タンスの臭いをなんとかしたい! 臭いを取り除く方法とポイントを紹介

いくら掃除をしてもタンスの臭いがなくならない、洋服に臭いが染みついてしまってどうにかしたなど、タンスの臭いで頭を抱えている方は多いでしょう。消臭剤を使う方法もありますが、タンスの臭いを根本的に除去する方法があります。また、臭いを取り除いた後は予防策も立てておかなければなりません。

そこで、本記事では、タンスの臭いを除去する方法や防止策などについて詳しく説明します。

  1. タンスの臭いは何が原因か?
  2. タンスの臭いを除去する方法
  3. 服についた臭いを取る方法は?
  4. タンスの臭いを予防するには?
  5. タンスの臭いに関してよくある質問

この記事を読むことで、タンスに臭いが発生する原因や服についた臭いを取る方法なども分かります。悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

1.タンスの臭いは何が原因か?

まずは、タンスの臭いは何が原因なのか、チェックしておきましょう。

1-1.カビ

タンスの臭いは、カビが原因で発生しています。特に、墨汁や絵の具のような独特な臭いがする場合は、タンスの中でカビが大量発生しているでしょう。カビは温度が20~30℃・湿度が60%以上のジメジメした環境を好むため、タンスはまさにカビの温床です。そこに、汚れがついたままの服を入れておくと、さらにカビが発生し、タンスのあちこちに黒い点々が現れます。カビにもさまざまな種類があり、中でも黒カビは落としにくいといわれているので注意が必要です。

1-2.皮脂の汚れ・汗

タンスの独特な臭いは、皮脂の汚れや汗も含まれています。それぞれが強烈な臭いを放つのではなく、雑菌が皮脂や汗を分解するときに嫌な臭いが発生するのです。特に、夏場は汗をかきやすく、皮膚と直接触れる下着類は皮脂汚れが付着しやすくなります。洗濯すればほとんどの皮脂汚れ・汗は落ちますが、強烈な臭いはそのまま残り、タンスの臭いと混じってしまうのです。その結果、どんどん強烈な臭いになるでしょう。

1-3.防虫剤

タンスの中に入れる防虫剤も、悪臭を引き起こす原因の1つです。防虫剤には、ナフタリンやパラジクロロベンゼンなどが含まれており、独特な臭いを発しています。無臭タイプの防虫剤もありますが、防虫剤に含まれている成分から独特な臭いがタンス内に充満し、衣類に染みついてしまうというわけです。

1-4.接着剤の臭い

組み立てるタイプのタンスからは、接着剤の臭いが発生することもあります。もともとのタンスから発する臭いも原因の1つです。接着剤の臭いは、シックハウス症候群を引き起こす恐れがあるので注意しなければなりません。特に、長年使い続けている木製のタンスは、腐食などによって悪臭が発生する可能性もあります。

2.タンスの臭いを除去する方法

ここでは、タンスの臭いを除去する方法について詳しく説明します。

2-1.重曹を使う

タンスの臭いを取り除くために、洗剤を使いたくない方は重曹がおすすめです。重曹は自然由来の成分でできており、刺激成分が含まれていないので安心して使えるでしょう。また、重曹は消臭効果が期待できます。重曹を使う場合は、重曹水にして臭いを取り除く方法がおすすめです。

  1. タンスから衣類をすべて出す
  2. 水250ccと大さじ1の重曹を混ぜる
  3. タンスを日当たりと風とおしがいい場所に出す
  4. 作った重曹水に雑巾を浸し、固くしぼる
  5. タンスの中と引き出し全体を拭く
  6. 乾いた雑巾で水気を拭き取り、完全に乾くまで天日干しをする

なお、重曹水でタンスの臭いを除去する際は、天気がよく湿度が低い日を選びましょう。

2-2.塩素系漂白剤を使う

重曹水で臭いが除去できなかった場合は、塩素系漂白剤を使うといいでしょう。塩素系漂白剤を使った方法は以下の手順を参考にしてください。

  1. タンスから衣類をすべて取り出す
  2. ゴム手袋を身につける
  3. 水2Lに対し、塩素系漂白剤を40g入れる
  4. タンスを日当たりと風とおしのいい場所に出す
  5. 塩素系漂白剤を薄めた水に雑巾を浸し、固くしぼる
  6. その雑巾でタンスの引き出しと本体を丁寧に拭く
  7. 乾いた雑巾で水気を拭き取り、完全に乾くまで天日干しをする

2-3.新聞紙と石けんを使う

臭いがそこまで染みついていない場合は、新聞紙と石けんを使った方法がおすすめです。引き出しの中に新聞紙を敷いてみましょう。新聞紙には湿気を吸収するほか、消臭効果があります。タンスの中に漂っている湿気と臭いを吸収してくれるので、2~3か月に1回を目安に新聞紙を取り替えながら様子を見るといいでしょう。また、スライスした固形石けんを不織布のラッピング袋などに入れて、各引き出しに置くのも効果的です。石けんの臭いが悪臭を消してくれるでしょう。

3.服についた臭いを取る方法は?

ここでは、服についた臭いを取る方法について詳しく説明します。

3-1.洗濯と天日干し

そこまで臭いが染みついていなければ、天日干しをするだけでも衣類の臭いが除去できます。天日干しは除菌と消臭効果が期待できるので、風とおしがいい場所で天日干しをしてみてください。それでもタンスの臭いが除去できない場合は、洗濯してみましょう。もう一度洗濯することで、タンスの臭いが取れる可能性はあります。ここで、注意しておきたいのは、色あせが気になる衣類です。色あせが気になる衣類は、天日干しではなく陰干しにするのがポイントとなります。

3-2.重曹水を活用する

衣類に染みついたタンスの臭いは、重曹水スプレーで除去できる可能性があります。前述したように、重曹は消臭効果があるので重曹水を衣類にスプレーすることで臭いが除去できるでしょう。ちなみに、重曹水は水100mlに対し小さじ1杯の重曹を入れるだけでOKです。スプレーボトルに入れ、衣類に吹きかけてください。そして、ドライヤーなどで完全に乾かしましょう。生乾きのままタンスに戻すと、さらに臭いがひどくなるので注意してください。

3-3.スチームを当てる

スチームを当てるだけでも、衣類についたタンスの臭いが除去できます。スチームアイロンを持っている方は、簡単な方法ですのでぜひ試してみてください。繊維の奥にスチームが入り込み、衣類の嫌な臭いを消してくれるでしょう。やり方は衣類からスチームアイロンを2~3cm離し、そのままスチームを当てます。また、スチームを当てた衣類は湿っているので、しっかりと乾かすことが大切です。

3-4.お風呂に吊(つる)す

タンスの臭いがついている衣類を、お風呂に吊す方法もあります。「本当に吊すだけで臭いは取れるのか?」と疑問に感じますが、入浴後のお風呂は蒸気が漂っている状態です。その蒸気が衣類についている臭いを取り除いてくれます。また、蒸気によってシワもキレイになり、一石二鳥といえるでしょう。ジャケットやスーツなど洗えない衣類は、ぜひお風呂の蒸気で臭いを取り除いてみてください。なお、お風呂に吊した後はしっかりと乾燥させることが大切です。

4.タンスの臭いを予防するには?

ここでは、タンスの臭いを予防する方法について詳しく説明します。

4-1.収納スペースに余裕を持たせる

タンスの臭いを予防する方法として、収納スペースに余裕を持たせてください。衣類をギュウギュウに詰めすぎるのはNGです。スペースいっぱいに衣類を詰め込んでしまうと、空気の流れが悪くなり、カビが発生しやすくなります。湿気を逃がすためにも、すき間ができるぐらいに衣類を収納してください。理想は、収納スペースの2割を残しておくことです。衣類をたくさん詰め込んでいる場合は、この機会に断捨離をしましょう。

4-2.タンスの置き場所にも気をつける

タンスの置き場所によっては、湿気がこもりやすくなります。たとえば、壁にぴったり当てた状態でタンスを置いてしまうと、風とおしが悪くなり、湿気がこもりやすい環境になるでしょう。その結果、カビが発生しやすく、嫌な臭いが生まれてしまいます。タンスの臭いを抑えるためにも、2~3cm程度、壁とすき間を空けてください。置き場所を工夫するだけでも、嫌な臭いを防ぐことができます。

4-3.定期的にタンスの引き出しを開ける

タンスの引き出しを定期的に開けることも大切なポイントです。タンスの中は湿気がこもりやすい環境になっているため、定期的に引き出しを開ければ湿気を逃がすことができます。また、タンスの引き出しを開けるときは、部屋の窓も開けて風をとおしてください。衣替えのタイミングでタンスの引き出しを開け、空気を入れ替えるといいでしょう。

4-4.防虫剤は無臭タイプを

タンスの中に防虫剤を入れる場合は、無臭タイプのものを選んでください。前述したように、香りがついている防虫剤には、さまざまな成分が含まれています。その成分がタンスの臭いを悪化させる原因になるため、無臭タイプの防虫剤を使うのがポイントです。無臭タイプの防虫剤を利用すれば、服に臭いがつく心配もありません。

4-5.湿っている・汚れている衣類は収納しない

衣類をキレイにしてからタンスに収納することも大切なポイントです。衣類に汚れがついていたり、汗で湿っていたりしていると、その汚れや湿気がタンスの中に充満してしまいます。ほかの衣類にも悪臭をつけてしまう恐れがあるため、収納前に衣類が乾いているか、キレイになっているかを確認してください。なお、衣替えをする場合は、タンスなどに収納する衣類を洗濯してから収納しましょう。特に、大切な衣類はクリーニングをしてから収納することをおすすめします。

5.タンスの臭いに関してよくある質問

タンスの臭いに関する質問を5つピックアップしてみました。

Q.タンスのカビを放置するとどうなるのか?
A.タンスに収納している衣類が、着られなくなってしまいます。カビは発生するとどんどん繁殖していき、衣類にもカビ汚れがついてしまうでしょう。目に見えないカビの胞子がタンス中に漂い、引き出しを開けるたびにカビの胞子が外へ飛び出すことになります。その結果、タンスから部屋へとカビが繁殖してしまうというわけです。カビの繁殖を抑えるためにも、早めに除去する必要があります。

Q.衣類の黄ばみが気になるときの対処法は?
A.タンスの臭いだけでなく、黄ばみが気になる場合は、衣類を重曹や漂白剤でつけ置きをしてみてください。衣類を漂白剤につけ置きする場合は、塩素系ではなく刺激が少なめの酸素系を使うのがポイントです。40℃程度のぬるま湯に酸素系漂白剤または重曹を入れて、30分ほど衣類を浸しましょう。それでも汚れが落ちない場合は、粉末タイプの重曹をペースト状にし、それを黄ばみ部分に揉み込んでみてください。

Q.炭を使い消臭しても大丈夫か?
A.タンスの臭いを除去する方法として、炭を使うのもOKです。炭には消臭効果があります。市販のものを使うのもアリですが、炭を不織布などに入れ、タンスの中に置く方法もおすすめです。なお、炭を使用する際は、炭で衣類が汚れないように気をつけてください。

Q.消臭剤は何個引き出しの中に入れるべきか?
A.消臭剤の種類によって異なりますが、タンスの引き出しに2~4個入れるのが目安です。詳細は、消臭剤のパッケージなどに記載されているので、使用前に必ず確認してください。使用量を守ることで効果が発揮できます。逆に、消臭剤を入れすぎてしまうと、今度は消臭剤の臭いが衣類に染みついてしまう恐れがあるので要注意です。

Q.いくら試しても臭いが除去できないときはどうすべきか?
A.タンスの買い換えを検討したほうがいいでしょう。木製のタンスは20年以上使い続けることはできますが、カビが大量発生している場合は掃除するよりも買い換えのほうが手間と時間がかかりません。特に、黒カビは白カビよりも除去しにくい傾向があるため、新しいタンスに買い換えたほうがいいでしょう。なお、新しいタンスに買い換えた場合は、使用前に湿気対策を施すことでカビの発生が抑制できます。

まとめ

いかがでしたか? タンスの臭いは、衣類についている皮脂汚れや汗・カビなどが原因です。タンスの臭いを取り除く方法として、重曹水や塩素系漂白剤を使う方法があります。また、タンスの臭いが衣類に染みついてしまった場合、衣類を天日干ししたり、洗濯したりすることで取り除けるでしょう。キレイにした衣類へ再びタンスの臭いがつかないように、湿気がこもらない環境を作ることが大切です。定期的にタンスの引き出しを開けるなどして、湿気対策も施しておきましょう。