老人ホームの選び方を一挙公開! よくある失敗例や相談窓口も!
「老人ホームの選び方について知りたい」という人は多いでしょう。老人ホームにはさまざまな種類があり、入居条件やサービスの内容もそれぞれです。その中から、本人も家族も安心して利用できる老人ホームを選ぶにはどうすればよいのでしょうか。
この記事では、老人ホームを選ぶ際のポイントや老人ホーム選びの失敗例などを詳しくご紹介します。
この記事を読むことで、老人ホームの種類ごとの特徴や、選ぶ際にチェックすべきことなどが分かるはずです。ぜひ参考にしてください。
1.老人ホームを選ぶ際に確認すべきことは?
まずは、老人ホームを選ぶにあたって確認しなければならないことをご紹介します。
1-1.老人ホームにどのようなことを求めるのか
まずは、老人ホームに求めるものは何なのかを整理しましょう。なぜ老人ホームへの入居を検討しているのかを考えてみれば分かると思います。たとえば、「体が不自由なので介護サービスを受けたい」「体力が落ちているのでリハビリで体力減退を防ぎたい」など、さまざまなものがあるでしょう。希望する内容によってどのような老人ホームを選ぶべきか見えてくるはずです。
1-2.予算はどのくらいか
老人ホームに入居するにあたって、当然、費用がかかります。最初にまとまった金額が必要になる場合も多いため、事前にしっかり予算計画を立てておきましょう。無理なく払える費用の老人ホームを選ぶのがおすすめです。
1-3.何を重視して選ぶのか
老人ホームの条件にはさまざまなものがあるため、何を重視して選ぶのかを明確にしておきましょう。たとえば、家族が通いやすい場所にあるか・生活支援サービスは提供されるか・食事の内容はどうかなどチェックしてください。また、施設の清潔感やペット入居の可否で選ぶ人も珍しくありません。
2.老人ホームの種類を紹介
老人ホームには主にどのような種類があるのかをご紹介しましょう。
2-1.介護付有料老人ホーム
原則65歳以上が入居可能で、専門の介護士が24時間常駐しています。介護付有料老人ホームは全国でも数が多いので待機者が比較的少なく、希望のホームに入りやすいのが特徴です。ただし、住宅型有料老人ホームに比べて費用が高めなこと・サービスの質にばらつきがあることなどのデメリットもあります。
2-2.住宅型有料老人ホーム
60歳以上なら基本的に誰でも入居できる住宅型有料老人ホームは、入居者の健康状態に応じて外部の介護サービスを利用することが可能です。安否確認や食事・清掃の提供、買い物などの生活援助も受けることができるため、安心感では介護付有料老人ホームと同等といえるでしょう。
2-3.特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、要介護3以上・65歳以上の高齢者が入居可能です。社会福祉法人や医療法人などの公的機関によって運営されているため、比較的費用が安いという特徴があります。そのため、待機者の人数が非常に多く、数年待ちという施設も少なくありません。
2-4.介護老人保健施設
介護老人保健施設は、基本的に「機能回復」を目的とした短期入所施設です。交通事故にあったり長期にわたって入院していたりする高齢者に対して、日常生活に戻るための機能訓練を行います。提供されるサービスはリハビリが主で、十分に機能が回復されたと判断された際には退所しなければなりません。
2-5.介護医療院
介護医療院は医療を必要とする高齢者向けの施設で、医療ケアが非常に充実しているのが特徴です。医療と介護に加え、生活支援から看取(みと)りまで、幅広いケアシステムを目指しています。
2-6.サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、介護サービスを受けながら暮らすことができるマンション型の住宅です。通常のマンションやアパート同様、建物の一部を間借りして家賃を払う形態になっています。建物全体がバリアフリー構造なこと・安全確認を行うスタッフが常駐していることなど、高齢者向けに配慮された内容になっているのが特徴です。
2-7.ケアハウス
ケアハウスは自治体や社会福祉法人などの公的機関が運営している集合住宅です。常駐している管理人が安否確認や生活相談を行ってくれます。「一般型」と「介護型」の2種類があり、いずれも食事の提供があり、所得制限はありません。
3.老人ホームを選ぶ際のチェックポイント
老人ホームを選ぶ際にチェックしたいポイントをご紹介しましょう。
3-1.立地や周辺環境について
老人ホームの立地や周辺環境については、重視すべきポイントといえるでしょう。「住み慣れた土地から離れたくない」「家族が面会にいきやすい場所がよい」など、本人の希望も取り入れて選ぶべきです。また、自分で外出できる場合は、近くに商店街や公園などがあるとよいでしょう。
3-2.設備について
どのような設備があるかもチェックしておきましょう。テレビやタンスなどは自分で用意しなければならない施設も多いため、事前に確認してください。特に、家電の操作を覚え直すのは高齢者にとって大変なことです。使い慣れたものを持ち込むことができるなら、そのほうがよいでしょう。
3-3.食事について
どのような食事がどんな風に提供されるかも要チェックです。厨房設備がある施設と外部からの配食サービスを利用している施設があるため、好き嫌いや療養食など、利用者の希望にどの程度対応できるか確認しておきましょう。できれば、実際に入居者が食事をとっている様子を見学させてもらうのがおすすめです。
3-4.見学や体験入居でチェックすべきこと
老人ホームを選ぶ際には、何か所かの施設を見学したり体験入居をしたりすると思います。その際に、施設の清潔度や入居者の状況も必ずチェックしておきましょう。たとえば、床に食べこぼしなどの汚れが付いたままになっていないか・部屋から異臭はしないかなどです。入居者については、髪の毛や爪が伸び切っていないか・服装が乱れていないか・身体拘束されていないかなどをチェックしてください。
4.老人ホーム選びの失敗例3つ
老人ホーム選びでよくある失敗例をご紹介しましょう。
4-1.比較せず決めてしまった
「介護の問題があって焦っていた」「見学にいったら一目で気に入った」などの理由から、比較することなく老人ホームを選んでしまう人も少なくありません。単に「部屋がきれい」「スタッフの感じがよい」など、表面だけの印象で決めてしまい、後悔するケースは多いのです。
4-2.本人の希望を十分に聞いていなかった
入居する本人の意思や希望を十分に聞かず、家族が老人ホームを決めてしまう例も少なくありません。中には、本人に本当のことをいわずに家族の希望だけで決めてしまうケースもあります。その結果、老人ホームで豊かな生活を送ることができず、気力が低下してしまう高齢者もいるのです。
4-3.事前に聞いていた説明と違った
契約書の内容をしっかり確認しておかなかったことでトラブルに発展するケースもあります。事前に説明を受けていても、正確に理解しないまま契約書に判を押してしまったというケースも珍しくありません。
5.老人ホームに関する相談窓口
老人ホームに関して、どこで相談に乗ってもらえるのかをご紹介しましょう。
5-1.高齢者総合相談センター
高齢者総合相談センターは、高齢者やその家族が抱える悩みに対して相談を受け付けてくれる機関です。直接面談して相談することはもちろん、電話での相談にも対応しています。「#0808」に電話をすれば無料で相談に乗ってくれるため、検討してみるとよいでしょう。
5-2.民間の紹介センター
民間の紹介センターは全国にある老人ホームの情報を持っているため、適切な施設を紹介してもらえるでしょう。相談料は無料なので気軽に相談してみることをおすすめします。ただし、提携している老人ホームの数が少ないと紹介先も限られてしまうため、事前に登録数を確認してから利用するのがおすすめです。
5-3.担当のケアマネージャー
担当のケアマネージャーに老人ホームのことを相談するのもおすすめです。入居者の状況に合った老人ホームを提案してくれるでしょう。ただし、担当している地域以外の情報には詳しくない場合も多いので注意してください。
6.老人ホームの選び方に関するよくある質問
「老人ホームの選び方について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめました。
Q.老人ホームにかかる費用内訳にはどのようなものがありますか?
A.入居一時金や月額利用料のほか、医療費や日用品にかかる費用・有料サービスにかかる費用などがあるでしょう。
Q.ペットと一緒に入居できる老人ホームはあるのですか?
A.数は多くありませんが、ペットも入居可能な老人ホームはあります。入居可能なペットの種類や追加料金など、事前に確認しておきましょう。
Q.老人ホームは何か所くらい見学すべきですか?
A.少なくても2~4か所は見学をして比較すると安心でしょう。
Q.老人ホームを見学するにあたって、施設内の人間関係はどこをチェックすれば分かりますか?
A.職員の表情が生き生きしているか・乱暴な言葉遣いをしているスタッフはいないかなどをチェックするとよいでしょう。
Q.インターネットで老人ホームを探すのはやめたほうがよいですか?
A.数多くの老人ホームを検索できるのは大きなメリットでしょう。有益な情報を得られる可能性は十分にあります。ただし、広告にまどわされることがないよう、最終的には自分の目で見て決めるようにしてください。
まとめ
老人ホームの種類や選び方・相談先などを詳しくご紹介しました。老人ホームにはさまざまな種類があり、体制やサービス内容・費用などがそれぞれ異なります。どんな老人ホームを選ぶべきなのか分からなくなったときは、専門の知識を持つ機関に相談することも検討しましょう。