自宅の駐車場を賃貸に出したい。必要な手続きや方法とは?

自宅の駐車場や敷地の一部があいているので、賃貸に出したい。
そう思っている方は案外多いのではないでしょうか?
車離れが進んでいるともいわれていますが、地方に行くほど車がなければ生活できません。
土地や駐車場にあきがあれば有効活用したいでしょう。
そこで、今回は自宅の駐車場を賃貸に出す方法をご紹介します。
駐車場経営は、手間もかからず楽そうだと思う方もいるでしょう。
しかし、駐車場の経営はトラブルも少なくありません。
ですから、駐車場の賃貸を考えている方はぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

1.駐車場を賃借に出すにはどうしたらいいの?

自分名義の土地にある駐車場のあきスペースを賃貸に出したい場合、特別な届け出などは必要ありません。
借り手を探してきて、契約を交わせばそれで大丈夫です。
観光地へ車で遊びに行き、民家の庭先のような場所に駐車した経験がある方もいるでしょう。
駐車場は、車を止めるスペースさえ整備しておけば大丈夫。
家や部屋を貸すよりも簡単な土地の有効活用法です。

2.駐車場の賃貸で起こるトラブルやデメリットとは?

しかし、駐車場を賃貸に出したことでトラブルが起こる可能性があります。
この項では、駐車場を賃貸に出した場合のデメリットや、発生する可能性があるトラブルの一例をご紹介しましょう。

2-1.駐車場を賃貸に出すデメリットとは?

駐車場を第三者に貸すと、自宅の敷地内に車が出入りすることになります。
自分で運転しているときはあまり気になりませんが、車の出入りする音は思っている以上に大きく気になるもの。
特に、夜半や明け方の出入りがひんぱんな場合は、近隣から苦情がくる場合もあります。
また、駐車場を借りる人がマナーのよい人ばかりとは限りません。
駐車場でアイドリングをしっぱなしだったり、夜遅く複数でやってきて騒いだりする人もいます。
また、車内のゴミを駐車場に捨てていく人もいるでしょう。
さらに、運転をあやまって自宅の設備を壊される場合もあります。
そして、意外と知られていないのが固定資産税のことです。
駐車場を賃貸に出して収入を得た場合、その土地は宅地ではなく更地になります。
すると、固定資産税が宅地よりもアップするのです。
「申告しなければばれない」という意見もありますが、後で税務署に知られた場合は追徴課税の対象になります。
ですから、駐車場の賃貸で得られた利益が税金で消える可能性もあるのです。

2-2.駐車場を賃貸にかかわるトラブル事例とは?

駐車場を賃貸に出したことで、前述したような騒音問題やゴミ問題が起こることもあります。
これも、トラブルといえるでしょう。
また、車を駐車しているときに車上荒らしにったり車が盗難にあった場合は、責任の所在を巡ってトラブルになることもあります。
さらに、車を置きっぱなしにしたまま連絡が取れなくなってしまったり、賃料が払われなかったりするトラブルが起こる可能性もあるでしょう。
そして、意外に多いのが無断駐車とまた貸しです。
無断駐車をされると、本来の借主だけでなくご近所の迷惑にもなるでしょう。
また、レッカー移動をさせる費用も一時的に立て替えなくてはなりません。
また貸しをされると賃料も払われなくなる可能性が高く、契約の解消にも手間取るケースが多いです。

3.駐車場をスムーズに賃貸に出すためには?

では、駐車場をトラブルなく賃貸に出すにはどうしたらよいのでしょうか?
この項では、その方法の一例をご紹介します。

3-1.信用のおける人に貸す

賃借人がよく知っている人や親戚ならば、トラブルも起こりにくいです。
ただし、「知り合いだからいいでしょう」と賃料があやふやになってしまうこともあります。
ですから、契約書をしっかりと交わして賃料も取り決めておきましょう。
契約書は、インターネットからダウンロードできます。
もし、借り手に余裕があれば数か月分まとめて払ってもらうと、よりトラブルになりにくいでしょう。

3-2.不動産業者を仲介して貸し出す

不動産業者は、家だけでなく駐車場の仲介も行っているところが多いです。
ですから、自分で借り手を探すのが面倒という場合やトラブルがあったときに対応が難しい場合は、不動産業者に仲介してもらいましょう。
仲介手数料がかかりますが、賃借人との契約やトラブルの対応など面倒なことは行ってもらえます。

3-3.駐車場の運営業者に土地を貸す

駐車場のあきスペースがたくさんあるという場合は、駐車場の運営業者に土地ごと貸してしまうという方法もあります。
そうすれば、運営から料金の徴収まですべて業者が行ってくれるでしょう。
駐車場は貸し出す場所が広くなるほど運営が大変になります。
ですから、10台以上止められる場所を貸し出したいという場合は、運営業者に委託をした方がうまく行きやすいです。

4.駐車場の賃貸を巡るトラブルを防止するためには?

では最後に、駐車場の賃貸を巡るトラブルを防止する方法をご紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。

4-1.法的公約のある契約書を署名捺印(しょめいなついん)した上で交わす

口約束で契約をした場合、賃借人が賃料を踏み倒しても請求は難しいです。
ですから、賃料のほかに禁止事項を記した契約を作成し、署名捺印(しょめいなついん)してもらいましょう。
禁止事項を破った場合には、すぐに契約を解除する旨も記しておくとより安心です。
前述したように、法的根拠のある契約書のテンプレートはインターネットを利用してダウンロードもできます。

4-2.緊急連絡先も聞いておく

今は携帯電話だけで固定電話を持たない人も増えてきました。
ですから、「固定電話がない人には貸せません」という条件では、なかなか借り手が見つからないかもしれません。
契約を結ぶときは、本人の電話番号のほかに緊急連絡先も聞いておきましょう。
そうすれば、携帯電話がつながらなくなっても安心です。
勤め先の電話番号でもよいでしょう。
そうすれば、本人と連絡が取れなくなっても、泣き寝入りしなくてすみます。

4-3.近所にあいさつをしておく

駐車場の賃貸を始めると、車の出入りが激しくなる場合もあります。
また、トラブルが発生したら、近隣の住人に迷惑がかかるかもしれません。
ですから、駐車場の賃貸を始めるときに、ご近所にあいさつに行きましょう。
簡単な手土産を持ってあいさつをするだけで、ご近所の態度も変わってきます。

5.おわりに

いかがでしたか?
今回は、自宅の駐車場を賃貸に出す場合の方法や注意点などをご紹介しました。
まとめると

  • 自宅の駐車場を賃貸に出す場合は、特別な届け出や手続きは必要ない。
  • 駐車場を賃貸に出す場合は、契約書を作成して賃借人に署名捺印(しょめいなついん)してもらおう。
  • 貸し出したい駐車場の台数が多い場合は、管理を委託する方法もある。

ということです。
駐車場の経営は、貸家を経営するよりも簡単そうに見えます。
しかし、だからといって口約束だけで貸し借りを決めてしまうと、何かあったときに対処できません。
「土地があいているから、駐車場でも始めようかな」と軽い気持ちで行うのではなく、しっかりとデメリットやトラブル事例を理解した上で行いましょう。
また、一定の収入があった場合は確定申告も必要です。
分からないことがあったら、税理士や税務署の無料相談を利用しましょう。