水筒の洗浄方法が知りたい! キレイに洗うポイントと注意点は?

水筒(すいとう)を職場や外出時に、持って出かけるという方が多いのではないでしょうか。さまざまな水筒が販売されていますが、頻繁に使うものほど内部に汚れが蓄積されていきます。水筒はキャップのパッキンを取りはずしたり、奥まで手が届きにくい形だったりと洗浄に手間がかかるものです。口に直接つけるものだからこそ、常に清潔な状態を維持し続けなければなりません。そこで、本記事では、水筒の洗浄方法について解説します。

  1. 水筒の基礎知識
  2. 水筒につきやすい汚れ、雑菌は?
  3. 水筒の洗浄方法
  4. 水筒の洗浄に関してよくある質問

この記事を読むことで、水筒を清潔にするために必要な洗浄方法とポイントが分かります。水筒の衛生面が気になっている方はぜひチェックしてください。

1.水筒の基礎知識

それでは、水筒の主な種類や最近の傾向をチェックしておきましょう。

1-1.最近の人気は?

現代の水筒は、主にアルミニウムなど合成樹脂・ステンレスの材料で作られています。軽くて丈夫かつ保温性もある「ステンレスタイプ」が主流となっており、軽く持ち運びが楽だと人気です。学校での遠足やピクニックに活躍する保温・保冷機能つきの「魔法瓶タイプ」も人気ですが、ステンレスタイプのほうが幅広い年代に使用されています。中でも、オールシーズンで使えるおしゃれなデザインが人気です。

1-2.主な種類を紹介!

多種多様な水筒が販売されていますが、素材・用途・飲み方などが異なります。従来の水筒はコップに注いで飲むタイプがほとんどでした。しかし、近年は直接口をつけて飲む「直飲みタイプ」が主流になりつつあります。
また、水筒選びに悩むときは、何のために使うのか用途を明確にしておくと良いでしょう。たとえば、コップにつぐのが嫌な方は直飲みタイプ、毎日使う方は手入れがしやすいタイプ、水分補給をこまめに摂(と)りたい方は大容量タイプを選んでください。複数の水筒を比較すると、ぴったりなタイプを選ぶことができます。

1-3.最近の機能、構造をチェック!

最近の水筒は、驚くほどの新機能が搭載されています。たとえば、アウトドアタイプには空気から水を作り出したり浄水できたりするタイプがあるのです。ハイキングやサイクリングで持ち歩きたいときには、とても便利なアイテムと言えるでしょう。
また、ボトルに水を入れるとLEDディスプレイが水質を表示するタイプもあります。ボトル底部をまわすと、農薬・バクテリアなどが浄水できるのです。山登りなどで大活躍すること間違いありません。

1-4.水筒に入れてはいけないものは?

味噌汁・スープ・昆布茶など塩分を多く含んだものや、牛乳・乳製品、炭酸飲料などは水筒に入れてはいけません。なぜなら、酸性度の高いものはステンレスを腐食させる原因になるからです。汚れが付着しやすくなり、頑固な汚れとなります。水筒を正しく使用することも洗浄を楽にするポイントです。

2.水筒につきやすい汚れ、雑菌は?

では、水筒にどのような汚れ・雑菌が付着しやすいのでしょうか。

2-1.どんな汚れがつくの?

コーヒー・ジュース・お茶などさまざまな飲み物を入れて持ち運ぶ水筒は、飲み物のニオイや茶渋などが付着しやすい傾向があります。汚れを放置すると、カビ・サビが発生する可能性もあるのです。頑固な汚れは簡単に落とせないので、定期的に洗浄が必要となります。見た感じは汚れがついていないようにみえても、内部をさわってみるとザラザラしたら、茶渋が付着した証拠です。

2-2.付着しやすい雑菌は?

洗い残した水筒内の菌や、飲み口から移って入った菌が水筒の中で増殖します。人間の口の中は、約300種類もの雑菌がひそんでいるといわれているため、これらの雑菌が水筒の中へ入るのです。さらに、カテキンが含まれるお茶の葉自体が劣化すると、雑菌繁殖の原因となります。また、水道水でつくった氷を水筒の中に入れると、水道水に含まれる雑菌が入るのです。つまり、水筒に付着する雑菌は、さまざまな経路で侵入し増殖していきます。

2-3.汚れやすい箇所は?

汚れがたまりやすいのは、水筒の底や飲み口の部分です。水筒の底は、飲み物の残りや洗い残しが蓄積されやすく、ぬめりやザラザラ感が出てきます。また、洗いにくい場所というのも汚れがたまりやすい特徴です。加えて、飲み口の部分は直接口につける場所でもあるため、雑菌が付着しやすい傾向があります。汚れやすい箇所は、こまめに洗浄を行うことがポイントです。

3.水筒の洗浄方法

では、水筒の洗浄方法とポイントを解説します。

3-1.なぜキレイにしなければならないの?

水筒は、私たちが口にする飲み物を入れて持ち歩くための容器です。もし、水筒の中身が汚れて雑菌が繁殖していると、安心して飲むことができません。特に、子どもは毎日学校へ水筒を持っていくことが多いはずです。子どもが安心してお茶や水が飲めるようにするためにも、きちんとキレイにし清潔な状態を維持し続けなければなりません。

3-2.洗浄頻度は?

水筒の洗浄は、簡単にできる毎日のお手入れと、定期的に行う徹底した洗浄が理想となります。使用後に洗う場合は、以下の流れで行ってください。

  1. 水筒の本体を軽く洗い流す
  2. 持ち手がついた水筒・ボトル用スポンジに食器用洗剤を2~3滴たらす
  3. 持ち手をクルクルまわしながら本体の底や内側をしっかり洗う
  4. 本体の上の部分は小さめのスポンジでよく磨く
  5. ぬるま湯できちんとすすぎ、風通しの良い場所で自然乾燥させる

3日かに1回は水筒の中ぶたなども念入りに洗いましょう。定期的に行う洗浄方法とポイントは、後ほど【3-4.洗浄方法とポイント】で説明するのでぜひチェックしてください。

3-3.必要な道具、洗剤は?

水筒の洗浄に必要な道具は、やわらかいスポンジ・取っ手付きのスポンジ、そして台所用洗剤です。特に、ステンレス製の水筒を洗う場合は、台所用洗剤・中性洗剤を使用してください。つけおき洗いの場合は「酸素系洗剤」がおすすめです。また、フタ・パッキンなどに付着した頑固な汚れは、酸素系漂白剤に30分ほど漬け込み、水ですすぐと汚れが落ちやすくなります。白っぽい汚れはクエン酸、サビはお酢や重曹など、汚れ具合によって洗剤を使い分けることがポイントです。

3-4.洗浄方法とポイント

水筒のボトル部分とフタ・パッキン部分の洗浄方法とポイントを以下にまとめましたので、ぜひチェックしてください。

3-4-1.水筒のボトル部分

やわらかいスポンジや取っ手つきのスポンジと、台所用洗剤を使いながら丁寧に洗いすすぎ、乾燥させてください。また、本体のボトル部分に所定量の酸素系漂白剤とぬるま湯を入れて、30分ほど放置しておきます。その後に十分すすぎ、しっかりと乾燥させれば内部の汚れが取りのぞけるでしょう。

3-4-2.フタ・パッキン部分

フタ・パッキン部分は細かいため、酸素系漂白剤に30分ほど漬け込む洗浄方法がおすすめです。こちらも洗浄後には、十分に乾燥させてください。

3-4-3.ザラザラした白っぽい汚れ

ザラザラとした白っぽい汚れは、水道水に含まれるカルシウムなどが付着した汚れです。この汚れを落とすには、クエン酸を1~2%ほど入れたぬるま湯を本体ボトルに入れてください。入れた後はフタをせずに3時間ほど放置します。そして、よくすすぎ内側を十分に乾燥させればキレイになるでしょう。

3-5.ニオイの除去ポイント

茶渋や独特な飲み物のニオイを除去したい場合は、重曹と酸素系漂白剤が効果を発揮します。

  1. 水筒に60℃ほどのお湯を八分目から九分目まで入れる
  2. 小さじ1~大さじ1杯程度の重曹を水筒に入れてフタをする
  3. 軽く振った後フタをはずして1時間ほど置き、中身を捨ててからスポンジで洗う
  4. 汚れやニオイが落ちない場合は、重曹と同量のクエン酸を加えて1~3をくり返す

上記の方法でもニオイが取れない場合は、漂白剤でスペシャル洗浄をしてください。ただし、漂白剤を使用する際は、つけおき時間を1時間にすることが大切です。長くつけおきすると、ステンレスボトルやパッキンのゴムが劣化するおそれがあります。漂白時間に十分気をつけた上で使用してくださいね。

3-6.カビの除去方法

フタやパッキン部分には、カビが付着しやすい傾向があります。もし、カビが付着しているようなら、パーツごとに取りはずし薄めた食器用漂白剤にしばらくつけておきましょう。細かい部分は洗い流す際に爪楊枝(つまようじ)や使い古した歯ブラシを使うとキレイになります。ただし、いくら洗浄してもカビが染みついて落ちない場合は、パッキンを買い換えたほうが良いでしょう。

3-7.十分に乾燥させることが大事!

水筒を洗浄した後は、きちんと乾燥させなければなりません。なぜなら、内部が湿ったままだと雑菌が繁殖しやすい環境になるからです。水筒を洗ったらきちんと乾燥させ、水気が残っていない状態で新しい飲み物を入れることが大切なポイントとなります。

3-8.やってはいけないこと、注意点

研磨粒子が練り込まれている硬いスポンジ面で本体をこすると、傷がつきサビや汚れが付着しやすくなります。金属たわしや研磨剤入りのものは使用NGです。スポンジで洗う際は、できるだけやわらかいものを使いましょう。また、本体のつけおきをするときはフタをしないでください。フタをつけたままにすると、本体の内圧が上がり飛び出すおそれがあります。

4.水筒の洗浄に関してよくある質問

水筒の洗浄に関してよくある質問を6つピックアップしてみました。

Q.使用してはいけない洗剤は?
A.ステンレス本体は塩素系漂白剤を使わないでください。なぜなら、水筒がサビてしまうおそれがあるからです。確かに、塩素系漂白剤を使用してキレイになったという報告はありますが、ステンレスが傷つくと茶渋や汚れがたまりやすくなるので注意しなければなりません。ステンレス製の水筒の取扱説明書にも、「塩素系漂白剤は使わないでください」という旨が記載されているので確認すると良いでしょう。

Q.斑点状の赤いサビは、どうしたら落とせるの?
A.斑点状の赤いサビは、水道水に含まれる鉄分が付着した汚れでしょう。この場合は、食酢をぬるま湯に対して10%程度入れたものを、本体ボトルに入れてください。そして、約30分放置しましょう。後はキレイに洗い流してよく乾かしたら赤いサビが除去できるはずです。

Q.食洗機で洗うのはNG?
A.ほとんどの食洗機は、高温のお湯で洗浄します。そのため、熱によって水筒の部品が変形し漏(も)れにつながる可能性があるのです。特に、色つきの本体ボトルの場合は、塗装が剝(は)がれてしまうこともあります。また、パッキン部分を失くすおそれもあるため、食洗機では洗わないようにしてください。

Q.パッキンはどうやって買い換えられるの?
A.水筒の代表的なメーカーとなる「サーモス社」の場合は、ホームページから必要なパーツだけ購入可能です。水筒のパッキンだけなら、約200円~で購入できるでしょう。また、家庭用品や豊富な種類の水筒を販売しているお店などでも購入できます。洗浄を楽にしたい、長く水筒を使い続けたい方は、パッキンの買い換えが可能な種類を購入してください。

Q.ボトル本体をつけおきする際の注意点は?
A.本体の内部に洗剤を入れてつけおきするのは良いですが、本体の外側はつけおきしないでください。なぜなら、塗装が剝がれ傷つくおそれがあるからです。ボトル本体のつけおきをする場合は、中身だけにしましょう。

Q.ブラシ以外に汚れを落とすアイテムはあるのか?
A.固めのブラシを使うと、目に見えない細かいキズがついてしまう可能性があります。ブラシで汚れを落とすのが不安な方は、食用品ラップを活用してください。ステンレス水筒の中に、丸めた10cm角程度のラップと少量の水、食器用洗剤入れてよく振ります。ラップならキズをつける心配もなく、ガラス容器でも使えるでしょう。ぜひ試してみてください。

まとめ

いかがでしたか? コーヒー・お茶・ジュースなどの飲み物を入れて持ち運ぶ水筒は、使用後のお手入れと定期的な洗浄が必要です。特に、飲み口やボトルの底、パッキンなどに汚れが付着しやすい傾向があります。汚れが溜まると、水筒に入れた飲み物に殺菌が混ざるので気をつけなければなりません。毎日のお手入れはもちろんのこと、定期的に洗浄を行うことで清潔な状態が維持できるのです。水筒の洗浄方法とポイントをつかみ、常にキレイな状態で使い続けましょう。きちんとキレイに洗浄すれば、長く使い続けることができますよ。