床下の湿気対策はどうすべきか?原因・放置による影響・対処法を紹介

一戸建ての床下は湿気がこもりやすいものです。湿気がこもった状態が続くと、カビや害虫の発生が起こる可能性があります。普段は目に触れる場所ではないため、床下の湿気を意識する機会は少ないでしょう。床下の湿気対策がなぜ必要なのかを理解することが大切です。具体的な湿気対策の方法などをご紹介します。

  1. 床下の湿気対策が必要な理由
  2. 床下で湿気が発生する原因
  3. 床下の湿気対策方法
  4. 床下の湿気対策を業者に依頼する際の注意点
  5. 床下の湿気対策でよくある質問

湿気対策と同時に、 床下に湿気がこもる原因も併せて覚えておきましょう。また、DIYでの湿気対策が難しい場合は、業者を利用する方法も考えてみてください。

1.床下の湿気対策が必要な理由

床下の湿気対策を行う重要性を見ていきましょう。

1-1.カビや害虫の発生

床下の湿気は、カビや害虫の発生リスクを高めます。特に注意したいのは、シロアリです。シロアリは木材を侵食し、軀体(くたい)にダメージを与えます。シロアリの侵食が進むと、家が倒壊する恐れが出てくるため、早めに対策を講じ、被害を受けないようにすることが大切です。

1-2.室内まで湿気が流れ込む

床下に湿気がこもった状態が続くと、床下から湿気が上がり、室内まで流れ込んできます。特に、押し入れや収納などにカビや害虫が発生するリスクが高まるのです。本来調湿作用がある畳も湿気を含んだままとなるため、室内全体にわたってジメジメした状態が続きます。

1-3.家の寿命が短くなる

床下の湿気は、家に大きなダメージを与えます。軀体までダメージを受けると、家の寿命が短くなるでしょう。床のきしみなどを感じる場合は、早急に対策を講じることが大切です。床下の点検だけでも受けてみましょう。

2.床下で湿気が発生する原因

床下に湿気がこもる原因を考えていきます。

2-1.水蒸気

床下の湿気は、地面からの水蒸気の場合があります。もともと水はけの悪い地域や湿地帯は、水分が放出されずに地中に残ったままであることが多いものです。本来は、湿気対策を講じて家を建てます。しかし、適切な処理が行われていない場合、雨などの影響によって床下に水が流れ込むことがあるのです。

2-2.換気孔の不足

一戸建ては、壁面積に応じた換気孔が設置されていない場合、湿気が床下に残ってしまいがちになります。換気孔の設置方法は2種類です。建築基準法に基づき、基礎の立ち上げ部分に穴を設置する方法と、基礎と土台の間にパッキンを設置する方法があります。

2-3.隣家との距離が近い

隣家との距離が近く、通気の維持が難しい場合も注意が必要です。また、換気孔付近にものを置くなど、空気の循環がうまくできない状態も避けましょう。

2-4.台風や大雨の影響

台風や大雨の後は、床下まで雨水が浸水している場合があります。水はけが悪い場合、雨水が床下にとどまり、ジメジメした状態が続いてしまうのです。悪天候の後は、床下の点検を受けるなど、早めの対策を行いましょう。

3.床下の湿気対策方法

床下の湿気対策はどのようにすればいいのでしょうか? 具体的な方法をご紹介します。

3-1.床下換気扇の設置

床下換気扇を設置すれば、効率よく湿気を逃がすことができます。設置する場合、広さに応じた台数が必要です。リフォームなどをきっかけに導入するケースもあるでしょう。光熱費は、月に100円前後という機種もあります。

3-2.調湿材を導入する

床下に調湿材を導入する方法もあります。調湿材は、湿気を吸収するものです。吸収した湿気は、空気が乾燥しているときに放出されるようになっています。ゼオライトや炭などを用いるケースが多いでしょう。半永久的に効果が持続するのが特徴です。

3-3.防湿シートを敷く

防湿シートは、床下に敷き詰めて使います。シートが動かないよう、コンクリートで一部を固める方法がおすすめです。コンクリートを流し込むことができない場合は、砂利などで代用しましょう。

4.床下の湿気対策を業者に依頼する際の注意点

業者に依頼すれば、よりしっかりとした床下の湿気対策ができます。業者に依頼する際の注意点を覚えておきましょう。

4-1.現地調査をしっかり行う業者であること

床下の湿気対策は、現地調査を行わなければ、状態を把握することができません。現地調査を入念に行い、現状把握と適切な対策を提案できる業者を選びましょう。

4-2.リフォームにも対応している

リフォームにも対応している業者なら、床下の湿気対策を万全に行うことができます。床下の状態によっては、布基礎からベタ基礎にリフォームする場合もあるでしょう。布基礎は土がむき出しになったままの状態なのに対し、ベタ基礎は床下をコンクリートで固めたものを指します。ベタ基礎は湿気予防に役立ち、カビやシロアリ被害などを食い止めることができるのです。

4-3.費用が明確な業者であること

床下の湿気対策にかかる費用は、工法や広さによって変わるものです。見積もりを出してもらい、費用の単価や内訳などが明確な業者を選びましょう。トータルの費用だけで、細かな部分がはっきりしない業者は、工事をしていく中で追加料金が発生する可能性もあります。複数の業者を比較し、安心して依頼できる業者を見つけることが大切です。

4-4.訪問営業の業者は利用しない

訪問営業で、床下換気扇や調湿材を販売する業者は、悪質なケースが目立ちます。不要なリフォームを提案する・法外な料金を請求するなどのトラブルが多いのです。木造住宅が狙われやすい傾向があります。地元で事務所を構えて長年営業し評判も申し分のない業者を探すようにしましょう。

5.床下の湿気対策でよくある質問

床下の湿気対策に関する質問を集めました。

Q.新築でも床下の湿気対策は必要なのか?
A.はい、必要です。入居前に湿気対策を終えておき、安心して住めるようにしておきましょう。床下の湿気対策は、家を守るためのものです。快適な住環境を維持するためにも、入念に湿気対策を行ってください。

Q.DIYで調湿材や調湿シートを設置する場合、どこから床下に入ればいいのか?
A.床下点検口を利用しましょう。ただし、床下に入る際は、安全に作業を進めるため、汚れてもいい服装・防塵(ぼうじん)マスク・ヘッドライト・手袋・長靴などを装着してください。床下点検口がない場合は、業者に依頼したほうが安心です。

Q.布基礎からベタ基礎に変更する場合、工事期間はどのくらいかかるのか?
A.工事内容によって変動があります。3〜5日程度かかるのが一般的です。業者によっては、コンクリートを流し込むため、床や壁の撤去を要する場合があります。短期間の工事で終えたいなら、床や壁の撤去をしないで施工できるリフォーム業者を選びましょう。

Q.床下の湿気を放置すると、人体にも影響を与えるのか?
A.はい、与えます。カビや害虫などによる健康被害を受ける可能性が高まるでしょう。室内のカビは、壁紙の裏などに発生する場合があるため、気づきにくいのが難点です。定期的に業者の点検を受け、床下の状態を確認してもらいましょう。

Q.シロアリが発生している場合はどうすべきか?
A.業者に依頼し、シロアリの駆除とともに、侵食された箇所があれば補修をしてもらいましょう。シロアリは、自分では確認できない部分まで侵食していることが多いものです。きちんと駆除しなければ、将来家が倒壊することも考えられます。自分だけで駆除しようとせず、プロの力を借りたほうが安心です。

まとめ

床下は、湿気がこもりやすい場所です。湿気がこもった状態を放置すると、カビや害虫が発生し、住んでいる人の健康にも影響します。シロアリの発生は、家の倒壊にもつながるので注意が必要です。床下の湿気対策は、床下換気扇・調湿材・防湿シートなどを設置する方法があります。DIYでの対処が難しい場合は、業者に依頼しましょう。