気になるのが、新規住宅と比べてのメリットとデメリットではないでしょうか?

まずは、中古住宅を選ぶことによるメリットとデメリットを分かりやすく見ていきましょう!

1-1.中古住宅のメリット

価格が安い

中古物件の一番のメリットは、何といっても価格が安いことにあります。
新規の注文住宅や建売住宅の平均価格と比べ、約1000~1500万円程度安くなっています。

これは当然、立地や築年数、家屋の状態によっても前後はしますが、ほぼ同じ条件ならばリフォームをしたとしても安いことがほとんどです。

中には、数百万円規模の物件もあるので、自分の生活スタイルや環境に見合った物件選びと価格は大きな強みとなります。

実物が見られる

新築の注文住宅では、イメージ写真や図面でしか判断することができません。建売の場合でも、新興住宅地などの開発の際に売りに出されることが多く、周囲の状態を含めた実際の生活環境がイメージし辛いのです。

しかし、中古住宅であれば実物を見ることができるので、住んだときのライフスタイルがイメージしやすく、「実際に住んでみるとイメージしてたのと違った!」という失敗を避けることができます。

床面積が広い

中古物件には、3LDKや4LDKなど、広い床面積を持つ物件が多いのが特徴となっています。

というのも、大家族が一般的だった世帯人数が多い時代に建てられているため、ゆとりのある設計になっている傾向があるようです。

その分内装も古めかしい場合もありますが、うまくリフォームすれば広々空間でモダンなリノベーションができるでしょう。

すぐに住める

基礎から作り上げる新築住宅とは違い、中古住宅はすぐに住めることがメリットです。
規模にもよりますが、リフォームの期間は長くても1~2ヶ月程度ですし、リフォームしない場合なら即入居可な場合もあります。

仮住まいなどの費用や手間も考えると、中古住宅は見た目以上にコストや労力の削減になるでしょう。

1-2.中古住宅のデメリット

上記のように、中古住宅は魅力的なメリットが多いのですが、デメリットももちろんあります。

傷や汚れがある

前オーナーの住み方にも当然関わってきますが、いくら大事に住んでいたとしても、まったくの無傷の場合はほぼありません。
傷・汚れ・老朽化などは中古住宅には付き物です。それは覚悟しておく必要があるでしょう。

メンテナンス費用が必要な場合がある

中古住宅は、築年数が経過していることがほとんどなので、耐震性への不安や見えない部分の老朽化といった思わぬメンテナンスや修繕が必要になることもあります。

しかも、こういった老朽化などは前オーナーさえも認知していなかったことが多く、この部分は中古住宅のトラブルの中でも深刻な争いになってしまうことも珍しくありません。

設計の自由がない

すでに建てられている物件なので、設計の自由はありません。
ある程度はリフォームでも変更はできますが、あまりに大がかりになると費用もかさみますし、基礎などの部分はどうにもなりません。

建て替えやリフォームができない場合がある

建物が建てられた当初は基準に見合っていたものであっても、法律の改正や自治体の条例が追加されたりなどで建て替えやリフォームができない場合もあります。

とくに、築年数が古くなればなるほど、今の基準に見合わない設計もありますので、その点は確認が必要になってくるのです。

これらのメリットとデメリットをよく理解した上で、購入をきめましょう!

2.中古住宅を購入する際の流れ

では、中古住宅を購入するためにはどのように行えばいいのでしょうか?
ここからは大まかに、購入までの流れを見ていきましょう。

2-1.建物の下見

まずは、物件を実際に目で見ることが非常に大切です。
実際に目で見て、雰囲気、明るさ、空気を感じ取って、自分に合う場所を選びましょう。

このとき注意したいのは、1つの物件にこだわらないことです。
自分の条件に見合った物件をいくつもリストアップしてもらい、できる範囲でたくさんの物件を見て廻りましょう!

比較してリサーチすることで、本当に自分に合った物件に巡り合う可能性が高くなります。

2-2.購入相談を綿密にする

購入する物件の目途がついたら、次に不動産業者との購入相談です。
価格交渉、ローン(支払い)に関しての取決め、契約内容の確認などを相談して見積もりを出していきます。

ここは購入に際して最も大事な部分なので、面倒臭がらずに自分の要望や不安点をしっかり担当者の方に伝えるようにしてください。

2-3.各種契約や審査の締結

妥協せず、納得できる形になれば契約をしていきましょう。
ローンを組む場合はローン会社の審査が入り、その他の契約作業をしていきます。

ここでの注意点も、契約内容にしっかりと目を通すことです。
特に、万一の際の保証などはしっかり確認しましょう。

2-4.リフォーム開始

リフォームをする場合は、この段階で開始することになります。

不動産業者にリフォーム業者を紹介されることもあるでしょうし、自分で業者を選んでもいいですが、日程など、リフォーム業者と不動産業者との兼ね合いもあるので、このあたりの調整も確認を怠らずに。

ここまで終わってようやく入居となります。
これはあくまでざっくりと解説したので、詳しくは不動産業者などに事前に確認してくださいね!

3.失敗しない住宅購入のポイント

上記で、建物を下見しておくことが大切だとお伝えしましたが、どんな部分に着目すれば失敗が少ないのか?
それをお伝えしていきます。

3-1.快適性(明るさ・風通し)はどうか

明るさや風通しなどは大切です。

  • 日が当たるのか
  • 風は通るのか
  • じめじめしていないか

そういった面を「実際に住んだらどうだろう?」という観点からしっかり見ていきましょう。

3-2.破損やひび割れなどはないか

基礎のコンクリート部分にひび割れ(クラック)はないか、

  • 屋根部分に破損はないか
  • 雨漏りはしないか
  • 防犯性に問題はないか
  • シロアリやカビは発生していないか

といった点をチェックしていきましょう。

また、外部だけでなく天井裏や床下の湿気、建物に傾きはないかなど、素人目でもある程度チェックできる点はたくさんあります。

3-3.周辺環境の確認

意外に盲点なのが周辺環境の確認です。
実際にその家に住むわけですから、周辺の環境(騒音や治安、立地)こそが大事になってきます。

近くに工場などがあると、空気や騒音に問題があったりしますし、立地によっては土砂災害や地盤などが危険な場所もあるでしょう。

特に重要視しておきたいのが、昼と夜の環境の変化になります。
ここを見る人はあまりいないのですが、昼は静かで穏やかだった場所が、夜になると明かりも人通りもなく、治安に不安が出てくる場合もあります。

中古住宅というのは、あらゆる理由が考えられるとはいえ、一度は手放されたものです。
そこには、思わぬ盲点があったりするので、億劫にならず慎重に確認していくことが大切になってきます。

4.購入時に注意すべきこと

4-1.家歴書があるか

家歴書とは、その家の修復やメンテナンスの履歴のことです。
売主がちゃんと残しているのであれば、それを確認することで次のメンテナンスなどの指標になります。

また、事前にそれを確認しておけば、想定外のメンテナンスなどを避けることができるでしょう。

4-2.設計図書があるか

要するに、その家の設計図のことです。
これがあるかないかで、特にリフォームの際などに見積もりを取りやすく、円滑に事を運べます。

設計図無しに見積もりを出して実際に施行すると、思わぬところで問題が出てきて余計な出費になることもあるので、この設計図書の有無は重要なポイントでしょう。

4-3.損害賠償などの取り決め

中古物件は、新築に比べて家主や仲介の不動産業者の責任が薄いのが実情です。
想定外の問題が起こったとき、責任の所在がうやむやになり、思わぬ損害を被ることも考えられます。

中には悪質な業者も存在しますので、欠陥住宅を掴まされないよう、損害賠償の取り決めも正式な書面で行ってください。

4-4.売主の権利抹消に関して

売買契約が成立したら、売主の権利(抵当権など)が抹消されているかも確認しておきます。
権利関係が正式に済んでいないと、何かあったときに確実に揉めることになるからです。

売主の、その家に関する権利が抹消されているか、ここを確認すれば、後々面倒な争いにならずに済みます。

終わりに…

今回は、中古住宅の購入に関する注意点と、それを確認するためのポイントを簡潔にお伝えしました。

住宅契約は非常に複雑な作業が多数ありますので、不動産業者や売主、リフォーム業者との打ち合わせや契約関係などをうやむやにせず、しっかりと確認していきましょう。

また、素人で細部まで目利きできない点もあるので、その場合は「住宅診断士(ホームインスペクター)」に診断してもらうことも大事です。

住宅診断のプロに目利きしてもらうことで、中古住宅購入のリスクを減らすことができますので、ぜひお考えください。

これまで解説してきたポイントを踏まえ、快適な中古住宅ライフを楽しんでくださいね!