特殊詐欺の手口や防ぐ対策方法などを解説! 巻き込まれそうなときの対処法も

次から次へとさまざまな手口が登場しては被害に遭う機会が増えている詐欺。「どんな手口があるのか」「特殊詐欺の傾向は?」など、気になっている方は多いでしょう。詐欺被害に遭わないためには、どんな詐欺があるのか情報を得ることが大切なポイントです。

そこで本記事では、特殊詐欺の手口や狙われる人の特徴などを解説します。

  1. 特殊詐欺の手口は?
  2. 特殊詐欺で狙われる人はどんな人?
  3. 特殊詐欺を防ぐ対策方法
  4. 特殊詐欺に遭ってしまったときの対処法
  5. 特殊詐欺に関してよくある質問

この記事を読むことで、特殊詐欺の特徴や対処法などが分かります。気になっている方はぜひ参考にしてください。

1.特殊詐欺の手口は?

まずは、特殊詐欺の手口をチェックしておきましょう。

1-1.よくあるのは「オレオレ詐欺」

特殊詐欺の中でもよくニュースで聞くのが「オレオレ詐欺」です。名前を聞いたことがある人は多いでしょう。オレオレ詐欺は親族を装うなどして電話をかけ、交通事故などさまざまな名目で現金が至急必要であるかのように信じ込ませ、預貯金口座に現金を振り込ませる手口です。ニュースでよくあるのは、息子や孫など親族になりすます手口となります。「会社のお金を使い込んだのがバレてしまった」「借金の返済に追われている」など適当な理由を伝え、今すぐお金が必要だという展開に持ち込む点が特徴です。

1-2.見に覚えのない料金を請求される「架空請求詐欺」

架空請求詐欺は、架空の事実を口実に金品を請求する文書を送付し、指定した預貯金口座に現金を振り込ませる手口による詐欺です。最近では、「インターネットサイト利用料金が未納です」「有料サイトに登録されました」というメールが一方的に送られ、すぐにお金を支払うように要求する手口が増えています。身に覚えがない内容でも、「連絡がない場合は裁判になる」「延滞料金は毎日加算されていく」などの文句で支払わなければならないという気持ちへと導くのが特徴です。

1-3.簡単に融資が受けられる「融資保証金詐欺」

融資を受けるための保証金という名目で預貯金口座に現金を振り込ませる手口が、融資保証金詐欺です。誰でも簡単に融資が受けられる・審査も簡単・担保不要など、簡単に融資が受けられるような文言で誘う傾向があります。「簡単な手続きですぐにでも融資が受けられる」と書かれたダイレクトメールやハガキなどを送り、契約を交わした後になって「○○万年を保証金として支払ってください」と高額な金額を請求する手口です。中には、災害の影響で経営困難な会社を救済するように偽り、融資を持ちかけてくるものもありました。

1-4.市区町村の職員等を装う「還付金等詐欺」

還付金詐欺は、市区町村の職員等を装って税金・保険料の還付や年金の未払い金と、還付の手続きのためにお金を振り込ませる手口です。還付金等詐欺の大きなポイントは、自治体・税務署・年金事務所などの役員を名乗ることでしょう。そのため、被害者は本物だと信じ込み、お金を支払うこと自体に疑問を抱かなくなります。

2.特殊詐欺で狙われる人はどんな人?

それでは、特殊詐欺で狙われる人は一体どんな人なのでしょうか。

2-1.高齢者が最も狙われやすい

最も狙われやすいのは高齢者です。警察庁が調べた特殊詐欺の年齢別・性別データを見ると、被害に遭った人の80%が60代以上でした。高齢者は家にいることが多く、判断能力も劣る傾向があります。特に、家族と離れて暮らしている1人暮らしの高齢者が狙われやすいといえるでしょう。相談相手が近くにいないため、1人で判断してしまい特殊詐欺に遭ってしまう恐れがあります。性別でいうと、男性よりも女性のほうが狙われやすい傾向があるので要注意です。

2-2.騙(だま)されやすい人の共通点

女性の高齢者ほど狙われやすい傾向がありますが、騙されやすい人にも共通点があります。以下の項目に当てはまる人は、特殊詐欺に騙されやすい傾向があるので注意してください。

  • お人好(よ)し
  • 孤独で物事を自己完結してしまう
  • 専業主婦
  • 過去に騙されたことがある

逆に、特殊詐欺に騙されない人は、詐欺師からの言葉を完全に無視したり、謳(うた)い文句に左右されなかったり、詐欺の手口についてしっかりと情報を得ている共通点があります。

3.特殊詐欺を防ぐ対策方法

ここでは、特殊詐欺を防ぐ対策方法について解説します。

3-1.自分だけは大丈夫という思い込みを捨てる

「自分は絶対に騙されない、大丈夫」と思い込んでいる人ほど特殊詐欺に遭う傾向があります。騙されないだろうと思っているからこそ、騙されていても自分で気づくことができません。思い込みは慢心していることになるため、真剣に詐欺対策について考えることもできないでしょう。特殊詐欺の手口は年々巧妙になっているので、自分だけは大丈夫という思い込みを捨て、詐欺対策についてしっかりと考えることが1番の対策といえます。

3-2.知らない番号からの電話には絶対に出ない

基本的に、知らない番号からの電話には絶対に出ないでください。知らない番号からの電話にでなければ、騙されようがないので特殊詐欺の被害を防ぐことができます。ナンバーディスプレイで電話番号が確認できる電話番号表示サービスを契約し、電話に出る前に相手を確認するといいでしょう。ただし、重要な要件だったらと思うと無視するのは難しいので、留守番電話に設定おくと安心です。詐欺犯は自分の声が残ることを嫌うため、「録音します」と告げる留守番電話に設定しておけば、相手への警告になるので有効といえるでしょう。

3-3.気になったときは家族や警察に相談する

電話に出てしまったり、電話の要件が気になったりしたときは、すぐに家族や警察に相談することをおすすめします。身内を装った電話なら、本当にその相手かどうか電話をかけて確認するといいでしょう。また、余裕があるなら騙されたフリをして、警察に通報することも可能です。電話がかかってきているときは犯人を捕まえる機会にもなるため、覚えておくことで被害の拡大を防ぐきっかけにもなります。

3-4.詐欺でよく使われる口実を把握する

特殊詐欺でよく使われる口実を把握するのも対策の1つです。よく使われる口実は以下のとおりとなります。

  • スマホをなくして電話番号が変わった
  • 会社の電話からかけている
  • 小切手が入ったカバンを落とした
  • 会社のお金を使い込んだ
  • 誰にもいわないでほしい
  • すぐにお金がいる
  • 還付金が受け取れる(年金未払い分、医療費など)
  • キャッシュカードを預かる
  • 宅配便でお金を送って

以上の傾向があれば、詐欺だと疑ったほうがいいでしょう。たとえ、身内の名前を出されたり、市区町村の職員等を名乗ったりしたとしても疑う気持ちを持ってください。

4.特殊詐欺に遭ってしまったときの対処法

ここでは、詐欺に巻き込まれそうになったとき、詐欺被害に遭ってしまったときの対処法を解説します。

4-1.巻き込まれそうなときはすぐ誰かに相談する

特殊詐欺を未然に防ぐポイントでもありますが、特殊詐欺に巻き込まれそうになったときは、すぐ誰かに相談することが大切です。特殊詐欺を完全に防ぐことができなくとも、最悪な事態にならないよう防ぐことはできます。実際に、起きた出来事をすぐ身近な人に相談する人は騙されくい傾向があるため、信頼できる家族に相談してください。相談できる身内がいない場合は、自治体に相談したり、消費者生活センターにどうすればいいのか尋ねたりしましょう。

4-2.警察に通報し、金融機関に連絡する

特殊詐欺の被害に遭ったら、すぐ警察に通報してください。その際に、電話相手とどんなやり取りをしたのか、できるだけ情報を伝えることが大切です。詐欺被害の再発を防ぐためには、電話相手の情報を聞き出すことも重要となります。警察や金融機関の職員になりすました犯人に金銭を要求された場合は、氏名・所属・電話番号等をメモしておきましょう。そして、警察に通報し、振込先の金融機関に連絡してください。犯人の口座にまだお金が残っていれば、振り込め詐欺救済法に基づき該当する口座を凍結できます。早めに連絡すれば、被害総額の一部もしくは全部を取り戻すことができるでしょう。

4-3.クレジットカード会社に連絡する

クレジットカードで要求されたお金を支払ってしまったときは、すぐにクレジットカード会社に連絡しましょう。支払ったサイトや業者の名前を手元に用意して連絡をすれば、支払い抗弁という制度が利用できます。支払い抗弁という制度は、支払先の業者やサービスが正常に提供されなかったり、見本と現物が異なっていたりなどの不備があった場合に適用される制度です。ただし、リボルビング支払いで38,000円未満、分割払いで手数料を加えた総額が40,000円未満のものは対象外になるので注意してください。

5.特殊詐欺に関してよくある質問

特殊詐欺に関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.最近増えている特殊詐欺の手口とは?
A.キャッシュカードをすり替える手口が増えているようです。オレオレ詐欺と同様の手口で被害者に接触し、キャッシュカード等を封筒に入れさせます。そして、隙を見て別の封筒にすり替えては被害者のキャッシュカードを持ち去るという手口が増加中です。キャッシュカードを持ち去ってしまうと口座のお金を盗み取られてしまう恐れがあるため、すぐにカード会社に連絡しなければなりません。また、簡単にキャッシュカードを渡さないようにしましょう。

Q.詐欺かもしれない電話の内容は?
A.息子や孫の身内になりすまし、「会社の携帯電話でかけている・携帯電話の番号が変わった」などの言い訳をつけて情報を読み取ろうとします。会社の小切手や通帳などが入ったカバンを忘れた・今日中にお金が必要・自分はお金を取りに行けないので代理のものを行かせるなどの理由をつけがちです。さらに、役所などの公的機関や銀行からの電話を装っては、医療費や保険料・税金の払い戻しがあるのでATMへ行ってという言葉を伝えます。たとえ、公的機関だとしても現金やキャッシュカードを取りに行ったり、口座番号や暗証番号を教えたりしないようにしてください。

Q.震災など自然災害に便乗した詐欺の特徴は?
A.震災など大規模の自然災害が発生した後には、災害に便乗した義援金・寄付金などをかたった詐欺が発生するので注意が必要です。特に、だましやすい高齢者を狙う恐れがあるため、知らない人からかかってくる電話には出ない・だまされたフリをするなど対策を施してください。また、最近では、マイナンバー制度やオリンピック開催など新たな政策・制度や、社会の出来事に便乗した特殊詐欺の多くが発生しています。

Q.クーリング・オフ制度は適用できるのか?
A.詐欺で意に沿わない商品を購入してしまったときは、クーリング・オフ制度で契約を解消する方法があります。クーリング・オフ制度は、一定期間であれば消費者側から一方的に理由なく契約を解除できる制度のことです。商品やサービスによって申請できる期限が決まっているなど制約はありますが、条件がそろえば解約できます。時間が経過するほど解除が難しくなる恐れがあるため、早めに消費者生活センター等に相談してください。

Q.詐欺の対応で困ったときの相談窓口は?
A.主な相談窓口は、国民生活センター(消費者ホットライン)・警察・弁護士です。国民生活センターは消費者庁が運営する電話相談窓口を設けているため、気軽に相談できます。市外局番なしの「188」番または「03-3446-1623」に連絡してください。また、振り込め詐欺などで金融機関に口座を凍結させる必要があるときは警察にも同時に連絡しましょう。訴訟を起こしたり、そのほかの法的な手続きが必要だったりするときは弁護士に相談してください。

まとめ

さまざまな手口の詐欺がありますが、基礎的な対策ポイントをしっかりと押さえておけば未然に防ぐことができます。詐欺を未然に防ぐため、警察庁のホームページやTwitterなどでも、特殊詐欺被害注意情報が更新されているのでぜひチェックしてください。また、被害に遭ってしまったときはパニックになりがちですが、できるだけ早めに相談することが大切です。相談することで、自分では分からなかった対処法が見つかります。どのような詐欺が流行(はや)っているのか、常にチェックすることが大切です。