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【雪対策】庭木と家屋を守る冬囲い・雪囲いについて知りたい! 豪雪地帯は備えを!

冬が近づくと、街路樹や庭木などに囲いが施されているのをご存じですか?大切な樹木を雪害から守るためにする、冬囲いと呼ばれるもの。雪は、見た目よりも重量があり、重みで枝などを折って庭木をダメにしてしまう恐れもあるでしょう。冬囲いは、寒冷地域にとって重要な雪対策です。大切な庭木を雪から保護するために大切な冬囲いですが、さまざまな手法があります。

ここでは、冬囲いの方法をご紹介していきましょう。

  1. 冬囲いと雪囲いとは?
  2. 庭木の冬囲いの種類とやり方
  3. 結び方

1.冬囲いと雪囲いとは?

冬囲いと雪囲いは共通した意味で使われています。雪囲いの場合、家屋保護を目的とした対策を指して使われることもあるようです。積雪量の多い地域では、どちらも冬の雪対策として必要不可欠なものでしょう。

1-1.冬囲い

寒さが厳しくなってくると、庭木や街中の樹木に施される冬囲い。高木向け・中低木向け・低木向けなど、樹木の高さによりやり方が異なるのも特徴でしょう。冬囲いは、主に冷気や積雪から樹木そのものを保護することを目的としています。庭木が雪の重みで折れてしまったり、寒さで弱ってしまったりするのを防ぐために必要です。それぞれの樹木を柔らかい木材などで保護して囲むことを指します。

1-2.雪囲い

雪対策は、豪雪地帯と呼ばれる北海道・日本海側の東北地方・北陸地方で行われる冬の風物詩です。雪囲いは雪から家屋を守るために行いますが、庭木を雪から保護する冬囲いと同じ意味でも使われています。

家屋に雪囲いをするのは、積雪量が多い地域では屋根からの落雪に加え、窓際に高く積もった雪の圧迫により、窓が破壊されてしまうのを防ぐ目的。まれに、家屋倒壊などの被害を受けるケースもあり、雪囲いがいかに大切かがわかるはずです。

豪雪地帯では、寒さが厳しくなると慣例行事の雪対策として、家屋や庭木保護のために雪囲いを施すのが一般的でしょう。主な方法は、窓を多数の板材を並べて塞ぐもの。積雪量が多い地域になればなるほど、板材の位置が高くまで設定されています。

豪雪地帯では冬囲いや雪囲いが必要なんですね。
はい。なお、雪が降らなくても寒さが厳しい地域ならば冬囲いは必要です。

2.庭木の冬囲いの種類とやり方

積雪の重みによる枝折れや倒木から、庭木を保護する冬囲い。冷たい風から守り、弱らないためにも行われるものです。その種類とやり方には、さまざまものがあります。樹木の形状や性質に合わせ、適切な方法が施されているようです。

2-1.雪吊(づ)り

冬でも緑を楽しむことができる松をはじめとする高い樹木には、雪吊(づ)りという方法を用います。雪吊(づ)りには2つの方法があり、幹吊(づ)りまたは直吊(つ)りと呼ばれる方法と、枝吊(づ)りと呼ばれる方法です。幹吊(づ)りは、樹木本体上部に吊(つ)り縄を設置し、保護したい枝を直接縛っていく手法。円錐(えんすい)形になるように縄を調整するのがポイントでしょう。低い枝にも使える方法です。

枝吊(づ)りは、樹木の中心に軸となる柱を立て、吊(つ)り上げた場所から放射線状に枝の先端へ縄を張っていくもの。軸となる柱は、樹木の高さの1.5倍が理想とされており、枝の数によって吊(つ)り縄の本数は変化します。通常は、8〜20本です。積雪が多い地域ほど、本数を増やすことでしっかりした雪吊(づ)り効果が期待できるでしょう。

2-2.三ツ又しぼり

中低木は、雪吊(づ)りとは異なった方法で保護します。三ツ又しぼりと呼ばれる手法で、必要なものは縄と3本の根曲がり竹です。根曲がり竹を樹木の中心に向かって三角を描くように差し込み、先端部分を縄で固定します。先端部分と地面までの間に、数カ所縄で固定すると、より安定感が増すでしょう。庭木の大きさにより、根曲がり竹の本数を増やして見てください。根曲がり竹の本数により、四ツ又や五ツ又と呼ばれています。

2-3.竹棚

ツツジなどの低木には、竹棚を施します。棚囲いとも呼ばれる方法です。支柱を複数立ててた上に、格子状に組んだ竹を設置します。雪の重みや圧力を緩和する最適な方法です。格子状の竹の美しさから、装飾的効果も期待できるとされています。街中で頻繁に見かけることが多いのは竹棚でしょう。

2-4.竹囲い

高低にかかわらず使える方法は、竹囲いです。3本以上の竹を地面に固定し、円錐(えんすい)形になるように先端部を縄で縛ります。多くの竹を使うことで、入り込む雪の量を減らす効果が期待できる方法。竹囲いでは、ネットを併用することがあります。縄を籠編みのように巻きつけることで、より一層美しい景観を保つことができるでしょう。

竹の代用品として細い丸太を使うことも。丸太を使った場合には、丸太囲いと呼ばれることもあるようです。小さな苗の保護にも役立つ方法で、植えたばかりの苗に使うこともあります。

2-5.こも巻き

地面から2m程度の位置に、藁(わら)で作ったこもを巻きつける方法です。本来は、こもに誘引されたマツカレハの幼虫のマツケムシを駆除するために施されていました。こもを巻きつけることで、越冬したマツカレハの幼虫をこもごと焼却して駆除していたようです。

今では樹木の雪対策の1つとなり、霜や雪から守る防寒になり役立っています。こも巻きでは樹木全体を覆って縄で縛る方法もあり、容易に仕上げることが可能です。ただし、全体を覆うことによって光が遮られてしまうため、南側を少し残しておくこともあります。こもの代用品として、ナイロン製のネットを使うケースもあるようです。寒さに弱い常緑樹に施すことが多く見ることができるでしょう。

冬囲いにはいくつもの種類があるんですね。
はい。樹木によって適したものが異なります。

3.結び方

いずれの方法で雪対策をしても、肝心なのは縄をしっかり結ぶことです。さまざまな結び方があり、覚えておくととても便利でしょう。

3-1.男結び

冬囲いで1番多用されている結び方です。さまざまな種類の縄に適応しています。ツノ結び、イボ結びといった呼び方をされることもあるようです。

3-2.からみ止め

雪吊(づ)りのてっぺんを縛るときに使う手法です。複数の縄をからませて、最後は男結びでしっかりと固定します。

3-3.もやい結び

アウトドアでも馴染(なじ)みのあるもやい結びは、雪吊(づ)りの枝部分に使います。縄の先端に輪を作って結ぶ方法です。結び方・解き方ともに容易でありながら、頑丈に縛ることができると汎用性の高い結び方として知られています。

結び方も複数あるんですね。
はい。装飾的な結び方もあります。

まとめ

寒くなってくると気になる、雪対策についてご紹介しました。

  • 冬囲いと雪囲いとは?
  • 庭木の冬囲いの種類とやり方
  • 結び方

豪雪地帯では、雪の重みで被害を受けないように万全の対策が必要です。雪害から家屋や庭木を保護するための 冬囲いと雪囲い。どちらも雪により枝が折れる、家屋が倒壊する被害を防ぐためのもの。庭木の種類により、冬囲いの方法はさまざまです。樹木に合った方法で保護してあげましょう。